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星河の覇皇

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第六十二部第四章 選挙前日その十一

「大海原にな」
「何もわかっていない、海図のない大海原にですね」
「出た、まさに冒険だった」
「しかし今は、ですね」
「あの暗黒宙域は」
「わかっている、全てな」
 どうした場所かその距離もだ。
「だからだ、犠牲も出さずに進める」
「これまで何度も無人調査の人工流星を出してきていますし」
「無人の超査艇もですl」
「だからあの場所のことはわかっています」
「無知の場所ではありません」
「知ることは武器だ」
 そのことだけで、というのだ。
「我々は知っている、だからだ」
「無事にですね」
「突破出来ますね」
「大航海時代の様なことはない」
 あの様に多大な犠牲を支払う必要はないというのだ。
「予算もだ」
「少なくて済む」
「大航海時代よりは」
「あの時代の航海は莫大な予算もかかった」
 船を建造し港を用意する、それだけでもだ。実際にこの時代ポルトガルはかなりの国力を消耗してもいる。
「しかしだ」
「今は違う」
「犠牲を支払わずとも」
「それでもですね」
「新天地に辿り着くことが出来て」
「多くのものが得られる」
「そうなのですね」
 周りのスタッフ達も言うのだった。
「この度は」
「暗黒宙域を越えても」
「そこが違う、知っている場所を随時だ」
 中継地を設けながら進み、というのだ。
「そうして行き新天地を手に入れ」
「そこの富により発展する」
「そういうことですね」
「そうだ」
 それは確実だというのだ。
「そして数百年かかろうともだ」
「そうしてですね」
「発展し」
「そのうえで連合にですね」
「対抗出来るまでになりますね」
「大航海時代の時もそうだった」
 カミュは歴史の話もした。
「長い時を経てだった」
「アジアを圧倒出来るまでになった」
「帝国時代になってから」
「それと同じだ、発展には時がかかる」
 このことは否定出来なかった、発展は一朝一夕でなるものではない。まさにローマは一日にして成らずなのだ。
「だからだ」
「数百年かけ」
「そうしてですか」
「国家を発展させ」
「連合を凌駕しますか」
「一世代や二世代の話ではない」
 そこまで短い期間でもないというのだ。
「十世代以上は見ることだ」
「そこまで長い、ですね」
「発展になってですね」
「あの連合を凌駕出来る」
「そうなりますね」
「連合にあるのは何だ」
 カミュはエウロパ貴族の中でも最も貴族らしいとさえ言われている、それで連合に対する偏見は相当なものがある。
 その彼がだ、こう言うのだ。 
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