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八条学園騒動記

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第七百五十話 練習中にまた話をしてその九

「アフリカ系だった」
「そうだったんだな」
「アメリカ人だからだ」
「それでだな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「騎兵隊やカウボーイにいて野球もな」
「出来たか」
「ネイティブの野球選手もいたそうだが
「僅かか」
「アフリカ系がメジャーに参加してもな」
 それが出来る様になってもいうのだ。
「しかしな」
「それでもか」
「ネイティブの選手は長い間だ」
 それこそという口調での言葉だった。
「野球どころかアメリカのあらゆる世界からだ」
「除外されていたか」
「そうだった」
 まさにというのだ。
「居留地に押し込められてな」
「そのうえでか」
「ほぼ就職出来ずな」
 その失業率は九割に達していた時期もあったという。
「飼い殺しにされていた」
「居留地の中でか」
「そこにいてお金だけ貰ってな」
 援助という名目でだ。
「家もあったが」
「それだけか」
「そうしてただ生きるだけのな」
「そんな生活を送らさせれてか」
「朽ちるだけだった」
 それが長い間ネイティブの暮らしだった、お世辞にもいいものとは言えるものではなかったのである。
「そうだった」
「野球とも縁がなかったか」
「そうだった、野球が出来るだけだ」
「まだよかったんだな」
「そうだった」 
 まさにというのだ。
「アフリカ系の人達はな、居留地にもいなくてな」
「自由に暮らせたか」
「車も運転出来て企業も経営出来た」
 差別はされていたがだ。
「やがて軍にも入り政治家にもなっていった」
「そして大統領も出たな」
「今では普通だな」
「アフリカ系の大統領もな」
「今の大統領もそうだしな」 
 マックリーフのことも話した。
「金髪碧眼だけれどな」
「肌を見ればな」
 その色をというのだ。
「そうすればな」
「アフリカ系だな」
「そうだな」
「まあ連合でそう言ってもな」
 アフリカ系だのそうだのというのだ。
「マックリーフ大統領だってな」
「金髪碧眼でな」
「白人とも言えるな」
「そこを見たら」
「しかもあの人ひいお祖父さんかひいお祖母さん中国系だったか」
「そうらしいしな」
 だからだというのだ。
「アジア系の血も入っているしな」
「それじゃあな」 
 まさにというのだ。
「もうどんな人種とも言えるな」
「連合らしいな」
「本当にな」
 こうした話をしたのだった、そしてだった。 
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