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オズのトト

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第一幕その九

「これはニホンオオカミの習性でね」
「人の後ろをつけてくるんですか」
「オズの国でもそうなんだ」
 人の後ろについてくるというのです。
「縄張りに入った人が縄張りから出るまでね」
「つけてくるんですね」
「そうだよ」 
「警戒してですか」
「日本の犬も後ろをつけてきたりするね」
「散歩の時にすれ違ったりしたら」
「それだよ、ニホンオオカミの血が入っていると」
 日本の犬がニホンオオカミから生まれているからです。
「人の後ろについてきたりするんだ」
「そうだったんですか」
「まあ狼は大体この習性があるけれど」
 それでもというのです。
「ニホンオオカミは顕著でね」
「日本の犬にもですね」
「受け継がれているんだろうね。ただニホンオオカミとそれぞれの犬でね」
 ムシノスケのお話は熱が入ってきていました。
「形が違うからね」
「そうなんですか」
「元は同じにしてもね」
「また違うんですね」
「ううん、何かね」
 ドロシーはここまで聞いて言いました。
「お話を聞いてるとね」
「ニホンオオカミについて興味を持つね」
「ええ、持ったわ」 
 実際にというのです。
「オズの国ではニホンオオカミも見るけれど」
「山にいるね」
「木の多いね」
「そこでよく観ると面白いよ」
「わかったわ、じゃあ今度会ったらね」
「よく観てみるね、実際に」
「そうしてみるわ」
 実際にというのです、そしてでした。
 そうしたお話をしてです、ドロシーはトトにこんなことを言いました。
「どうも貴方とニホンオオカミはね」
「かなり離れているね」
「そうみたいね」
「そうだね、狼さんにしてもね」
「かなり違うわね」
「というか普通の狼じゃないみたい」
 恵梨香はニホンオオカミについてこうも思いました。
「どうにも」
「狼は狼だよ」
 ムシノスケは恵梨香にこのことは間違いないとお話しました。
「ただ、結構以上に離れているんだ」
「普通の狼さんとは」
「小さいし骨格も違っていてね」
「それでなの」
「またね」
「ううん、何か不思議ね」
「不思議かというとね」
 モジャボロは恵梨香に考えるお顔になって言いました。
「そうかも知れないね」
「そうした狼なんですね」
「学問的に非常に興味深い種類だよ」
 ニホンオオカミはというのです。
「本当にね」
「そうね、じゃあちょっと山に行こうかしら」
 ドロシーはニホンオオカミに本格的に興味を持ってでした、そのうえでトトやムシノスケだけでなく恵梨香達にも言いました。
「ニホンオオカミのいるね」
「何処ですか?その山は」
「オズの国の何処ですか?」
「ニホンオオカミのいる場所は」
「結構色々な場所にいるの」
 ニホンオオカミはというのです。
「他の生きもの達もいるから」
「日本にいるものがね」
 ムシノスケも皆にお話しました。
「沢山いるんだ、中国の自然の山もあるしジャングルもある」
「ジャングルはアフリカのものやアマゾンもあるわ」
 恵梨香はアマゾンがあるブラジル出身のカルロスを見つつお話しました。
「ちゃんとね」
「じゃあ中国のところに行けば虎がいますね」
 その中国人の神宝の言葉です。 
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