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星河の覇皇

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第六十三部第二章 円卓その五十

「情報はな」
「そうあるべきですね、連合もあの手この手を使ってくるでしょうし」
「これまで通りな」
「こちらの情報は渡さない」
 出来る限りにしてもだ。
「そして相手の情報を手に入れる」
「そうしていこう」
「それが正しいあり方ですね」
「その為にバチカンは分裂すべきだ」
 エウロパの国家保全、情報を守ることによるそれもだ。
「是非な」
「そうあるべきですね、では政治は関わりませんが」
「歓迎すべきことだ」
「何も介入はせずとも」
「そういうことになるな、面白い話だ」
「その通りですね、非常に」
 実にとだ、ビルギストンは笑ってモサルヴァートに応えたのだった。
「我々にとっては」
「連合の者達は怒るでしょうか」
「怒ろうが何をしようがこちらには手を出せないからな」
「連合はエウロパには」
「それこそ戦争をするしかないが」
 そうしてだ、バチカンの分裂を止めようというのだ。
「それはな」
「出来るかどうかといいますと」
「連合はそこまではしない」
「協会の分裂を阻止する為の介入を」
「そもそも宗教の話だ」
 連合でもだ、そうなるというのだ。
「あの国も政教分離だからな」
「怒ってもですね」
「介入は出来ない」
「政教分離は使い様によっては非常に便利ですね」
「ものは使い様ということだな」
「そうなりますね、実に」
 ビルギストンは笑顔で話してワインを楽しんだ、二人とモンサルヴァートの話は有意義なものとなった。少なくともビルギストンは彼から約束を取り付けることが出来た。
 このことを喜びながらビルギストンは帰路についた、そして党の本部に戻りギルフォードに報告してだ、こう言った。
「閣下はです」
「円卓に座ってくれるか」
「軍に戻られますので」
「軍に戻るということはな」
「はい、即ちですね」
「円卓に座るということだ」
 そうなるというのだ。
「軍は政党とは関係なくそして議会に対しても発言権はないが」
「それでもですね」
「国家の柱の一つでだ」
「軍人からも閣僚を選べます」
「エウロパにおいてはな」 
 そうなるからだというのだ。
「そうなる」
「それで、ですね」
「軍人であるならな」
 円卓、つまり彼の挙国一致体制に入ることになるというのだ。
「それでいい」
「そういうことになりますね」
「それでだな」
「はい、一度閣下とです」
 つまりギルフォードと、いうのだ。 
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