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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!

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第七十八話 アンネローゼ様を救い出します。

 フィオーナとティアナが二人して間借りしている下宿でティアナの作った料理を食べながらワインを飲んでいる。
「忙しくなってきたわね。ついに自由惑星同盟では新要塞が完成したそうじゃない。積極攻勢が始まるのかもよ。それも今すぐにでも。」
フィオーナは肯定とも否定とも取れぬ声を出した。一つにはティアナが作ったアイリッシュシチューをモグモグと食べていたからかもしれない。
「そんな姿をミュラーに見られたら、百年の恋も冷めちゃうわよ。」
「だっておいしいんだもの。ティアナの料理。」
「子供じゃないんだから・・・・。」
苦笑したティアナに対して、スプーンを礼儀正しく脇に置いたフィオーナは、
「さっきの話だけれど、どうかしら・・・あまりそういう風には思えないわ。」
「積極攻勢はないというの?だいたい同盟側の二次創作の筋書きと言えば例のアムリッツアに落ち着くパターンが多いじゃない。」
「だからこそよ、ティアナ。あなたの前で言うのは申し訳ないけれど、あのシャロン教官がそれを知らないわけがないと思うの。アムリッツアの線はあまりないと思うわ。もっとも、民衆130億人がすべて帝国領遠征作戦に賛同すればさすがにシャロン教官も止め立てするのは無理だと思うけれど・・・。」
「そうね・・・・。」
ティアナのフォークがカランと音を立ててテーブルに置かれた。何度その名前を聞いたことだろう。シャロン、シャロン、シャロン・・・。いつまでたっても、いつまでもその名前を聞くだけで平静ではいられない。それでもだいぶマシにはなったのだが。
「となると・・・・同盟領内に深く誘い込んで決戦、か。アムリッツアの同盟側ヴァージョンというわけかしら。で、これに対抗する対策は?」
「ティアナったら。私は占い師でも千里眼の持ち主でもないのよ。そう簡単に対策がでてくるわけないじゃない。むしろあなたの意見はどうなの?」
「なにも無理をして同盟に攻め込む必要性はない・・・・と言いたいところだけれど、それは無理ね。私たちが死ねば、また帝国と同盟は百年戦争を繰り返すことになる。多少荒良治をしてでも統一をしなければ、殺し合いの日々は終わらないわ。」
ティアナの言葉を肯定するように、フィオーナはうなずいた。
「フィオも同じ考えか。つまりは、同盟に攻め込むことは規定事実として考えなくてはならないというわけなのよね。」
ティアナもフィオーナも自由惑星同盟に攻め込むということを進んで良しとしているわけではなかった。だが、ラインハルトの覇道を助けるという目的でこの世界に来ている以上、自由惑星同盟を滅亡に追いやることは既定の事実ではなかったか。それを踏まえての内乱鎮圧であり、ラインハルトの地位・戦力の強化を今日まで行ってきたのである。

それともう一つ、シャロンが自由惑星同盟に転生した以上は、いずれ必ずや彼女と決着を付けねばならなかった。二人ともそれぞれ無言のうちにそう思っていたのだった。






 自由惑星同盟がイゼルローン要塞級の移動要塞を完成させたという報告は直ちに帝国軍の情報部が知るところとなった。むろんその狙いは明らかにイゼルローン要塞だろうという予測は首脳陣の一致するところとなった。ただし、ラインハルトはその数手先までを見越していたのだったが。
既に帝国軍の中からベレゴール・フォン・シュッツラー大将率いる15000隻の艦艇が先発してゼークト大将と交代していたが、それだけでは不足だった。ミュッケンベルガー元帥はただちにイゼルローン要塞に対して緊急増援を行うことを閣議で申請。これは直ちに決議され、ラインハルトは麾下の艦隊からフィオーナ・フォン・エリーセル大将、ティアナ・フォン・ローメルド中将、オスカー・フォン・ロイエンタール大将、ヴォルグガング・ミッターマイヤー大将の艦隊をイゼルローン要塞の増援艦隊として向かわせることを決定した。
 増援艦隊というが実質的には交代である。ラインハルトはにわかな危険地帯と化した最前線に麾下を赴かせる代わりにフィオーナをイゼルローン要塞の要塞司令官兼駐留艦隊総司令官に抜擢させ、その了承を得たのだった。もっともこれは一時的なものであり、いずれはロイエンタール大将がイゼルローン方面総司令官としてその地位を継承することとなっていた。
 同時にラインハルトはフェザーン回廊周辺にも部隊を展開することを提案したが、これは却下された。フェザーン回廊から逆侵攻してくることなどあり得ないというのだ。ラインハルトは舌打ちを禁じ得ない思いだったが、軍の決定には逆らえない。やむなく麾下の艦隊にいつでも出撃できる体制を整えさせることで妥協した。

