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オズのジュリア=ジャム

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第八幕その四

「木の破片が刺さってるわ」
「それでなんだ」
「ええ、ずっと痛かったのよ」
「そうだったんだね」
「それでだったのよ」
「ううん、僕の足の裏の皮はとても厚いのに」
 象自身もよくわかっていることです。
「通る様な木の破片があるんだ」
「これまではこうして刺さったことなかったのね」
「うん」
 実際にという返事でした。
「一度もね」
「そうだったんだ」
「確かにね」
 ここでかかしが象に言いました。
「君達象の皮はとても厚いからね」
「そうだよね」
「特に足の裏の皮はね」
「それこそ靴よりもね」
 人間達が履いているそれよりもです。
「暑いよ」
「ずっとだね」
「そうだよ、だからね」
「これまでだね」
「うん、こうしたことはなかったよ」
 一度もというのです。
「なかったよ」
「そうだったんだね」
「だからまさかね」
「木が刺さるとはだね」
「なかったから」
 だからというのです。
「正直驚いているよ」
「こうなったことがだね」
「どうして痛いかもわからなかったし」
 そもそもというのです。
「夢にも思わなかったよ」
「成程ね」
「じゃあこの木を」
「君自身では抜けないね」 
 それはとです、木樵は象の身体の構造から言いました。
「鼻を使っても」
「うん、足の裏には届いてもね」
「取ることはだね」
「ちょっと出来ないよ」
「そうだね」
「どうもね」
「それじゃあね」
 それならとです、木樵は象の言葉に応えました。そしてです。 
 木樵はその木の破片に手をやってでした、早速です。
 その破片を抜きました、象から見れば小さなものでしたが皆にとっては大きなものでした。それで、です。
 その象の足の裏の皮さえ貫いた木の破片を見てです、五人の子供達は驚きました。
「大きいね」
「まるでナイフだね」
「ナイフにしてもかなりの大きさなんじゃ」
「こんな木の破片が刺さっていたなんて」
「怖いわね」
「こんなのが僕の足の裏に刺さっていたんだね」
 象も見て言います。
「そうだったんだね、いやまさかね」
「本当に刺さるとはなのね」
「思わなかったよ」
 象はジュリアに答えました。
「本当にね」
「夢にもだね」
「うん、こんなことがあるなんて」
「ええと、確か君は」
「ジュリア。ジュリア=ジャムよ」
 にこりと笑ってです、ジュリアは象に治りました。
「エメラルドの都のね」
「王宮の侍女さんだよね」
「ええ、そうよ」
「かかしさん達はわかったよ」 
 かかしと木樵、ジャックにモジャボロはです。
「皆オズの国の有名人でよく冒険に出ているしね」
「ジュリアはだね」
「ジュリアさんも有名だけれど」
 ジャックに答えました。 
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