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オズのファイター大尉

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第四幕その八

「最初に来た時からそれからも」
「ええ、本当に次から次にね」
「何かが起こって」
「大変だったことも多かったけれど」 
 それでもだったのです。
「全部乗り越えてきましたね」
「私一人では無理な時も」
 その時もというのです、ドロシーはかかし達を見て言いました。
「皆がいてくれたから」
「乗り越えてこれましたね」
「だからね」
 それでというのです。
「その時その時で」
「誰かがいてくれて」
「乗り越えられるのよ」
「ドロシーさん一人で無理な時は」
「ええ、一人の時は一人で何とか出来て」
 そうしてというのです。
「何人かでいる時はね」
「皆の力か誰かの力で」
「乗り越えられるのよ」
「それがオズの国ですね」
「本当にね」
「だから西の魔女もやっつけられたんですね」
「あの時は物凄く偶然が働いたけれど」
 あの魔女は水が大の苦手でドロシーに水を浴びせられてそうして溶けてしまったのです。ドロシーはこのことで難を逃れられました。
「それでもね」
「やっぱりですね」
「ええ、オズの国ではね」
「苦難は乗り越えられますね」
「ピンチも絶対にね」
「そうした国なんですね」
「だから僕達も助かったんだ」
「あの時はね」
 かかしと樵も神宝達に西の魔女との対決の時のお話をしました。
「ドロシーが西の魔女をやっつけてくれて」
「それで助かったしね」
「けれどあの時かかしさん達もだよ」
 トトもその時のことをお話しました。
「頑張ってくれたから」
「難を逃れられたね」
「西の魔女が狼とか烏とか出してきたけれど」
 そうしてドロシ―達を襲おうとしてきたのです。
「かかしさんと樵さん、それにね」
「臆病ライオンもね」
「いてくれたから」
 だからだというのです。
「助かったんだよ、僕達は」
「そのことも大きかったね」
「そういえば僕が意識を持った時も」
 ジャックも言ってきました。
「その後の冒険で色々あったけれど」
「特に王宮をジンジャー将軍が率いる女の子の軍隊に包囲された時だね」
「果たしてどうなるかって思ったよ」
「けれどだね」
「ガンプの力でね」
「空を飛んで脱出してね」
「助かったよ」
 そうなったというのです。
「だからね」
「それでだね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「難を逃れられて今思うとね」
「その時のことも」
「いい思い出だよ」
 オズマがまだ男の子だったその時の冒険もというのです。
「今ではね」
「そうだよね」
「けれどその時はまだね」
「まだ?」
「ドロシーともトトとも大尉とも知り合っていなくて」
 ジャックはそのはじめての冒険の時のことを思い出しつつ言うのでした。 
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