 これと並行して、唐突にある決定が下されている。地球に対しての攻略の決議だった。というのは、前回のフェザーンでの捕虜交換の妨害と言い、例の講和条約の締結に対しての妨害と言い、悉く地球教徒の仕業だという事態が判明したのである。その情報を垂れ流したのが誰か、ここに書くまでもないだろう。ラインハルト側転生者陣営はこの機に一気にベーネミュンデ侯爵夫人陣営と地球教徒を叩き潰すつもりだったのである。ただし、いずれイゼルローン要塞に救援に向かうフィオーナとティアナはこのことを知らなかった。

 地球討伐の任務は交替でイゼルローン要塞から引き下がってきたハンス・ディートリッヒ・フォン・ゼークト大将が麾下15000隻の艦艇をもって行うこととなったのである。

 勅令は迅速に発令され、それに対する対応も迅速を極めた。

 帝都ではゴールデンバウム朝の名のもと帝国領内における地球教徒の布教活動一切を禁止する令が発布され、同時に憲兵隊や治安維持部隊が、社会秩序維持局の協力の下、帝都にある十数か所の支部を一斉に襲って、信徒たちを拘束しはじめ、各主要惑星においても一斉捜査が行われた。一連の指揮を執ったのはベルンシュタイン中将である。ベルンシュタインは内乱の前後の際は一時的にブラウンシュヴァイク公爵の下にいたのだが、終息してのちは再び軍務省憲兵局長としてその辣腕を振るっていた。このところあまりうだつの上がらない彼としてはここで是非にでもポイントを稼ぎ出す必要があったのである。
 帝国軍憲兵隊は放射状に迅速に広がっていき、かねてから把握していた地球教徒の拠点にローラー式に襲い掛かった。これに抵抗しようとする信徒と激しい銃撃戦となり、憲兵隊は数十の死者を出し、その十倍の負傷者を出したが、信徒たちの大半は逮捕を拒む形で死亡、自殺している。この時帝都における実質的№1のゴドヴィン大主教も捕えられたが、ド・ヴィリエだけは辛くも逃げ延びたらしく姿が見えなかった。この時ベーネミュンデ侯爵夫人がド・ヴィリエとの間でアンネローゼ暗殺を謀ったという書簡が発見されたため、事の次第を憂いたリヒテンラーデ侯爵はフリードリヒ4世に報告。彼女に自裁をすすめることの承諾を得た。宮廷警察は直ちに彼女を拘束しようとしたが、彼女は既に姿をくらましていた。
 同時にベルンシュタイン中将は軍においても地球教徒の信徒の洗い出しを行った。思ったよりも数は多く数千人が拘束され、そのうちの半数が抵抗して射殺されるか自裁、あるいは苛烈な拷問によって死亡したのである。

「あ~あ、やってくれるじゃないの、ベルンシュタインも。さすがは憲兵隊を仕切るだけあるわ。」

と、彼の活躍ぶりを聞いていたアレーナは半ば棒読みでヴァリエら帝都残留組にそう言ったものである。が、彼女はすぐに顔色を引き締めた。彼女の情報網から地球教徒とベーネミュンデ侯爵夫人らがアンネローゼを狙っているという報告があったからである。
「全力を挙げてアンネローゼを守り切るのよ。ベーネミュンデ侯爵夫人の居所を何としても突き止めて、捕まえてもいいわ。・・・・生死は問わない。殺してもいいわよ。」
こういう時のアレーナは凄みがある。いざというときには何のためらいもなく人を死なせる点は冷徹さにおいてイルーナでさえも上回るだろう。
 エレイン・アストレイア、ヴァリエ・ル・シャリエ・フォン・エルマーシュ、アリシア・フォン・ファーレンハイトら帝都残留組は直ちに四方八方に捜索を開始した。アレーナ自身はすばやくウェストパーレ男爵夫人に連絡を取ると、男爵夫人と共にアンネローゼの館に「強引に」駆けつけたのである。


