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メン・タンク・マッチ:MTM

作者:鷲金
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初動編
  MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Cパート 後半

 
前書き
メン・タンク・マッチ:初動編の第4話のCパート後半を掲載開始しました。

初動編は、主人公達がメン・タンク・マッチに参加するまでの話です。

予定では4話のCパート全てを掲載する予定でしたが、後半が未完成の為前半後半に分けて
掲載します。


*メン・タンク・マッチ:MTMはまだ未完成の作品のため、全てを一度に掲載することは出来ません。また、各話の修正などで更新が遅れる上、更新期間がランダムで投稿することになります。一応、最終話まで投稿する予定です。
MTMは20話以上の物語を予定しています。


*パソコンのトラブルにより、第4話以降のデータに問題が起きたため、一部喪失してる場合があります。確認された場合、後日訂正等を行います。


また、今後の更新も遅れる可能性はあります。次回の予定は未定です。  

 
アルベルトのパンターは住宅街の中にある大きな建造物内に隠れていた。
ここは、このフィールドで隠れるのに適したポイントであり、襲撃にもっとも守りやすい場所でもある。開発者であるアルベルトはそれを知っている。
「さぁて、そろそろ行くか」
動き出した。
パンターは既にシャーマンから何発かの砲撃を受けている。
しかし、装甲の厚さや斜面のお陰で貫通していない為、ほぼ無傷である。
シャーマンに比べて総合的に性能の高いパンター。
それを扱うアルベルトは、最早負ける気がしないのか堂々と街道を走る。
「さぁ、どこへ行ったかな」
天桐のシャーマン探しつつアルベルトは
(こっちが有利であるが念の為、警戒しねーとなぁ)
と警戒は怠らないように心掛けた。
そんな矢先に
ドガァン
「!」
突然、砲撃音が響いた。
すると、パンターの側に建つ建物に着弾し、瓦礫が崩れた。
アルベルトは、砲撃音や建物の崩壊した様子などから大体の方角に目を向けた。
数キロ先の少し地面が上がった場所にそれは居た。
「そこに居たか」
アルベルトは、天桐のシャーマンを発見したと同時に砲塔を向けながら、近づいて行く。すると威嚇のつもりでパンターも撃ち返す。
シャーマンはそのまま後退し、視界から隠れた。
(さーて、さっさと終わらせてやるか)
パンターは後を追うようにシャーマンに向かっていくが、罠に警戒する為、裏路地に回って行く。
すると住宅街の隙間から走るシャーマンが視界に入った。
アルベルトは、シャーマンの向かう方をマップで確認する。
「確か、この先は大聖堂のある」
パンターが走る道が段々上がっていく。
ここから先は上り坂になり、その先にこのマップで一番高い建造物である大聖堂が建つ丘という地形になっている。坂はそれ程急ではないが、重量の重い戦車にとっては登るのがキツイ上、場所によっては横転もする可能性もある。
そんな坂道を進んでいくパンターの先にシャーマンが全速力で大聖堂のある頂上を目指しているのを確認した。
(やはり向かうか)
パンターはそのまま速力を上げて頂上に向かった。


パンターが頂上に辿り着くと既にシャーマンの姿が無かった。
大聖堂のある周辺は頂上であるため、それ程広くないし大聖堂以外の建造物や遮蔽物がほとんど無いため、隠れることは出来ないようになっている。
(中か)
アルベルトはパンターで大聖堂の出入り口へと進み屋内入っていく。
この大聖堂は戦車が余裕で入ることが出来るように設計されていて、とても広い空間となっている。
大聖堂の内部は、外側が16本の柱と壁で、中心部を6本の大きい支柱が支えている構造になっている。
パンターが中に入った瞬間、
ドガァン
突然と砲撃音がした。
「?!」
ドガァァァン
砲弾はアルベルトでは無く側にある支柱に着弾すると爆発した。
「これは、榴弾か?」
アルベルトは発射した方向に向くと奥にシャーマンが待ち構えていた。
「よう、こんな所まで逃げやがって追う方の目にもなってみろ」
アルベルトは通信のスイッチを入れ、天桐に話しかけた。
「そりゃ、悪かったな。こっちも色々大変だったんだよ」
前方に居るシャーマンの天桐はそう答えた。
「まぁいい。それよりも、お前貴重な榴弾を外すなよ。せっかく俺を仕留めれるチャンスだったのに」
「あぁ、そうだな。てか、当たってもそれ程ダメージが入らないだろ。この距離で正面からのお(パンター)には」
「フフフ、あぁそうだな。」
「・・・」
「・・・」
二人は、しばらく無言が続いた。そして、
「行くぞ」
「来な」
天桐とアルベルトが、シャーマンとパンターが動き出す。
お互い時計回りに大聖堂内を走る。
ドガァン
シャーマンが撃つ。
ドガァン
パンターが撃つ。
お互い大聖堂内をぐるぐる回りながら射撃する。
だが、お互いしっかりと狙えていないのか当たらない。
お互いの砲弾は装甲を掠めるか壁や支柱に当たり崩れるだけ。
動きながら射撃して相手に当てる、俗に言う行進間射撃はプロでも難しい。
現代の戦車はコンピュータ制御によりより命中させることが出来るようになっているが、
それでも結局は、人間の目で、手で、撃つことはずっと同じだ。
コンピュータではなく手動で狙いを定めて当てるのは、とても当てることが難しいのは当たり前だ。
まして、それが相手も動くとなれば尚の事である。
それを建造物内で行っている二人。
お互い速度を変えたり止まったり、支柱に隠れたりなどを繰り返しながら激しい砲撃戦をやっていく。
そんな影響で、大聖堂内の壁や支柱が次々と壊されていき、上から瓦礫が少しずつ落ちてきた。


