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ドリトル先生と悩める画家

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第四幕その八

「やっていっています」
「動き続けるんだね」
「鮫みたいに」 
 いつも泳いでいるこの魚みたいにというのです。
「そうしているつもりです、鮫は寝ている時もですが」
「うん、鮫は泳ぎを止めないよ」
「そうですね、そこは違いますが」
 それでもというのです。
「とにかく脇目も振らない感じで」
「絵に向かい合っているね」
「そうしています」
「わかったよ、ただ講義は」
「出ています」
 大学生としてのそれは忘れていないというのです。
「やっぱり出ないといけないですから」
「そうだね」
「単位も取っています」
 そちらも忘れていないというのです。
「高校時代もそうでした」
「授業にだね」
「出ていました」
「それは忘れていないんだね」
「それで休み時間はです」
 高校の時のそれもというのです。
「忘れないで」
「出てだね」
「テストも受けていました」
「前のスランプの時期はどれ位だったのかな」
「ええと、二ヶ月か」
「それ位だったんだね」
「今も二ヶ月です」
 スランプに入ってというのです。
「それ位です」
「二ヶ月だね」
「そうです」
「そのこともわかったよ、あとね」
「あと?」
「今は冬だけれど」
 先生は季節のお話もしました。
「寒いね」
「前回のスランプの時期は」
「何時だったかな」
「前は梅雨でした」
「六月だね」
「五月から六月でした」
 その時期だったというのです。
「雨が多かったのを覚えています」
「季節が関係しているのかな」
「季節ですか」
「人間はどうしても気温が気候が精神状況に影響するんだ」 
 お医者さんとして言う先生でした。
「だから曇ったりしていると」
「気も晴れないんですか」
「うん、だからね」
「僕のスランプも」
「梅雨と冬では気温は違う、けれどね」
 先生はお医者さんとしてお話しました。
「空は曇っているね」
「どちらの季節も」
「日本ではね、それも関係しているかな」
「曇りですか」
「そうかもと思ったよ」
「それは」
 太田さんは先生のそのお言葉に驚いていました。 
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