だが――。


 アンネローゼの館に駆けつけると、すでにアンネローゼの姿はなかった。総身に冷水を浴びた気持ちになったアレーナは使用人に主の居所を聞き出した。使用人は最初は渋っていたがアレーナの鬼気迫る形相に恐れをなして、
「先ほど弟君が元帥府からの帰路に交通事故に遭われ負傷された由報告がありましたゆえ、伯爵夫人におかれましてはすぐに郊外の病院にご出立されまして――。」
「それを早く言いなさい!!」
アレーナは帝都残留組に連絡し、ただちに四方八方に捜索の手を伸ばし、極低周波端末でイルーナらに報告した。
「本来であれば数千人の護衛役をびっしりアンネローゼの館に貼り付けなくちゃならないのに!ノイエ・サンスーシの奴ら何してくれてんの!?」
珍しく息巻くアレーナにイルーナは冷静に、
『慌てないで。アンネローゼをこのタイミングで拉致されたのは痛いけれど、まだ間に合うわ。そう遠くには行っていないはずよ。検問体制を強化して網を絞り込むようにすればいいのだから。』
イルーナはラインハルトにすぐに急報しこのことを知らせようとしたが、生憎ラインハルトは帝国軍三長官と共に対アーレ・ハイネセンの軍事作戦会議を行っていてオペレーターに拒絶されてしまったのだ。取り付くシマもない。
「ローエングラム元帥に緊急のお話があるのよ。これを取次しなかったらあなたの首がどうなっても私は知らないわ。それでもいいの?」
低いが凄みを込めて言うイルーナの顔と声に蒼白になりながらも「おきのどくですが規則ですので。」の一点張りでしのぎ切ったオペレーターもまた特筆すべき胆力の持ち主だろう。だが、今回はそれが仇となった。
「わかったわ。もう結構。」
通信を切ったイルーナは麾下の元帥府憲兵隊司令官ヘルムート・レンネンカンプ少将と帝都防衛司令官のバーバラ・フォン・パディントン中将に市街地該当区域の外周を封鎖させて一斉捜索に当たらせた。ハーラルト・ベルンシュタイン中将がこれを見とがめて「憲兵隊の職務を犯すがごとき動きは慎んでいただきたい。」などと横やりを入れようとしたが、イルーナは黙殺した。ベルンシュタイン中将など後で実力をもって排斥すればいい。なお邪魔立てするというのならば斬り捨てるまでである。転生者たちは総動員され、あらゆる方面を徹底的に捜索したが、意外な方面から行方が知れた。
 急を聞いて昼食を取っていたレストランから車で元帥府に戻る途上のコルネリアス・ルッツ中将とアウグスト・ザムエル・ワーレン中将、そしてジークフリード・キルヒアイス少将がすれ違いざまに郊外に向かおうとする車の中にアンネローゼの姿を見出したのである。三人はすぐに追跡を始めるとともに元帥府にこのことを知らせた。元帥府に詰めていた帝都残留組も必死に捜索を行っていた者たちもこれを聞いて一斉に後を追って飛び出した。イルーナはシアーナを連絡係に残しただけで、自身は中央にあって絶えず入ってくる情報を収集して現場につなげている。
ほどなくして現場が知れた。古い廃ビルの一画で既に駆けつけた憲兵隊と応援部隊によって包囲されているとのことだった。
「ええ・・・ええ・・・・わかったわ。」
ほどなくしてレイン・フェリルから通信が飛び込み、イルーナはその報告を聞きながらうなずいている。こういう時のレイン・フェリルの手際には隙がない。短時間でこれほどまでの動員とポイントを絞っての包囲ができたのもその表れだ。
「構わないわ。アンネローゼの身柄が無事であれば後は皆殺しにしても構わない。・・・そうよ。たとえベーネミュンデ侯爵夫人であっても。ええ、頼んだわよ。」
傍らに立っていたシアーナは信じられない顔をしてかつての主席聖将を見つめていた。突入許可、の指示を送ると、イルーナは自室の机の上で両手を組んで祈り始めたのだ。小声ではあったが「お願い・・お願い・・・。」と切れ切れに切羽詰まった声が聞こえる。神頼みなどということはこの現実家で冷静無比な女性騎士には似合わない所作であったが、それだけ必死なのだろう。シアーナも片隅で祈り始めていた。

