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オズのアン王女

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第二幕その八

「そうだね」
「わかるのね」
「時間的にね、だからね」
「流石かかしさんね、確かに急いで来たつもりだけれど」
「今回は僕達歩いてきたから」
 トトもお話します。
「間に合ったかどうかね」
「不安だったの」
「安心していいよ、というか思ったより早かったけれど」
 かかしはむしろこう言いました。
「ドロシー、君の靴に何かあるのかな」
「そういえば」 
 ここでドロシーは自分の靴を見ました、一見すると普通の靴ですが。
 その靴を見てです、こう言いました。
「これは」
「普通の靴じゃないね」
「魔法の靴だわ」
 ドロシーが今履いているその靴はです。
「普通よりもずっと速く歩ける」
「そうだね」
「気付かないうちにこの靴を履いていたのね」
「だからかなり早く着いたんだよ」
「そうなのね」
「むしろね」
「そういえば僕も」
 トトも言われて気付きました。
「普段よりずっと速く歩いていたかな」
「気付かないうちに履いてたけれど」
 ドロシーも言います。
「いや、早く着いたらよかったわ」
「それじゃあだね」
「ええ、合流したけれど」
「すぐに出発しますか?」
 恵梨香がドロシーに尋ねました。
「そうしますか?」
「ウーガブーの国までね」
「はい、そうしますか?」
「ちょっと待って、皆お昼は食べた?」
 ドロシーは恵梨香にこう尋ねました。
「そちらは」
「まだです」
 ジョージが答えました。
「そちらは」
「ではお昼を食べてね」
「それからですか」
「出発しましょう」
 こう言うのでした。
「まずはね」
「それじゃあ」
「テーブル掛け持って来たわよ」
「そこからお昼を出してですね」
「皆で食べて」
「それからですね」
「出発しましょう、旅道具は皆持って来たわ」
 ドロシーはジョージ達ににこにことしてお話をします。
「テントも全部洗面道具もね」
「全部ですから」
「持って来たから安心してね」
「やっぱり慣れてますね」 
 神宝は恵梨香のこのことを言いました。
「冒険に」
「ええ、何しろいつもだから」
 ドロシーもにこりと笑って答えます。
「私が冒険に出ることは」
「オズの国一の冒険家だからですね」
 カルロスも言います。
「だからですね」
「少なくとも忘れものはないようにしているわ」
 オズの国一と言われるとです、ドロシーも恥ずかしいのでそのことについてはあえて答えませんでした。少しシャイなところもあるのです。 
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