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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第八幕その十

「一体」
「うん、実はね」
「実は?」
「ハイ君達を保護したいんだ」
「保護なんだ」
「彼等は数が少ないね」
「凄くね」
 先程言った通りです、本当にハイ達は数が少ないのです。
「実は僕も森であまり会えない位なんだ」
「数が少ないからだね」
「うん、たまたま会うことはね」
 それこそというのです。
「中々ないよ」
「そうなんだね」
「うん、まあ先生ならさっきお話した通りにね」
「会えるんだね」
「大丈夫だよ、じゃあ頑張ってね」
「君はこれから何処に行くのかな」
「ちょっと溝の方に行ってね」 
 ハブは先生に行き先のこともお話しました。
「そこで物陰で寝るつもりなんだ」
「安全だからかな」
「そう、しかも溝で物陰だと涼しいから」 
 だからというのです。
「行くんだ」
「そうするんだね」
「じゃあね」
「またね」 
 笑顔でお別れをしてでした、そのうえで。
 先生はまた皆にお話をしました。
「ハイ君達のいる場所がわかったね」
「うん、これでね」
「先生の狙い通りハブ君とお話が出来てね」
「それでハイさん達が何処にいるかわかったね」
「この島の何処にいるのか」
「運がよかったよ」
 心から言う先生でした。
「神様の配剤だね」
「そうだね、じゃあ神様に感謝して」
「そのうえで森に行こうね」
「安座間さんと真喜志さんにお話をして」
「そのうえでね」
「うん、行こう」 
 こうしてです、先生は。
 ヨットの停泊作業を終えた安座間さんと真喜志さんにお話をしました、すると真喜志さんはすぐに明るいお顔になって言いました。
「わかりました、それでは」
「はい、今からですね」
「その森に向かいましょう」 
 こう笑顔で言うのでした。
「これから」
「では」
「いや、流石は先生ですね」
 真喜志さんは笑顔でこうも言いました。
「すぐにわかりましたね」
「運がよかったです」
「ハブに会えて」
「全くです、蛇のことを一番よく知っているのは」
「同じ蛇ですね」
「それも同じ地域に住んでいる」
 先生は真喜志さんににこりと笑ってお話をしました。
「他の生きものも同じです」
「そこにいる生きものを一番よく知っているのは」
「そうです」
 まさにというのです。
「同じ種類の生きものです」
「では本土でも」
「狐は狐、狸は狸です」
 同じ種類の、というです。
「生きものです」
「そうですね、やっぱり」
「はい、ですから先程お話が出来て何よりです」
「運がよかったですね、まさに」
「神様がそうしてくれました」
 先生は真喜志さんににこりとして言いました。
「本当に有り難いです」
「全くですね、では」
「はい、森に行きますか」
「道具を持って」
 そのうえでとお話をしてでした、先生達は森に向かいました。波止場から住宅地帯に出てそこから森に入りますが。
 その森に入るとです、先生は虫が多いことに気付きました。
「本土の森よりも」
「虫が多いですね」
「はい、数も種類も」
 どちらもとです、安座間さんに答えました。
「多いですね」
「沖縄は亜熱帯なので」
「虫の数も種類もですね」
「多いです」
 実にというのです。
「そうなっています」
「そうですね」
「はい、ですから」
「こうしてですね」
「虫が多いです、それに」
「それにですね」
「植物もです」
 森を構成している、です。 
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