互いに撃ち合った砲弾は20発を超えただろうか
大聖堂内での撃ち合いが始まってから3分近くが続いた。
そして、ようやくお互いが同時に撃ち合うのを辞めて、停車した。
「フゥー。・・・いつまで続ける気だ」
「さぁな。お前に勝つまでかな」
アルベルトの質問に天桐はそう言うと、
「たくよ。お前の狙いに、・・・既に気付いてるんだぜ」
「・・・」
アルベルトのその言葉に無言になった天桐。
「この大聖堂を崩して俺を生き埋めにする気だな」
天桐の額の汗が頬から落ちていく。
「さっきから撃ってるのは榴弾ばかりだ。それも徹甲弾より弾数が少ないのだ」
「・・・」
「それを撃ち合いに使ってるのは、俺を早く倒すためだと普通は思うが、それは違う」
「・・・」
「ここの壁や支柱を破壊して俺を生き埋めにするつもりだろ」
「・・・バレたか」
「当たり前だろ。こんな単純な作戦、子供でも思い付くわ」
「・・・だよな」
「少しは面白いことでもしてくれると思っていたが、とんだ見込み違いだったようだな。」
すると、二人の間にいきなり大きな瓦礫が崩れてきた。
アルベルトは上を見ると屋根の真ん中の部分が落ちたのだと分かった。
「どうやらもう直ぐ崩れそうだなここは。」
アルベルトは前のシャーマンに目をやり直し
「それも右にある支柱を壊せばだ。」
パンターから見て右側にある大きい支柱が一本。中心部の最後の一本だ。
「それでお前は、これを壊したら後ろの出入り口から逃げるんだろ」
とアルベルトは右手の人差し指で天桐の後ろにある大聖堂で唯一の出入り口を示した。
「そうだ。既にバレた作戦だが、先にここから出れらるのは俺だ」
「確かにな」
アルベルトは、そう言って
「じゃあ、撃ってみろよ。天桐」
天桐を挑発した。
「あぁ、そうさせてもらうぜアルベルト」
シャーマンとパンターの砲は互いに向けていたのを向きを変えた。
シャーマンは支柱をパンターはシャーマンに向けたまま、少し角度を変えた。
そして、
<<ドガァン>>
互いの怒号が重なった。
天桐の砲弾は最後の大きな太い支柱に、アルベルトの砲弾は出入り口の上部分に命中した。
最後の支柱が壊されたことで大聖堂の揺れが激しくなり壁や屋根の一部分が次から次へと崩れていく。
一方、出入り口の上部分が壊されたことで崩れ落ち出入り口を塞いでしまった。
後ろの崩れた出入り口を見た天桐。
「お前。これじゃあ、お前も出れないぞ」
「あー、そうだな。そこからはな」
「何?」
そう言っている内に、大聖堂の揺れは激しくなっていき、内部のあちこちが次々と崩れていく。
「さーて、俺はとんずらするからな」
「え?」
天桐がアルベルトを見ると突然、パンターは勢い良く前方の壁に向かっていくのが見えた。
「お前」
(この大聖堂で一番壁が薄くてパワーのある戦車で突き破れるこの壁からな)
パンターはその壁を突き破った。
アルベルトは天桐に振り返って
「では、天桐。tschüs(チュス)」
と挨拶をした。それと同時に、パンターは壁から外へ勢いよく飛び出した。
大聖堂は丘の上のため、回りは少し斜面となっているが、
アルベルトの方は一番キツイ斜面となっており、崖に近い構造である。下は住宅街の一部である数件の家や木や大きな石などであるが、ぶつかってもそれほど問題はない。
それに、高さ30mもないこの高さから落ちてもパンターは大破しないことをアルベルトは分かっているからこそこれをやっている。
そのまま、パンターは空中を飛んでから落下していき途中から斜面に足をこすりながら、麓へと滑っていった。途中で石や木にぶつかりつつも、勢い良く滑り落ちるパンターは最後に一軒家で止まった。
「フーーー」
アルベルトは一息したその時だ。
大聖堂は突然、縦に崩れ落ちていった。
大きな音と土煙を起こしながら、いくつもの瓦礫の大群が頂上とその付近に落ちて行った。
「よし、これで終わったな」
アルベルトはパンターをそのまま停車させたまま、終わりを待った。
(・・・・・・?)
だが、何時まで経ってゲームが終了しない。
「うん?まさか、まだ生きてるのか?」
アルベルトはゲームが終了しない理由が、天桐のシャーマンがまだ大破していないのではと考えた。
このゲームのバグチャックはアルベルトがしっかりやっている為、バグではないとして残された理由はシャーマンが撃破していないからと判断した。
「仕方ない。とどめを刺しに、・・・あれ?」
アルベルトがレバーで操作するにもパンターが中々動かない。
(どうして動かない)
何度も操作して動かそうとしてるが全く動けない。
その理由、ここまで勢いよく下ってきたパンターの履帯が地面にめり込みすぎてしまった。更に、足に負荷をかけた為、足回りのパワーがダウンしたからである。
「くそ、履帯がはまったか」
必死に動こうと操作するアルベルト。
その時、何かの気配がした。
「うん?」
すると周りが急に少し暗くなった。
それは、日が雲で隠れたり落ちた訳でも、画面の画質が下がったからでもない。
何かが上にいるから暗くなった。
アルベルトがすぐに見上げた。そして、その正体が分かった。
「上だと!」
アルベルトの目先にいたのは自分に向かって落下する天桐のシャーマンだった。
天桐のシャーマンは真っ直ぐアルベルトのパンターに落下していく。
このままではお互いぶつかるだろう。だが、アルベルトのパンターは身動きがとれない。
(クソ。こっちが狙いだったのか)

