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星河の覇皇

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第六十二部第二章 苦戦の中でその六

「内相を応援させて頂きます」
「そうしてくれるか」
「はい、最後の最後まで」
「そうしてくれると有り難い、ではまただ」
「今からですね」
「仕事に戻る」
 その仕事はというと。
「外相としてのな」
「ではまた私に」
「いや。違う」
「外務省に直接ですか」
「連絡を入れる」
 そうするというのだ。
「メールでな」
「左様ですか」
「今度の仕事は補佐官を通さなくてもいい」
 そうした仕事もある、そして今度の仕事はそれだというのだ。
「卿は今日は補佐官の仕事に専念してくれ」
「これからはですか」
「私が出来るだけは私がする」
 それだけの仕事は、というのだ。
「興にも出来るだけ負担はかけない」
「そうして頂けますか」
「他人に負担をかけることは私の趣味ではない」
 こう淡々と言うのだった。
「だからな」
「ご自身の出来ることはですか」
「私でしておく」
「そうして頂けるのですか」
「そうだ、代行とはいってもだ」
 内相、そして外相はというのだ。
「私がそれなのだからな」
「有り難うございます、それでは」
「卿は私が総統になればだ」
 その時はとだ、カミュはモニターの向こうのアランソに微笑んで述べた。
「卿は首相だ」
「私を、ですか」
「卿にはその資質がある」
 これは世辞ではなかった。
「私はこうした時世辞は言わないな」
「では」
「私は人を見る目にも自信がある」
 少なくともカミュにはそうしたことについても無能ではない、人材は適材適所に置きそのうえで的確に動かせる。
「だからだ、卿はだ」
「その資質がですか」
「ある、首相のな」
「それでは」
「私の片腕として働いてもらう」
 こうまで言うのだった。
「その時にも宜しく頼む」
「畏まりました」
「これからもな、共にエウロパの為に尽くそう」
 奉職も述べた、そうしてだった。
 カミュはアランソに別れの言葉を告げて外相の仕事に戻った。彼は選挙活動中も政治家としての任務を全うしていた。
 モンサルヴァートもだ、選挙活動を行っていた。だが彼は。
 この日もだった、保守派の重鎮達にだ、見事なソファーの上に向かい合って座った状態でコーヒーを飲みつつこう言われていた。
「この度の選挙はです」
「閣下次第です」
「閣下ならば大丈夫です」
「我等もいます」
「ご安心下さい」
 こう口々に言うのだった。 
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