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メン・タンク・マッチ:MTM

作者:鷲金
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初動編
  MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Cパート 前半

 
前書き
メン・タンク・マッチ:初動編の第4話のCパート前半を掲載開始しました。

初動編は、主人公達がメン・タンク・マッチに参加するまでの話です。

予定では4話のCパート全てを掲載する予定でしたが、後半が未完成の為前半後半に分けて
掲載します。


*メン・タンク・マッチ:MTMはまだ未完成の作品のため、全てを一度に掲載することは出来ません。また、各話の修正などで更新が遅れる上、更新期間がランダムで投稿することになります。一応、最終話まで投稿する予定です。
MTMは20話以上の物語を予定しています。


*パソコンのトラブルにより、第4話以降のデータに問題が起きたため、一部喪失してる場合があります。確認された場合、後日訂正等を行います。


また、今後の更新も遅れる可能性はあります。次回の予定は未定です。  

 
ゲームが開始して15分程度が経った。
天桐とアルベルトが入っているPSPの側に置かれているモニターではゲーム全体の状況と
プレイヤー達を映している。
それを加埜は、ただ見ている。
ゲームを開始した時、
最初の彼は、軽く天桐を応援する気持ちだった。
だが、開始して数分程で自分もやってみたいという気持ちが出て来た。
しかし、今は苦戦する天桐をただ緊張しながら見守っていた。
(天桐)


シャーマンに向かって放たれた砲弾は真っ直ぐ飛んで行く。
(やられる)
天桐は向かってくる砲弾に恐怖した。
ゲームとはいえ 、自分に向かって砲弾を放たれる気持ちは余り良くないものだ。
そんな天桐の気持ちを無視し鉄の塊はただ真っ直ぐ突き進んで行く。
そして、
ドガァァァン
砲弾は直撃したのか爆発し、炎と煙にシャーマンは包まれた。
撃ったパンターのアルベルトは終わったと判断して操縦レバーから手を離した。
「よし、終わった・・・俺の?」
アルベルトは疑問に思った。
もう、ゲームが終わったはずなのに、WINNER表示がされないことを。
自分が開発したゲームのことは他の誰よりも知っている。
一瞬、バグなのかと思ったが、アルベルトはそれを否定した。
ならなぜ、ゲーム終わらないのかアルベルトは考えたが、その答えは直ぐに分かった。
「ん?」
爆発による煙がはれるとシャーマンの姿が顕になった。
その姿は、車体に火が付いていたり、傷や塗装がはげるなどのダメージが見えていたが、なんと撃破されていなかった。
更に、シャーマンの位置が撃った時より後ろに下がっていた。
「なぜ?」
アルベルトは疑問に思った。
一方、天桐は
「あれ?なんでやられていないなだ?俺」
天桐自身も何があったか分かっていなかった。
「くそ、バグか?ちゃんとデバックもしたんだがなぁ」
アルベルトはプログラム状の問題かと思ったらしいが真実は違う。そのことは天桐本人も気付いていない。
天桐が自分自身で砲弾の直撃前、咄嗟に後ろにレバーを引き後退したということを。
まさにギリギリの神業ともいえよう。
「えーい、こうなったら」
パンターの砲口がシャーマンに向き直す。
(ハッ!)
天桐は、瞬時にシャーマンは全速後退をしてパンターから距離を撮り始めた。
真っ直ぐからジグザク状に全速力で後退し、パンターに狙いが定めにくくさせて逃げていく。
逃げるシャーマンに再び、砲口を向け直す。動き続けるシャーマンを狙おうとしているが、
狙いが定まらない。しかし、パンターは砲撃を行ったが、弾は外れた。
「チッ」
アルベルトも少し焦り始めた。
再装填を待ちながらパンターも移動を始めた。
だが、シャーマンは住宅街の中に入り視界から消えた。
追跡を試みるようと思ったが、無駄に動くのを辞めた。
「くそ、逃げたられたか。まぁいい。ゆっくり仕留めるか」
アルベルトは、両手を操縦レバーから離し、腕を伸ばした。
「ふー。それにしても、今のは中々良かったぜトーシローにしちゃーよう」