天桐は考えた。
どうすれば、自分の戦車より強い戦車に撃破出来るか。
どうやれば、素人の自分が開発者であり経験のあるアルベルトに勝てるのか。
記憶に入れた僅かに積んだ戦車関係の知識を振り絞り必勝法を探し出した。
フィールドの地形を確認しつつ、頭の中で作戦を考えた。
そして、
(よし、それでいこう。)
それを実行するために必要な状況を作りに動き出した。
アルベルトに嘘作戦を誤認させ、相手を油断させ隙を作り、パンターを動けなくし、一番装甲の薄い上面に撃てるようにすると。

そして、
「くーらーえーーーーーー!」
シャーマンの砲から放たれた最後の75mm榴弾がパンターに真っ直ぐ向かった。
砲弾はそのままパンターの上面装甲を貫通し、そして内部で爆発した。
だが、落下していくシャーマンはそのままパンターに激突し、シャーマンもダメージを受けたことで大破となった。
それから10秒程時間が経過した。
お互い画面を見ながら黙り込むと
画面が少し変わり両者の画面に大きい黄色い文字で[DRAW]と表示された。
それを見た天桐は、
「・・・ひ、引き分け」
と口に出した。
一方、アルベルトは黙っていたが
「・・・フン」
鼻を鳴らした。


