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オズのジュリア=ジャム

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第九幕その四

「何かな」
「バーバリーライオンだよ」
 かかしがジョージに答えました。
「外の世界じゃアフリカの北の方にいたらしいね」
「アフリカのですか」
「うん、そうらしいよ」
「あの青い鹿は」
 カルロスはすらりとした身体の青い毛の鹿を見ました。
「あれは」
「ブルーバックスだよ」
 カルロスに答えたのは木樵でした。
「外の世界じゃアフリカにいたそうだね」
「あの生きものもアフリカにいたんですか」
「そう聞いてるよ」
「あれっ、あれは牛かしら」
 ナターシャは牛によく似た大きな角を持つ生きものを見付けました。
「似てるわね」
「オーロックスだね」
 ジャックがです、ナターシャにお話しました。
「ムシノスケ教授からあの生きものが牛になったと聞いてるよ」
「だから牛に似てるのね」
「そうみたいだよ」
「あれは確か」
 恵梨香が見付けた生きものは一匹の大きな鳥でした、駝鳥みたいな形をしています。
「モア?」
「そうだよ」
 モジャボロが恵梨香に答えました。
「あれはね」
「そうですよね」
「オズの国では森にもいるんだ」
「何か」
 ここで、です。神宝は森の中にです。
 オオナマケモノやオオアルマジロを見付けました。オオツノシカやマンモス、サーベルタイガーまでいました。
 そうした生きもの達を見てです、神宝もびっくりしました。
「こんなに沢山いるなんて」
「思わなかった?」
「はい」
 実際にとです、神宝はジュリアに答えました。
「凄い森ですね」
「海もそうよ」
「海でもですか」
「外の世界ではいなくなった生きものもね」
「いますか」
「そうよ、人魚の国の近くにね」
「いるんですか」
 神宝は目を輝かせてです、ジュリアに尋ねました。
「海のそうした生きるものが」
「近くの河にもね」
「河にも」
「そうよ」
 まさにというのです。
「オズの国の他の河にもね」
「あの、それじゃあ」
「それじゃあ?」
「ヨウスコウカワイルカもですか」
 神宝は期待する目でジュリアに尋ねました。
「いるんですか」
「あっ、神宝のお国にいたイルカね」
「はい、あのイルカは」
「ええ、いるわよ」
 ジュリアの返事は一言でした。
「あの国の近くの大きな河にね」
「いるんですか」
「神宝はそのイルカを見たいのね」
「残念ですがもういなくなったんです」
 神宝のお国の中国ではです。
「ですから余計に」
「じゃあその時にね」
「はい、見ていいんですね」
「そうしましょう」 
 笑顔で、でした。ジュリアは神宝に言いました。そしてです。
 五人は森の中でさらにでした、外の世界ではいなくなった生きもの達を見ていました。そうした生きもの達の方でも皆のところに来ます。 
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