あれから天桐のシャーマンは住宅街の中を走り、目立ちにくい裏路地に隠れて居た。
「なんとか、逃げ切れたか」
ここまで逃げるのに精一杯だったのか額は汗で溢れていた。
「あちー、この中、段々暑くなったな」
手で額の汗をふき取ると、モニターにある自車の現在の状況を確認した。
まず、車輌のダメージや残りの燃料と弾薬等が表示されている。
今だパンターの攻撃をまともに受けていないとはいえ。
もし、悪い所に命中すれば一発で撃破されるだろう。
一方、パンターの方は装甲の厚さに傾斜は、こっちが撃っても弾かれる上に中々効かない。
もし、普通に撃ち合ってもこちらの方が負ける。
(くそ、このままじゃ勝てねーよ)
天桐はただ悩むしかなかった。
ビィービィ―
「ん?」
突然、アラームが鳴り響いた。
画面を見ると通信回線が受信と表示していた。
「通信回線?」
画面に表示されたボタンを押すと
「よぉー。どうだ、俺の作ったゲームは?」
アルベルトの顔が画面に映り彼の声が聞こえた。
「え?・・・あぁ、すげーよ」
「だろ。いや、我ながら凄いものを作ったと思ってるさぁ」
「自慢話なら通信を切るぞ」
「いや、待て待てって。お前に話があんのさ」
「話?」
「あぁ、もうお前自身気付いていると思うが、この戦い。俺の方が有利で分かってるだろ」
「そうだな」
「だから、そんなお前に良い提案があるんだよ」
「提案?」
「もし、今ここで参りました。僕の負けです。許して下さいって頭下げて言えば。何でも言うことを聞くって約束なしでこのまま、家に帰ってもいいぜ。勿論、戦車は諦めてな」
アルベルトは勝つことを確信した上で天桐に自ら負けを認めさせようと言ってきた。
挑発まがいな言い方は、相手を馬鹿にして調子に乗っているのだろう。
だが、アルベルトの言うことは事実だ。
今のままではアルベルトの勝利は間違いないだろう。
天桐はアルベルトに比べ、ゲームの腕・戦車・知識で負けている。
更に、負けたらアルベルトの言うことを聞くという条件がある。
普通なら、ここで負けを認めて諦めることが賢い選択なのかもしれない。
「分かったよ」
天桐は答えた。
「よし、じゃあ」
「お前に絶対勝つ」
「・・・」
「話は終わりだ。」
アルベルトは、一時黙った。
「そうか、・・・分かった。じゃあ、本気で潰しにいく」
アルベルトはそう言うと顔付きが少し変わり、
ブチ
通信が切れた。
しばらく、沈黙となると
「フーーー」
天桐は息を吐いた。
そして、
(ぐわぁーーー。俺、何言ってんだーーー)
勢い良く両手で自分の頭を抱えた。
(今の絶対千載一遇のチャンスだろ。なんであんなこと言っちまったんだ。
謝ればそのまま無事に帰れたのに。どうするんだよ。絶対勝てねーよ)
天桐は頭をクシャクシャにかきながらそう心の中で叫んでいた。
(けど、やっぱ負けたくないよな。俺ってなんで、こう負けず嫌いなんだろう)
そう考えた。
(けど、このままじゃあ。アルベルト言う通り勝てねぇ)
アルベルトの言うことが事実であるそれは天桐自身分かっている。
(考えろ考えろ)
とにかく考えた。
(どんな戦車にだって弱点はあるはずだ)
頭が燃えるように熱くなっていく。
(確か、戦車について調べてた時、弱点らしいのがあったような、なかったような)
ネットで見たあるサイトのことを思い出した。
(重戦車について、確か装甲は厚いけど・・・)
「あ」
その時、天桐はあることに気付いた。 
 

 
後書き
続きのCパート後半は、掲載予定は現在未定です。
 
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