一方――。

 突入部隊を指揮する元帥府憲兵隊司令官レンネンカンプ少将はコルネリアス・ルッツ中将、ジークフリード・キルヒアイス少将、アウグスト・ザムエル・ワーレン中将らが陣頭に立つと聞いて驚きあきれ、いさめた。
「提督方が自ら先頭に立つというのは危険すぎますぞ。敵は何人いるのかもわからない状態なのです。」
「ですが、このまま時を過ごしていることはできません。アンネローゼ様の身に何かあれば、私は、私は――!!」
いつになくキルヒアイスが蒼白な顔をしている。エレインもレイン・フェリルもアリシアもヴァリエも、そして駆けつけてきたアレーナももはやぐずぐずしている時ではないと思っていた。ヴァリエとアレーナは貴族令嬢ではあったが、すでにラインハルトとイルーナらの知己であったから顔は提督たちも知っていたのだ。この時、アレーナもヴァリエもドレスではなく銀河帝国における帝国軍女性verの軍服を着ている。
「構わないわ。時間がないもの。包囲体制は崩さず、少人数で突入。陽動をかけて、敵がそちらに注意を向けたすきに一気に入るわよ。レイン!!」
アレーナがすかさず指示を下す。うなずいたレインがさっと手を振り上げると、一部隊が爆炎筒を投げ込んだ。これは派手な音と閃光が出るだけで無害なものである。
「突入!!」
手を振り下ろしたアレーナの号令一下、当の本人とキルヒアイス、ルッツ、ワーレン、アリシア、エレイン、そして十数人の兵隊が飛び込んでいった。たちまち内部にいた地球教徒やその同調者らと激しい銃撃戦になったが、転生者たちは臆することがなかった。たとえ現役の軍人であろうと戦闘力にかけては到底彼女たちにかなうものではなかったのである。剣が一閃、二閃するとその数倍の人間が吹っ飛んで二度と起き上がることがなかった。だが、アンネローゼらの姿はない。
「熱感知機能は上を指し示しています!」
憲兵の一人が叫び、アレーナらは階段を駆け上がった。そこにも待ち構えていた地球教徒らをたちどころに斬り捨てたアレーナが一気に跳躍して階段上に立った。ほとんど同時にキルヒアイス以下の突入隊も雪崩を打って階段から駆け上がってきた。
「動くな。」
殺風景なコンクリートの叩き部屋に立つベーネミュンデ侯爵夫人とその手下たちがアンネローゼに銃口を突きつけている。ゴッドホルン子爵がアンネローゼの頭に銃を突き付けていた。そばに赤いワインが床に染みを作っているのは、毒酒を飲ませるところだったのだろう。間一髪のところだった。
一同が銃を構えるが、ベーネミュンデ侯爵夫人は動じる気配もない。
「この女の命が惜しくば・・・銃を床に捨てるのじゃ。」
「同じ貴族として反吐が出るわ。まったく。そんなことをしても今更皇帝陛下の寵愛が取り戻せると思っているの?」
「そなたには関係ない!」
ベーネミュンデ侯爵夫人の叱責がとんだ。
「妾は、妾は、この女にどれほど今までしてやられたことか・・・・。」
ベーネミュンデ侯爵夫人は憎々しげにアンネローゼを見る。アンネローゼの顔色は白いが動揺を表しているわけではなかった。
「侯爵夫人、もうおやめください。今なら私が陛下にお頼みし、すべてをとりなしていただけるようにお伝えいたしま――。」
「ええい!!黙れ、女狐!!」
パァン!!とベーネミュンデ侯爵夫人がアンネローゼの頬を張った。よろめくアンネローゼをゴッドホルン子爵が無慈悲に引き据える。思わずキルヒアイスが進み出ようとするのをアレーナが後ろ手で制した。彼女自身も腸が煮えくり返る思いだったし、今すぐにでもこの年増女を殺してやりたいところだったが、まだ聞きたいこともあった。
「誰の差し金なの?正直言うと貴族の深層育ちのお嬢様・・・いいえ、オバサンに、ここまでの手腕ができるとは思わなかったわ。今まで散々陰謀を張り巡らして、ず~~っと失敗に終わっていたのにね。」
皮肉満載なアレーナの言葉に、ベーネミュンデ侯爵夫人の眉が吊り上がった。唇が憎々しげにゆがめられる。
「にもかかわらず、今回の思い切った手には私たちも裏をかかれたわ。で、誰の入れ知恵?」
「そなたに応える必要などないわ!このじゃじゃ馬娘が!」
「あ、そう。ならいいわよ。そんなこと言って後悔してもいいの?これが最後通告よ。アンネローゼを離しなさいよ。さもないとあなたたちをまとめてヴァルハラまでご招待差し上げるわ。グランクラスじゃなく、せま~いエコノミー症候群になりそうなエコノミーな席でね!!」
「そなたら、まだ自分の立場が分かっておらぬようじゃな。この女の命がどうなっても――。」
ベーネミュンデ侯爵夫人の言葉に呼応するように、ゴッドホルン子爵が銃口をアンネローゼの頭に当てる。
「いいのかえ?」
アレーナが舌打ちを禁じ得ない様子で背後の皆を見る。そして無言で銃を床に降ろすようにジェスチャーした。
「そうじゃ・・・そう、ゆっくりとな。そしてそのまま下がるのじゃ。」
数歩下がり始めたアレーナたちに、ゴッドホルン子爵が、
「宇宙船を一隻用意してもらおう。それから人質として2名こちらに来てもらおうか。」
「言いたい放題、あなた方は!!」
キルヒアイスが再び前に進み出ようとしたが、アレーナが制した。彼らの左手、窓の外からそっと一人の女性が気配を殺してブラスターを構えていたのだ。


