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オズのトト

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第一幕その十

「腹ペコタイガーさん以外に」
「ライオンはアフリカやインドだけれど」
 ジョージは臆病ライオンを思いました。
「アフリカのジャングルに臆病ライオンさんは合うね」
「アマゾンだったら」
 カルロスが言うことはといいますと。
「アナコンダやジャガーもいて」
「本当にオズの国は色々な場所があるわね」 
 ナターシャが言うことはといいますと。
「じゃあツンドラもあるのかしら」
「あるわよ」
 ドロシーはナターシャにすぐに答えました。
「ジャコウウシヤムースもクズリもいるわ」
「オズの国には外の世界にいる生きものが全て揃っているんだ」
 ムシノスケは五人に笑顔で言いました。
「ここは不思議の国だからね」
「外の世界の生きものも集まるんですね」
「だからですね」
「そういうことですか」
「オズの国はそうした国なんですね」
「生きものについても不思議なんですね」
「そうだよ。不思議の国ならではだよ」
「リョコウバトもいるしね」
 トトは外の世界ではもう絶滅してしまっている鳥の名前を出しました。かつては何十億羽もいたのです。
「ステラーカイギュウだってクァッガだってブルーバックだって」
「全部絶滅したね、外の世界では」
 ムシノスケも言います。
「けれどこの国ではいるんだ」
「そして僕達も会えるんだね」
「その通りだよ」
 ムシノスケうはトトにすぐに答えました。
「彼等がいる場所に行けばね」
「そうだよね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「会いたいのなら何時でもいいよ」
「オズの国にしかいない生きもの達もいて」
 ドロシーが言うにはです。
「外の世界にはもういない生きもの達もいる」
「こんな不思議な国に来られて」
 恵梨香が言うにはです。
「本当に私達は幸せですね」
「このこともよ」
 ドロシーはそう言った恵梨香に笑ってこう言いました。
「オズの神々のね」
「お導きですね」
「そうなのよ」
 まさにというのです。
「だからね」
「そのお導きに従って」
「オズの国の全部を楽しんでね」
「わかりました」
「さて、三時になったら」
 ムシノスケはふと時計を見てまた言いました。
「ティータイムだね」
「紅茶かコーヒーね」
「私は今日はコーヒーにしようかな」
「そちらにするのね」
「そうしようかな」
 こう言うのでした。
「今日はね」
「そうね、あとお茶の後は」
 ドロシーはここでまたトトを見ました。
「ブラッシングもしてね」
「僕のだね」
「今日はまだだったわね」
「うん、そうだったよ」
「じゃあしないと」
  そのブラッシングをというのです。
「忘れないでね」
「それは夜でいいよ」
「夜になの?」
「うん、だってお風呂に入ってね」
 それからだというのです。 
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