星河の覇皇
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第六十三部第四章 閣議決定その十三
「互角です、しかし」
「しかしか」
「人材は、オムダーマンはアッディーン大統領のところに数多くの人材が揃っています、それはティムールもですが」
「その数がだな」
「人材の数は少ないです」
オムダーマンと比べると、というのです。
「ティムールはシャイターン主席に頼っています」
「一人の資質にだな」
「そうです、それにです」
しかもと言うのだった。
「もう一つ気になることは」
「それは何だ」
「オムダーマンとティムールでは国力が違います」
「それの違いか」
「まずサハラの国力を百としまして」
サハラ全体の国力をである。
「オムダーマンは六十五です」
「そしてティムールは三十五だな」
「その国力の違いがあります」
それで、というのだ。
「その国力の違いが大きいです」
「国力か」
「国力は大きいです」
それは非常にというのだ。
「この差を覆すことは容易ではありません」
「小国が大国に勝つことは」
「特に人材の資質で劣っていれば」
「そうなればだな」
「国家元首同士の資質が互角でも」
「人材は一方が多ければな」
「それも大きいですし」
「兵器の質は同程度だがな」
「そちらは全くの互角です」
同じサハラの中で、というのだ。
「そうなればです」
「人材の数と国力か」
「その差で、です」
「オムダーマンが有利か」
「シャイターン主席とアッディーン大統領は確かに互角です」
このことは間違いないというのだ。
「しかしそれならば」
「戦い方があるか」
「ナポレオンが何故敗れたか」
こうした話もするのだった。
「それはナポレオン自身とは戦わずに」
「他の将軍と戦い、だったな」
「そうすればよかったですから」
「オムダーマンにしてもか」
「最悪シャイターン主席には常にアッディーン大統領があたり」
八条はその戦略のこともだ、キロモトに話した。
「彼の足止めをして」
「そしてか」
「他の提督と戦えばいいのです」
「そうすればオムダーマンは勝てるか」
「国力差もありますし」
このことをまた言うのだった。
「そうしていけばです」
「勝てるか」
「オムダーマンは」
「そういうことか」
「国力は重要です」
それに非常に、というのだ。
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