「・・・・ホクスポクス、以下省略!」


ブラスターが放たれると同時に、照明が落とされた。悲鳴が沸き起こる中、キルヒアイス、アレーナは突進し、アンネローゼを抱きしめるとかばうようにして床に倒れ込んだ。
「逃がすな!!」
「撃て、追えッ!!」
ルッツ、ワーレンの声が響き、銃撃戦が激しくなったが、それも一瞬の事だった。再び明かりがついたとき、キルヒアイスは自分の腕の中に温もりを感じ取っていた。
「アンネローゼ様!!」
アンネローゼが白い顔をキルヒアイスに向ける。
「ご無事ですか!?アンネローゼ様!!ご無事で――。」
とたんにキルヒアイスはいやな手触りを感じ取ってぞっとなった。手のひらを見るとそれは赤く染まっているではないか。
「ア、 アンネローゼ様・・・・嘘だ。嘘だ・・・・!!」
こんなにも激しい動揺を見せるキルヒアイスをワーレンたちは見たことがなかった。彼はすぐに医者を呼ぶように兵隊たちに言うと、アンネローゼを揺さぶった。
「アンネローゼ様ァッ!!アンネローゼ様ァッ!!しっかり、しっかりなさってください!!」
「ジーク、痛くってよ。もう少し加減をなさってくださらない?」
キルヒアイスの動きが止まった。アンネローゼはかすかに微笑みを浮かべている。
「ア、 アンネローゼ様?お怪我はないのですか?」
「ちょっと~~。キルヒアイス~~。しっかりしなさいよ~~。」
見上げるとアレーナがニヤニヤ笑っている。と、キルヒアイスは改めて自分の手の染みを見て、その正体を知った。何のことはない。地面に転がっていた赤ワインではないか。それがアンネローゼのドレスに染みを作っていただけだったのだ。
「こ、これは!?失礼を致しました・・・・・。」
慌てて顔を赤くしたキルヒアイスがアンネローゼを立たせる。周りは大笑いだ。だがそれには安堵の響きがあった。何はともあれアンネローゼは無事だったのである。それを見届けたアレーナはゆっくりと歩を進ませた。既にアリシアとエレイン、それに兵隊たちが不埒な犯人共を取り囲んでいる。レイン・フェリルがその中にいる。ブラスターで機をうかがっていたのは彼女だったのだ。窓の外からひそかに梯子を用意させ、それを登って窓の外から狙撃体制に入っていたのである。ブラスター発射と同時に同時に照明を落としたのはレンネンカンプである。バーバラはというと外で逃げ延びてくる手下たちを片っ端から捕まえて後手に縛り上げていた。
 ゴッドホルン子爵は既に動かない体をうつぶせにして血の海の中に横たわっていた。数発の銃が体を貫通し、頭部をも貫いているので即死だったのだろう。手下たちも同様だった。そして――。

