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オズのアン王女

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第七幕その二

「この国はもっと」
「そうよ」
 アンも五人に言います、国民の人達とお話をしつつ。
「この国は小さいから」
「だからですか」
「村みたいなものだから」
 規模的にというのです。
「だからね」
「こうしてですか」
「距離が近いのよ」
 そうだというのです。
「お互いにね」
「そうなんですね」
「そうした国なのよ」
 こうお話します。
「小さな中で皆が家族みたいな国なのよ」
「じゃあ王女さんも」
「そう、皆とずっと一緒に暮らしてるから」
 だからだとです、アンはジョージに笑顔で言うのでした。
「距離も近いの、私は皆の国家元首だけれど」
「それでもですか」
「娘でもあるのよ」
 国の人達にとってというのです。
「この国のね」
「成程」
「それとね」
「それと?」
「貴方達はまだこの国をよく知らないわね」
「この前お邪魔したことはありますけれど」
 それでもとです、ジョージは皆を代表して言いました。
「ただ」
「それでもよね」
「確かにあまりよく見たことはありません」
「そうよね」
「だからですか」
「この国をよく観てもらいたいわ」
「じゃあティータイムの後で」
「これから何が起こるか気になるけれど」 
 それでもというのです。
「案内させてもらうわね」
「この国を」
「ええ、どういった国なのかをね」
 まさにというのです。
「案内させてもらうわ」
「宜しくお願いします」
「さて、それじゃあね」
 ここまでお話してでした、皆はまずは王宮の中に入りました。王宮は小さくてそれでいてまとまっている感じです。
 その王宮の中を見回してです、五人はそれぞれ言いました。
「木の装飾が奇麗だね」
「果物も一杯あって」
「何か木の中にいるみたい」
「オズの国の他の宮殿とはまた違って」
「そんな感じよね」
「これがこの国の王宮よ」  
 アンも微笑んで五人にお話します。
「石造りじゃないけれどね」
「木ですか」
「木で造って、ですか」
「装飾も施して」
「果物で飾っていて」
「そうした風になっているんですね」
「そうした宮殿なの、国民達が造ってくれたのよ」
 この宮殿をというのです。
「こうしてね」
「宮殿といっても色々なのよね」 
 ドロシーも言います、皆は宮殿の中のアンのお部屋に入りました。
 アンのお部屋もです、木造で色々な果物で飾られています。そのお部屋の中で五人にお話したのです。
「エメラルドの都みたいな宮殿もあれば」
「こうした宮殿もですね」
「あるんですね」
「木造のものも」
「オズの国にも」
「そうなんですね」
「そうよ、この宮殿は実は有名なのよ」
 オズの国でもというのです。
「木造で奇麗なね」
「果物も多くて」
 ジョージはその果物を観て言いました。
「その果物が宝石みたいですね」
「好きなのを好きなだけ食べていいわよ」 
 どの果物もとです、アンはジョージ達に笑顔で告げました。 
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