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髑髏天使

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第六十話 最終その十五


「絶対にだ。消えないものだ」
「絶対か」
「力を弱め漂うだけになろうともだ」
 それでも消えないというのだ。何があってもだ。
「それをわかっておくことだ」
「消えはしないか。混沌は」
「その通りだ。ではだ」
「ではか」
「帰るとしよう」
 今度は死神から帰ることを言ってきた。
「最早この世界にこれ以上いても仕方がない」
「戦いは終わったからね」
 目玉が出て来た。そのうえでの言葉だった。
「もうね。それだったらね」
「そういえば世界が」
 気付けばだった。髑髏天使達の周りは。
「変わってきているな」
「元の世界に戻って来ている」
「少しずつね」
 こうだ。死神と目玉も話す。
「少なくとも千年はだ」
「混沌がこちらの世界に来ることはないよ」
「戦いは本当に終わったのだな」
 それを聞いてだ。髑髏天使は言った。
「俺達の戦いは」
「それではです」 
 どうかとだ。百目が言ってきた。
「私達はです」
「どうするというのだ」
「遊びましょう」
 笑顔の言葉だった。
「これで心おきなく」
「そうするか」
「何度もお話しますが我々は楽しみを見出しました」
 こう話すことはだ。同じであった。
「戦い以外のことにです」
「人間の世界においての遊びか」
「その中で遊びます」
「わかった。ならだ」
「また御会いしましょう」
「縁があれば会うな」
「そうなるでしょう」
 髑髏天使、かつて敵対した彼にもだ。何ともない口調だった。
「それだけです」
「それだけだな」
「私達が戦う理由はなくなりました」
 百目からの言葉だった。
「では」
「そうだな」 
 ここでだ。完全にだった。
 彼等は元の世界に戻った。そのうえでだ。
 彼等は人の姿になった。髑髏天使は牧村に戻った。そして死神もだ。人間の服になってだ。その姿でそれぞれ話を続けるのだった。
「俺も。髑髏天使になることはないな」
「そうだな。貴様はそれでだな」
「最早そうなることはない」
 死神にも話す牧村だった。
「幸いと言うべきか」
「戦いは好きではなかったのだ」
「俺は。平穏に暮らしたい」
 これは返答だった。
「だからだ。戦いはだ」
「好きではなかったか」
「そうだった。ようやく終わった」
 肩の荷が降りた言葉だった。 
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