ベーネミュンデ侯爵夫人も倒れていた。腹、そして肩を撃ち抜かれ、かろうじて息をしているが、もう虫の息だ。
「お、おのれ・・・。こ、このようなことに・・・なろう、とは・・・・!」
彼女は憎々しげにアレーナを見た。
「一つ言っておくわ。」
アレーナが無表情に彼女を見下ろしながら言った。
「あなたのメイドのヴァネッサは私のスパイだったのよ。長年にわたってずうっとあなたを監視していたわ。だからあなたたちの相談はぜ~んぶ筒抜けだったのよね。」
「な、なんじゃと!?」
愕然となったベーネミュンデ侯爵夫人はとたんにせきこんで血を吐いた。
「残念だったわね。そもそも成功することなんかなかったのよ。ま~今回はちょっとばかり冷や汗ものだったけれど。」
「お、おのれ・・・・。では、わ、妾は最初から・・・・お前の手の上で・・・・踊り・・・・・ゆ、許さんぞ・・・・死してなお・・・・・。」
「死してなお祟る?それはそれは御大層な事ね。せいぜいお祓いグッズ取り揃えて置くわよ。」
アレーナの皮肉はもう耳と耳の機能を失い始めているベーネミュンデ侯爵夫人には届かなかった。意識を失いつつある中、侯爵夫人の目に飛び込んできたのは目の前で抱き合うアンネローゼとキルヒアイスだった。それを識別できた時一瞬侯爵夫人の瞳が燃え上がった。其れを正視したものはあまりの怨念と憎悪さにぞっとなって顔を背けたほどだった。が、それはほどなくして消え去った。アレーナが片膝をつき、彼女に身を寄せてこういったからである。一転その口ぶりは皮肉満載の物から真摯なものに変わっていた。
「あなたがいつまでも純粋でいたなら・・・アンネローゼがノイエ・サンスーシに来なかったなら・・・皇帝陛下の御心はいつまでもあなたの側にいたはずよ。宮廷に上がったばかりのあなたの顔は・・・・・。」
アレーナは写真をそっとベーネミュンデ侯爵夫人に見せた。こういう時の為にと、アレーナは古い記録を漁って見つけ出してきたのだった。若いころのベーネミュンデ侯爵夫人とそれに寄り添うようにして立っている皇帝陛下の肖像を。
「ホラ、こんなにも綺麗だったわ。私から見ても羨ましいくらい。皇帝陛下の顔もとても穏やかでしょ?皇帝陛下にとっては、あなたは銀河一の女性だったのよ。」
「陛下・・・・。」
涙ぐんだベーネミュンデ侯爵夫人の声から憎悪が消え、夢見る純粋な乙女の顔になった。驚いたことに一気に若返りあの頃の顔に戻ったような錯覚を周囲の者たちにあたえたのである。
「そうじゃ・・・妾はこのような顔じゃった・・・・・あの頃が懐かしい・・・・・。」
ベーネミュンデ侯爵夫人は静かに息を吸った。血まみれの顔だったが、静謐さにあふれていた。
「妾は・・・悪夢を・・・見ていたのやもしれぬな・・・・。それが今わかった。ようやく・・・目が覚めるのじゃな・・・・。」
「そうよ。皆夢よ。悪い悪い夢なのだから。忘れてしまいなさい。」
アレーナはそっとベーネミュンデ侯爵夫人の手を握った。
「大丈夫よ。皇帝陛下も遠からずあなたの側に戻ってくるわ。それまで少しの間ヴァルハラで待っていなさい。大丈夫、ほんの少しの間だけよ。」
ベーネミュンデ侯爵夫人はあどけない少女のようにうなずき返し、静かに目を閉じた。その眼から一筋の涙が零れ落ち、静かに床を濡らしたのだった。アレーナはそれでもしばらく侯爵夫人の手を握っていたが、完全に脈が途絶えたのを見届けると、手を放して立ち上がった。
「アレーナ様・・・・。」
キルヒアイスがアンネローゼと寄り添うようにしながらアレーナを迎える。
「はい、これで一丁上がりよ。」
そう言ったものの、その顔は言葉と正反対の色合いを帯びていた。
「侯爵夫人・・・・・。」
アンネローゼはそっと床に倒れているベーネミュンデ侯爵夫人に愁いを帯びた視線を送り、数歩進み出ようとしたが無言で首を振ってやめた。思いこそ口に出さなかったけれど、アレーナ、キルヒアイスにはその心の動きがよくわかっていた。
「アレーナ、本当にありがとう。ジーク、あなたに感謝しなくてはならないわ。そして皆さま、本当にありがとうございました。」
アンネローゼが深々と頭を下げる。一同恐縮する思いだったが、誰ともなしに万歳を叫ぼうとした。
「駄目駄目。まだ万歳三唱できる状況じゃないでしょ。」
アレーナがやんわり制した。
「まずはベーネミュンデ侯爵夫人の遺体をノイエ・サンスーシに届けなくちゃね。リヒテンラーデ侯爵にあって事の次第を話すことにしなくてはならないわ。」
アレーナの言葉にレインがうなずく。
「後のことはこちらにお任せください。憲兵隊に事後処理を引継ぐことができるように、済ませておきます。ですが、これで終わったとは考えられません。」
「ベルンシュタインか・・・・。」
アレーナは数秒考え込んでいたが、
「マインホフおじいさまがいらっしゃったならば、憲兵隊に対して圧力をかけて封じることができるのだけれどね。そうね、エレイン、少し付き合ってくれるかしら?行かなくてはならない場所があるのよ。」
「場所?また何を急に思いついたのだか、あなたは昔からそうだったけれど。」
エレインがあきれ気味に両手を広げた。
「フレーゲル男爵のところよ。」
いともあっさりとそう言ったので一同驚いた。何しろフレーゲル男爵と言えば反ラインハルト派の首魁ではないか。
「レインは事後処理を。キルヒアイスはアンネローゼを守ってワーレン提督、ルッツ提督と共にいったん元帥府に赴いてイルーナの指示を受けた方がいいわね。」
「ですが――。」
「心配要らない要らない。ま、私に任せておいて。」
片目をつぶったアレーナがエレインを促すと、すぐに現場を後にしていった。
「流石は、ローエングラム元帥閣下の『姉上のお一人』でいらっしゃいますな。」
ワーレンが漏らした一言が、皆の無言の気持ちを代弁していた。


