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オズのアン王女

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第七幕その三

「何でもね」
「オレンジやバナナもありますし」
「パパイアやマンゴーも」
 神宝とカルロスはそれぞれの果物を見ています。
「林檎は外せない感じですね」
「やっぱりありますね」
「この国の果物の第一はやっぱり」
「林檎なんですね」
 ナターシャと恵梨香はその林檎を見ています、赤くてとても奇麗に輝いている林檎も勿論宮殿の中にあります。
「アン王女もお好きですし」
「いつも食べている位よ」
「そうよ、この国は何といってもね」
 アン自身もにこりと笑ってお話します。
「林檎よ」
「やっぱりそうですね」
「この国の第一の果物は林檎ですよね」
「まず林檎があって他の果物がある」
「そうなんですね」
「柿や梨があっても」
「私はどの果物も好きよ」
 見ればアンの前のお皿の上には無花果に柿、梨に葡萄に桃と色々な果物があります。それを三段セットにしていっています。どれも宮殿の中にあったものです。
「けれどやっぱりね」
「第一は林檎ですね」
「林檎は外せないですね」
「そう、それがないと」
 実際にというのです。
「毎食ね」
「王女としては」
「もう駄目よ」
 こうジョージにも言います。
「私はね」
「林檎は普通に食べても美味しいし」
 ドロシーも林檎が好きでよく食べています、それでこう言うのです。
「お茶やお菓子にしても最高だからね」
「だからドロシ-王女もね」
「好きなのよ」 
 ドロシーはにこりと笑ってアンに答えました。
「とはいっても毎食食べてはいないわね」
「私みたいに」
「貴方は朝昼晩最低でも一個ずつ食べてるわね」
「ええ、そうしてるわ」
「そこまでは食べないわね」
「まあ私は極端な例ね」
「そう思うわ」
 実際にというのです。
「アン王女はね」
「林檎は私の力の源ね」 
 くすりと笑ってです、こうも言ったアンでした。
「まさに」
「そうね、じゃあ今から」
「フルーツの三段セットでね」
「ティータイムにしましょう」
「お茶は何のお茶にするの?」
「普通の紅茶でどうかしら」
 ドロシーは少し考えてからアンに答えました。
「果物ばかりだから」
「ここはかえってシンプルに」
「普通の紅茶でいいんじゃないかしら」
「それじゃあね」
「ええ、それでいきましょう」
「普通のホットティーを出して」
「飲みましょう」
 こうお話してでした、皆で沢山の果物を食べつつでした。そのうえでティータイムをはじめました。王宮の一室ではありますが。
 それにしては質素で、です。アンは自分から言いました。
「他の王宮とは違うでしょ」
「ご自身で言われますか?」
「ええ、わかっているからね」
 こう大尉にも言います、大尉とチクタクはただそこにいて飲んで食べて笑顔になっている皆を見て栄養にしています。
「言ったのよ」
「そうですか」
「小さな国なのよ」
 このウーガブーの国はというのです。 
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