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八条学園騒動記

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第七百五十話 練習中にまた話をしてその十一

「それはな」
「あるな」
「本当にな」
 すぐにというのだ。
「残念だ」
「そうしたことをすると恥だが」
「どうしても起こるな」
「それを考えるとな」
「連合のスポーツマンシップもな」
「いいとは言えない」 
 タムタムは残念そうに述べた。
「本当にな、だからな」
「エウロパが駄目とか」
「どうしてもな」
 今度も残念そうに述べた。
「言えない」
「そうなんだな」
「俺はな、敵に負けるなとなることもいいが」
「自分の行いも見ることか」
「人を見てだ」
 それと共にというのだ。
「自分もだ」
「見ることだな」
「人のふり見てというが」
 それと共にというのだ。
「まさにな」
「我がふりもだな」
「なおせだ」
 そうなるというのだ。
「本当にな」
「そうなるべきか」
「連合のスポーツは強さとな」
 それと共にというのだ。
「心、スポーツマンシップもだ」
「備えないと駄目か」
「さもないとな」
「エウロパを笑えないか」
「確かに連中は碌でもない連中だ」
 タムタムも連合市民である、だからこそエウロパが嫌いである。それが為に今こうしたことを言っているのだ。
「しかしな」
「それでも見るべき部分はあるか」
「俺はどんな相手も全否定しない」
 こうフランツに話した。
「だからな」
「それでか」
「こう言うしな」
「考えているか」
「あの連中を凌駕しようと思えば」
 その時はというのだ。
「本当にな」
「相手の長所も見ることか」
「そうだ、だが連合はエウロパを全否定しているな」
「俺もそうだな」
 フランツは自分もと答えた。
「やはりな」
「エウロパに長所はないと見ているか」
「高慢な貴族と諂う平民ばかりでな」
 ただそれだけでというのだ。
「誇りなぞない」
「そんな社会に思っているか」
「ああ、こうした考えの人間は多いと思うが」
「実際多いな」
 タムタムもそれは否定しなかった。
「やはりな、しかし」
「それでもか」
「俺は長所はあると見ている」 
 エウロパにはというのだ。
「それでだ」
「今もそう言うんだな」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「連合にも卑しい奴がいればな」
「エウロパにもいるか」
「そこは同じだ、何処にもいい奴も悪い奴もいる」
「そうなんだな」
「ただ俺はエウロパの貴族主義とだ」
 エウロパを代表するそれと、というのだ。 
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