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八条学園騒動記

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第七百五十話 練習中にまた話をしてその十

 ランニングをさらにしつつだ、タムタムはこうも言った。
「しかしな」
「しかし?どうした」
「いや、アメリカの野球を見るとな」
 この国のことを話したのだった。
「面白いな」
「ああ、それはな」
 フランツもそれはと応えた。
「俺も思う、試合がな」
「違うな」
「抜群の面白さだ」
「全力でぶつかり合うからな」
「それも極めて高いレベル同士で」
「それならだな」
「面白くない筈がない」
 その試合がというのだ、フランツはかなりのスピードで走りながら彼と同じ速さで走っているタムタムに応えた。
「本当にな」
「そうだな、ただ連合全体でな」
「面白い試合が多いか」
「野球はな、もっと言えば」
 タムタムは実際にさらに話した。
「他のスポーツもな」
「アメリカは面白いか」
「アメフトもバスケもホッカーもでな」
 そうであってというのだ。
「他のスポーツもだ」
「面白いか」
「そして連合全体がな、スポーツがそうだとな」
 いい試合が多く面白いならというのだ。
「本当にな」
「それでか」
「面白いか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「絶対に無理だが」 
 こう前置きしてだ、タムタムはフランツに話した。
「エウロパとも試合したいな」
「あいつ等とか」
「当然エウロパでもスポーツをしている」
「ああ、色々やってるみたいだな」
「だからな」
 それでというのだ。
「あちらともな」
「試合をしたいか」
「確かにエウロパの連中は屑しかいないが」
 タムタムも確信していることだ、ただしそれは偏見というものだ。
「しかしな」
「試合をしたいか」
「どんなレベルかん」
「観たいか」
「俺の目でな」
 こうフランツに話した。
「そうしたい」
「そうなんだな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「どちらが強いか確かめたい」
「そうしたいか」
「幸い連中はスポーツマンシップは守るらしいな」
「それは絶対らしいな」
「あのイギリスが特にだ」
 連合でフランスと並んでエウロパ諸国の中でとりわけ嫌われている国である、その悪名は連合中に轟いている。
「厳しいらしい」
「イギリスがか」
「連合で一番スポーツマンシップを守る国は日本というが」
「定評があるな」
「その日本並にだ」
「スポーツマンシップは守るか」
「そうらしい」
 こうフランツに話すのだった。
「どうもな」
「そこはいいな」
「お世辞にもスポーツマンシップに劣る行為もあるな、連合も」
「ああ」
 フランツは残念そうに答えた。 
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