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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第八幕その九

「あっ、丁度ね」
「ハブ君がいるよ」
「じゃああのハブ君にお話を聞いて」
「それからだね」
「うん、ハイを探そうね」 
 先制も言ってでした、先生は早速そのハブを呼び止めました。
「いいかな」
「僕に用かな」
「そうなんだ、君にお話を聞きたいけれど」
「お話を?」
「この島にハイという蛇がいるね」
「ああ、あの蛇達だね」
 ハブは先生のお話を聞いてこう返しました。
「島の真ん中の森の方にいる」
「あそこにいるんだ」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「ハイはね」
「実はこのことを聞きたかったんだ」
「ハイが何処にいるのか」
「そうだったんだ」
「教えてくれて有り難う」
「お礼はいいけれど。ただ」
 ここでこう言ったハブでした。
「気をつけてね」
「会うにはだね」
「あの森に普通に行ってもね」
 ただそうしてもというのです。
「人間には見ることすら難しいから」
「だからだね」
「ハイは慎重だから」
「隠れるんだね」
「そうだよ、しかも数がとても少ないから」
 このハブもこのことを言います。
「中々会えないんだ」
「やっぱりそうだね」
「けれどドリトル先生みたいな人だったら」
「僕だけれど」
「あっ、先生だったんだ」
 ハブは言われてはっとなりました。
「あらゆる動物のお友達の」
「僕のことを知ってるんだね」
「知ってるも何も」
 それこそというのです。
「先生は有名人だからね」
「沖縄の生きものの間でもだね」
「そうだよ、僕も知ってるよ」
 だから先生のお名前を出したのです。
「いや、まさかここで先生にお会い出来るなんてね」
「奇遇かな」
「本当にね、ただね」
「ハイに会うにはだね」
「先生だったらね」
「動物の言葉がわかるからだね」
「会えるよ、森の方にもハブがいてね」
 そしてというのです。
「そこのハブともお話をしてね」
「探せばいいんだね」
「ハイさん達の方も先生ならね」
 あらゆる動物のお友達である先生ならというのです。
「お話を聞くから」
「だからだね」
「うん、大丈夫だよ」
 ハブは先生ににこりと笑って言いました。
「会えるよ」
「それじゃあ」
「ただ、ハイさん達に会ってどうするの?」
 ハブはここで先生にハイに会う目的を聞きました。 
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