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星河の覇皇

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第六十三部第四章 閣議決定その十二

「我々としてもな」
「それは絶対に避ける」
「そうしてですね」
「我々はしない」
 そうしたかかなくていい恥をかきそのうえで評判を落とすことはというのだ。
「中央政府の威信も落ちてだ」
「各国政府に攻撃の理由を与えてしまいますね」
「政党としてもな」 
 与党である彼等の、というのである。民主政治ならではの問題点や構造もまた非常に大きく関係して彼等に考慮を与えていた。
「それはな」
「野党に攻撃の理由を与えますね」
「迂闊なミスは命取りだ」
「政治の世界においても」
「連合でもイスラム圏の国、ムスリムには公の場で豚肉を出さない」
「コーランに書いてあるからこそ」
「だから出さない」
 こうも言うのだった。
「絶対にな」
「そういうことですね」
「そうだ、豚肉は出さない」
「そして他にも」
「サハラに合わせる」 
 サハラのムスリムの戒律、それにというのだ。
「これからもな」
「それでは」
「君もそれでいいと思うのだな」
「はい、私としましても」
 八条はキロモトの言葉に合わせてこう答えた。
「閣下と同じ考えです」
「そう言ってくれるか」
「はい」
 その通りだというのだ。
「私も」
「ならいいがな」
「では」
「これでいこう、しかし青き獅子と赤き豹か」
 二人の渾名をだ、キロモトも言ったのだった。
「どちらが生き残るか」
「統一の戦いで」
「それが気になるな」
「連合でもその話が盛んになっていますね」
 どちらが勝ち残りサハラの皇帝になるかというのだ。
「アッディーン大統領かシャイターン主席か」
「その二人のうちな」
「どなたが残るか、ですね」
「私はどちらが勝ち残ってもおかしくないとだ」
「思われていますか」
「その様にな」 
 実際に、というのだ。
「どちらでも不思議ではない」
「左様ですか」
「君はどう思うか」
「そうですね、私は」
 八条はキロモトに応えてだ、こう彼に言った。
「おそらくですが」
「おそらくか」
「アッディーン大統領かと」
「彼が勝ち抜くか」
「そうなると思います」
 こう述べるのだった。
「あくまでおそらくですが」
「それは何故そう思う」
「はい、アッディーン大統領とシャイターン主席の資質は」
 まず二人のそうしたところから語った。 
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