| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と悩める画家

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その六

 それを飲んでです、太田さんは笑顔で言いました。
「美味しいです」
「そうなんだね」
「はい、これを一杯飲みますと」
 ウィンナーコーヒー、それをというのです。
「ぱっと目が覚めます」
「そうなるんだね」
「それで元気が出ます」
「コーヒーの中にはカフェインが入っているからね」
「そのせいで、ですね」
「目が覚めて元気が出るんだよ」
「覚醒作用だよ」 
 先生は紅茶を飲みつつ太田さんにお話しました。
「お茶もそうなんだよね」
「カフェインが入っているから」
「そう、僕もお茶を飲んでね」
「目を覚ましてるんですね」
「そうした意味でもよく飲んでるよ」
 お茶をというのです。
「そうしているんだ」
「そうですか」
「味も好きだけれどね」
「そうした意味でも好きなんですね」
「そうだよ」
「僕もです、コーヒーを飲んで」
 そしてというのでした。
「また描きます」
「絵をだね」
「そうします」
「今日もそうするんだね」
「はい、確かにスランプですが」
 それでもと言う太田さんでした。
「僕は描きます」
「これまで通りだね」
「スランプだからこそですかね」
「描くんだね」
「そうした気持ちもあります」
「太田君は前向きだね」
 先生は太田さんのその気質を知って言うのでした。
「その前向きさは素晴らしいよ」
「そうですか」
「うん、スランプだとね」
 先生はよく言われることを思い出してこうも言いました。
「塞ぎ込んで何もしたくないっていう人もいるらしいから」
「はい、よくあるお話ですね」
「けれど君は違うんだね」
「確かに苦しいですし描きたくないって思ったりもします」
 太田さんは自分の気持ちを正直にお話しました。
「ですが」
「それでもだね」
「はい、そうした時にこそです」
「描く様にだね」
「そうしています」
「その前向きさがね」
 先生は太田さんにまた言いました。
「いいんだよ」
「そうですか」
「そう、それだけでもかなり違うよ」
 本当にというのです。
「僕はそう思うよ」
「あがけるだけあがけ」
 太田さんはこうも言いました。
「中学の時先生にそう言われました」
「スランプの時はだね」
「はい、美術部の先生に」
「それで描いてるんだね」
「そうしています」
「こうした時こそ」
「そうです、けれど」 
 太田さんはコーヒーカップを片手にしていますが今は飲んでいません、自分のことをお話することに集中していてです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