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オズのジュリア=ジャム

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第九幕その三

「あの生きものは」
「一体何?」
「シマウマに見えるけれど違うよね」
「オズの国の生きもの?」
「ひょっとして」
「あれはクァッガだよ」
 かかしは五人にこのことをお話しました。
「もう外の世界にはいないそうだよ」
「僕達の世界にはですか」
「もういないんですか」
「それでオズの国にいるんですか」
「そうした生きものですか」
「あの生きものは」
「そうだよ、オズの国にはああした生きものもいるんだ」
 実際にというのです。
「他にもそうした生きものが一杯いるんだ」
「リョコウバトもそうだね」
 木樵は五人がかつてオズの国のお空で見たこの鳥のことをお話に出しました。
「あの鳥も外の世界にはもういないね」
「はい、もう」
「あの鳥もいないですね」
「かつては凄くいたそうですか」
「今はいないです」
「私達もお話に聞くだけです」
「けれどオズの国にはいるんだ」
 木樵は優しい顔で五人にお話しました。
「そうした外の世界にはもういない生きもの達がね」
「あの森は確かそうした生きものが特に多いのよ」 
 ジュリアは五人にこのことをお話しました。
「マンチキンの国でもね」
「中に入ってみるかい?」
 モジャボロは五人に笑顔で誘いをかけました。
「そうする?」
「クァッガを見るんですね」
「今からそうするんですね」
「これから」
「そして他の生きもの達もですか」
「今から」
「そうしないかい?」
 こう誘いをかけます、そしてです。
 五人はモジャボロのお誘いから五人でお話しました。
「行く?」
「うん、そうする?」
「外の世界ではもう見られない生きものばかりだし」
「あのクァッガももっと見たいし」
「だったらね」
 それならとです、五人でお話してでした。五人で是非にと答えました。
「宜しくお願いします」
「うん、じゃあ行こうね」
「皆びっくりするわよ」
 ジュリアは五人ににこりと笑ってお話しました。
「見たことのない生きものばかりだからね」
「じゃあ是非」
「今からあの森に入って」
「そうして」
「見ましょう」 
 笑顔で応えてでした、そのうえで。
 五人は皆と一緒に森に入りました、するとそのクァッガもいてリョコウバトもいてでした。その他にもでした。
 地面をよちよちと歩く太った曲がった嘴の鳥もいました、神宝はその鳥を見てそのうえでこう言ったのでした。
「これはドードー鳥かな」
「うん、そうだよ」
 ジャックが答えました。
「僕も知ってるよ」
「この鳥もね」
「もう外の世界にはだね」
「いないんだ」
 そうなってしまったとです、神宝はジャックにお話しました。
「残念だけれど」
「そうなんだね」
「けれどこの目で見られるなんて」
 生きているドードー鳥をです。
「不思議な気分だよ」
「嬉しいんじゃなくて?」
「そんな気持ちだよ」
 実にというのです。
「本当にね」
「そうなんだね」
「あのライオンは」
 ジョージは身体の前の部分のかなりが鬣に覆われているライオンを見ました、このライオンも五人共見たことがありません。 
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