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星河の覇皇

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第六十二部第三章 投票直前その二十九

「しくじるわよ」
「そうなることを警戒して」
「そうしてね」
「彼等にもあたるべきですか」
「相手を侮らないことはね」
 まさに、というのだ。
「誰でもね」
「それも政治ですね」
「そうなるわ、まあサハラとはね」
 彼等についてはだ、こう言ったカバリエだった。
「このままだとね」
「対立する可能性は」
「あまりないと思うわ」
 サハラとは、というのだ。
「あの国とはね」
「これまでも利害関係もなかったですし」
「これからもね」
「我々はサハラにはあまり進出していませんし」
「そう、それにね」
「これからもですね」
「サハラにはね」
 どうもとだ、カバリエは腕を組み考える顔で述べた。
「連合から見れば見るべきものはね」
「あまりありませんね」
「ええ、やはり連合はね」
「連合だけの経済圏ですから」
「サハラについては」
 彼等は、というのだ。
「あまりね」
「これといって進出しようとも思いませんし」
「サハラは使えるわ」
 カバリエは政治家、それも戦略家として述べた。
「エウロパと戦ってもらうというね」
「重要な駒ですね」
「ええ、夷を以て夷を制すよ」
 外交戦略の一つだ、敵対する国が二つあれば双方を争わせる。そうすればその分労力が減るからである。
 それをだ、カバリエも言うのだ。
「サハラは敵ではないけれど」
「敵であるエウロパと戦ってもらいますね」
「そうしてもらうからね」
「我々は、ですね」
「サハラとは争わないわ」
「サハラにはむしろ援助をして」
 スタッフはここで述べた。
「そうして力をつけてもらい」
「ええ、エウロパと戦ってもらうわ」
「対立してもらうということですね」
「そうよ、あの国は連合にとっては欠かせない存在よ」
「エウロパと戦ってもらう」
「そうしてもらうわ、だからサハラとは対立すべきではないわ」
 カバリエはサハラについての彼女の外交戦略を述べた。
「サハラを助けるべきよ」
「敵の敵を助けるのですね」
「エウロパを敵の中に置くのよ」
「そういうことになりますね」
「けれど。サハラへの経済進出は」 
 そのことについてはどうかとだ、カバリエは言ったのだった。
「私はね」
「あまり、ですね」
「するかどうかと聞かれると」
「乗り気ではないですね」
「サハラは統一してから飛躍するでしょうけれど」
「市場としては小さいですね」
「連合の百分の一よ」
 経済規模にしてだ、その程度しかないというのだ。
「人口も二十分の一でね」
「購買力は比較になりませんね」
「そうした相手だから」
「経済規模が小さい為」
「サハラに進出するよりもね」
 それよりもというのだ。 
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