一方――。

「ローエングラム元帥閣下。」
会議を終えて下がってきたラインハルトに女性オペレーターが申し訳なさそうに近づいてきて事の次第を話した。
「イルーナ姉上が・・・・?」
このようなことは前代未聞だった。緊急というのは何やら胸騒ぎがする。ラインハルトはすぐに元帥府に急行した。元帥府の執務室に入ると、ラインハルトの眼が見開かれた。中には人が大勢いたが、アンネローゼもその中にいたのである。傍らにはキルヒアイス、そしてイルーナがいた。
「どういうことですか?姉上、なぜここに?イルーナ姉上、どういうことなのですか?」
「順を追って話すわ。」
イルーナが語りだした内容を聞いたラインハルトの拳は案の定固く握られ、目は烈火のごとき輝きを放った。
「地球教徒か、そいつらが姉上の命を狙ったというのだな!?キルヒアイス、イルーナ姉上。」
ラインハルトは怒涛の如く湧き上がる怒りを両拳をぶつけ合わせることで表現した。
「よくも姉上を・・・・!!許さん・・・奴らを徹底的に叩きのめし、二度とこの宇宙に住めないようにしてやる・・・・!!」
「ラインハルト、あなたの怒りはわかっているわ。でも最後まで聞いてほしいの。」
イルーナが諭した。
「今回の事件でベーネミュンデ侯爵夫人は死んだわ。いわば包囲網の一角が崩れ去ったわけだけれど、それによって厄介な敵が地表に現れたことも事実なのよ。でも今のところ、地球教徒の恨みはあなたに対して、というよりもゴールデンバウム王朝に集中しているわ。ゴールデンバウム王朝が地球教徒たちにやってのけたことは私たちよりもずっと凄惨な事よ。そうじゃない?」
「・・・・・・・・。」
「あなたが望むなら、今ここで兵を糾合し、ノイエ・サンスーシに乗り込み、皇帝を拘束し、ブラウンシュヴァイク公爵とミュッケンベルガー元帥を打倒し、ベルンシュタイン中将を地球教徒たちを殺すというシナリオもあるわ。反対に皇帝陛下に掛け合ってあなたの元帥号返上と引き換えにアンネローゼの身柄を引き取って静かに暮らすというシナリオもあるわよ。」
「いや、それは無謀だ。」
ラインハルトはそう言い、同時に胸に燃えている炎を苦渋の色を浮かべながらも消し止めた。
「わかりました。イルーナ姉上。もはや、私、キルヒアイス、姉上、アレーナ姉上、イルーナ姉上だけの問題ではないという事を良く自覚しなくてはならないという事ですね。」
寂しさの色がラインハルトの端正な顔をよぎった。今のこの瞬間、五人が一緒になって過ごせる日々がずっと続くのであれば、ラインハルトは一切の権力を喜んで投げ出すことも考えないではなかった。だが、それではだめなのだと内なる強い声がささやいた。最大多数の最大幸福のため、自己の幸せを勝ち取ったからと言って道から外れ休息することは許されないのだ。
「あなたが道をあきらめて私たちと一緒に過ごすという事も考えないではなかったわ。」
一瞬だけそうあってほしいという願いがイルーナの瞳に宿っていた。
「けれどそれは許されない事。少なくともすべてが終わるまでは・・・・そう、全てが・・・・・・・・。」
この時、ラインハルトとキルヒアイス、そしてアンネローゼはイルーナの瞳に言い知れぬ悲しみのような物が揺蕩っているのを感じ取ったが、それが何であるかはわからなかった。仮にそれを知ることができる人間がいるとすれば、転生者以外では天命を知ることができる人間のみで有ろう。



