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MS Operative Theory

作者:ユリス
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技術解説
  MS、MAの冷却問題①

——MSの長時間稼動に必須となる、冷却装置とギミック——

 電気モーター以外の動力源を目にすることが少ないスペースノイドでも「オーバーヒート」という言葉は馴染み深いものである。生物はもとより、あらゆる機械にとって熱は機能不全を招く大敵であり、生物は発汗や日陰への移動、機械では空冷/液冷システムや放射(輻射)などを用いて過剰な熱を処理している。さらに、過剰な帯熱は機械の寿命を確実に縮めるため、熱源を持つ機器は何らかの冷却システムを搭載する必要がある。これは先端技術の結晶であるMSやMAでも同じで、様々なシステムによって機体冷却を行い、大気圏内はもとより熱処理が難しい宇宙空間での運用も可能としているのである。

 MSと熱問題の関係は、MSが誕生した瞬間から始まったといっても過言ではない。最初の実践型MSであるMS-05(ザクⅠ)が性能不足の烙印を押された原因に稼働時間が短かったことがある。これはザクⅠの冷却機能が十全なものではなかった事が原因のひとつとされる。大気圏内やコロニー内であれば、空気や水を用いた冷却が可能だが、宇宙空間では熱を電磁波として移動させる「放射」が基本的な冷却手段として用いられる。だが、放射だけでは充分な冷却性能を得ることが難しく、さらに戦闘中ともなれば通常時以上に廃熱が問題となる。そこでザクⅠは推進剤を廃熱媒体とし、これを噴射することで機体の外に熱を放出するという手法を採用した。しかし、これではスラスターを多用しなければならず、推進剤の量の問題から充分な冷却性能が得られなかった。そこで後継のMS-06(ザクⅡ)では推進剤を用いた冷却に加え、装甲に熱を伝導させ帰還後に強制冷却する手法と、熱を機体各部へと伝えるために大型の動力パイプを採用し、宇宙空間でも充分な稼働時間を確保することに成功したのである。このような機体冷却方法は地球連邦軍でも採用され、U.C.0085に誕生したRMS-106(ハイザック)ではバックパックに2枚の巨大な放熱板(ラジエーターパネル)を装備することで高い冷却性能を確保している。

 このように様々な試みが行われた宇宙用の冷却方法とは異なり、空気や水などの自然環境を利用できる重力下用MSでは機体冷却は大きな問題にはならなかった。中でも伝統的に巨大な胸部エアインテーク(吸気口。廃熱口として使用されることもある)を装備する地球連邦軍機は、大気圏内やコロニー内でも高い冷却性能を発揮できる設計となっている。また、水陸両用MSでは水をダクトから吸込んで冷却に用いるため、大出力の核融合炉/ジェネレーターを搭載しやすいなどもメリットもある。だが、U.C.0100年代以降に出現した、小型MSはボディのサイズに比較して大出力ジェネレーターや大推力スラスターを搭載しているため、廃熱性能が低いという構造的な問題を有していた、第五世代MSの登場により、MSの冷却問題は新たな局面を迎えることとなった。



補足事項

——大出力機の放熱問題——

 第四世代MSや巨大MAなどの大火力機は、大出力火器を多用するため、「エネルギー切れ」を起こしやすい上、冷却が追いつかなくなるために稼働時間が短い傾向にある。また、内蔵火器はMSの熱源になるという欠点も指定されている。

■MSZ-010(ZZガンダム)

 MSZ-010(ZZガンダム)はジェネレーターを分散配置するが、放熱効果の飛躍的な向上には繋がらなかったようだ。 
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