 他方、アレーナとエレインはブラウンシュヴァイク公爵邸に乗り込んでフレーゲル男爵との面会を望んでいた。フレーゲル男爵にとってはランディール侯爵家は存在は知っているが、ほとんど付き合いもなかった。リッテンハイム侯爵側というわけでもなくかといってブラウンシュヴァイク公爵側でもなかった。知っていることは代々変わり者が排出されているということくらいだ。そんなわけだから目の前に軍服を着た美貌の女性が現れるのを見ると、どう対処していいか考えあぐねていると言った風な表情を見せたのも無理からぬことだった。ただ、ベルンシュタイン中将からはランディール侯爵家、エルマーシュ侯爵家がラインハルト陣営に協力する動きを見せている、と話をされ戸惑った記憶があったのを思い出したくらいである。貴族令嬢ごとき何ができるか、とフレーゲル男爵は思っていたが、目の前の女性を見てその考え方を一部修正せざるを得なくなった。帝国軍中将(女性用)の軍服を着ているのだ。
「フロイライン・ランディールにおかれましてはどのような御用件ですかな?ま、ワインでもどうです?」
「ありがとうございます。ですが結構。あまり話をしている時間はないので。」
フレーゲル男爵は眉をひそめた。不快さではなくいぶかしがっている顔つきだった。
「単刀直入に申し上げます。ベーネミュンデ侯爵夫人は死にましたわ。グリューネワルト伯爵夫人誘拐暗殺未遂の件で憲兵隊との銃撃の末に。」
「ほう?」
フレーゲル男爵は表面上は少なくとも何の動揺も見せなかった。これはただのヘルメッツではないわね、とアレーナは少しだけ彼に対する評価を変えた。
「それが小生と何かかかわりが?」
「別に。ただお知らせをした方がいいと思っただけです。あぁ、それと、憲兵局長のベルンシュタイン中将のことですが。」
「・・・・・・・・。」
「ベーネミュンデ侯爵夫人をワザと取り逃がそうとしたらしいですわね。それでかえって地球教徒につけ込まれ、挙句の果てにはその件で皇帝陛下の御不快を被ったようですわ。宮廷に報告に上がった国務尚書の報告を聞いた侍従武官の伯爵の一人が申していました。私の恋人ですけれど。」
全くのでたらめであったが、フレーゲル男爵の顔はわずかながら変わった。
「これ以上ベルンシュタイン中将を登用するのはいささか問題ありじゃありませんかしら?少しばかり役に立つとはいっても皇帝陛下の御不興を被った人間を庇い立てするのは大貴族の長たるブラウンシュヴァイク公爵としても問題ありだと思いますわ。それに思わぬところから飛び火があるかもしれませんわね。」
「そのようなことはこちらで判断することだ。ご苦労な事ですが、小生たちに結論を押し付けないでいただきたい。フロイライン・ランディール。」
と、フレーゲル男爵が言った時にはアレーナは立ち上がっていた。
「では、御機嫌よう、男爵様。」
さっさと部屋を出ていったアレーナにさすがのフレーゲル男爵も何も言葉を掛けることはできなかった。が、その代わりにある言葉はしっかりとしこりとして残った。この際アレーナがラインハルト陣営にいるかどうかはどうでもいいことである。と、外からノックの音がした。
「入れ。」
入ってきたのは部下の一人だった。フレーゲル男爵になにやら小声で話しかけると、男爵は二度三度とうなずき、横柄に部下を退出させた。アレーナの言ったこと――ベーネミュンデ侯爵夫人が死亡したこと――は嘘ではない事がわかったのである。そのことで宮廷が大地震にあったかの如く震撼しているとの報告もあった。
結果が彼の脳裏を支配していた。すなわち――。
「・・・・ベルンシュタインめ。しくじったか。」
不快そうな顔つきになったフレーゲル男爵は立ち上がって部屋を出ていった。こうなれば自身をその災厄から切り離さなくてはならない。



一方――。
 自由惑星同盟では要塞駐留艦隊である第十六艦隊と第十三艦隊、第十七艦隊、それに当面の増援としての第十艦隊の準備が完了していた。第十六艦隊は要塞に入港して要塞ごとワープすることとなり、第十三艦隊については第十七艦隊と共に一足先にイゼルローン回廊付近にまで先発して要塞と共に回廊内部に突入することとなっていた。第十艦隊が正式に動員されるかどうかは、先遣隊の戦い方次第になる。
 半個艦隊6800隻、将兵75万人とはいえ、第十七艦隊にはシャロンの作為でそれなりの面々が集められていた。空戦部隊隊長にはオリビエ・ポプラン、イワン・コーネフの両少佐の二人が就任し、陸戦部隊を統括するのは最前線の一つであるヴァンフリート星域にて地上部隊を指揮した経験を持つコリンズ・デュトネイ准将が就任し、後方勤務部長にはアレックス・キャゼルヌの薫陶を受け、それ以上に黒髪の美人女性の才媛の評判があるレイミ・コウエンジ大佐が若干25歳という若さで就任したのである。情報部長にはビロライネン少将の弟であるアーチ・ビロライネン大佐がその任に就いたが、その副部長にバグダッシュ中佐がいた。
 フィッシャー、アッテンボロー、ムライ、パトリチェフ、フレデリカ、マリノといったヤン艦隊を支える面々は当然のごとく彼の麾下として配属されていた。ここまで強化をしてよいのか、というアンジェたち自由惑星同盟のシャロン・サイドの転生者の危惧は当然と言える。仮に第十七艦隊が一個艦隊に増強され、ヤン艦隊となった時、それがシャロンの妨げになるであろうことは明白であった。いわば獅子を牢獄から野に放つようなものではないか、とまでアンジェは言ったのである。
「ヤン・ウェンリーが獅子だとは、ずいぶんな表現な事ね。けれど、構わないわ。戦場で真正面から彼を倒そうとするなど愚の骨頂。彼を処断するときは私自らが行うわ。」
と、シャロンは平然と言うのであった。

 ヤン・ウェンリーは司令官就任に際して、例によって例のごとくたったの二言で訓示兼挨拶を述べたという。ヤン・ウェンリーらしいわ、と自由惑星同盟側の転生者たちはそう言いあったが、だからといってヤン個人の力量が挨拶程度のものではないことはよくわかっていた。
 
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