外で待っていた加埜は、試合が終わったのを見て、すぐさま天桐のいるポッドに駆け寄った。
するとプシューとハッチが開くと、中から汗だくの天桐が出て来た。
「ぐわぁー」
天桐は叫ぶと床に倒れ込んだ。
「おい、大丈夫か」
そんな天桐の側に寄って、加埜は様子を見た。
「あちー、すげー熱い」
天桐はヘルメットを外しながら
「み、水」
「え?」
「水くれ水」
「いや、持ってねぇーよ」
と水が欲しいという天桐にやりたくても持っていない加埜は困っていると。
「ほらよ」
と突然、天桐に飛んでいったものを天桐は反射的に掴み取った。
ミネラルウォーターのペットボトルだ
相手は、投げたアルベルトだった、彼も一本手に取りキャップを開けて水を飲んだ。
「プハー。熱いバトルの後の一杯はいいねぇ」
とそういうアルベルトに
「おい、この中すげー熱いんだけど、どうなってんだよ」
天桐がそう文句をつける。
「こいつの空調機能がまだちゃんと出来てねーんだよ」
とアルベルトは再びゴクゴク飲む。
天桐も急いで開けて水をがぶ飲みした。
お互い空になるまで飲み干すと。
「くそ、引き分けか。あと一歩だったのに」
天桐は悔しい顔をしながらそう言った。
「いや、お前はすげー頑張って」
加埜はただ励ますしかなかった。
「いや、違うな」
「え?」
天桐と加埜はアルベルトを振り向いた。
「このゲーム、・・・俺の負けだ」
アルベルトが突然、そう言い出したのだ。
「お、俺の勝ち?・・・だって引き分けって」
と天桐はアルベルトにそう言うと
「システムがそう判断したかもしれないが、先に倒されたのは俺だ。」
アルベルトは判定結果を消してそう撤回したのだ。
「じゃあ、俺の勝ちなのか」
「あぁ、お前の勝ちだ」
「じゃあ、戦車は」
「あぁ、約束だ」
天桐は立ち上げりアルベルトに寄って。
「信じていいんだな?」
「あぁ、男に二言はないさ」
とアルベルトは天桐を向かい合って言った。
「そうか。・・・そうか、やったのか俺」
天桐は嬉しさの余りか少し目が涙で滲んだ。
そして、右手で目を拭いて
「ところで、ア、四十院」
「アルベルトだ」
「え?」
「俺のことは、アルベルトと呼べ。正直、あまりその苗字で呼ばれるのは嫌いだ」
「そ、そうか。・・・じゃあ、俺のことは士良でいい」
天桐はそう言うと、アルベルト近づき手を差し伸べた。
「これから、よろしく頼むぜ」
アルベルトはそれに対して
「フッ。あぁ、期待しなリーダー」
と握手をした。
あれから隠し部屋から三人で最初に話したアルベルトの部屋に戻った。
「これで、戦車はどうになるか」
天桐はそう言って一安心をした。するとアルベルトが次の話題を持ち込んできた。
「で、お前のチームメンバーはどれ位いるんだ?」
「メンバー?」
「仲間だよ。一緒のチームメンバー」
「ハッ!」
天桐は戦車のことばかり考えていたのもあり、メンバーのことをすっかり忘れていたことに気が付く。
「あー、えーと、その。・・・まだ、・・・俺だけ」
天桐が目を泳がせてそう答えた。
それを見たアルベルトは
「ハァー・・・そりゃ、ないぜ」
と少しがっかりしたように見せた。
「・・・すまない」
そんな二人の横から
「いや、一人じゃねえぞ」
と加埜が言い出した。
「俺も居るぜ」
「え?」
天桐は加埜に振り向く。
「最初は、余り乗る気にはならなかったんだけどよ。ゲームとはいえ、二人の勝負を見てると、なんだか面白そうに思ってよ。俺もやってみようかなと思ったのさ。」
そう言う加埜に天桐は
「けど、お前は」
「いいから、俺も混ぜろ。それに戦車ってことは大砲撃つんだろ。大砲は撃ったことねーけど。シューティング系は得意だぜ」
と右手を銃を握るみたいのに似せて、そう言った。
「そうか、ありがとう」
「礼なんか言うな水くせー」
と加埜は自分の鼻を擦った。
「あとは、残りのメンバーか」
アルベルトはそう言って残りに必要な人材を確認した。
「戦車の製造や整備は、アルベルトに頼むが。一人では無理だよな?」
「やろうと思えば一人でも出来るが、時間的に厳しいな。手が必要だ」
「俺から柴田さんに頼んでみる」
「ほんとか、頼む加埜」
「ほう、あの人達なら俺様についてこれる実力はあるか」
それから三人で少しだけ今後のことを話し始めた。
それからしばらくして、二人が帰ろうとアルベルトと共に玄関に向かいドアを開けた。
外を見ると、既に夕日が沈みかけて暗くなりかけていた。
それを見た天桐は、長い時間もアルベルトの家に居たのだと実感した。
時計を確認すると既に午後の5時半を過ぎていた。
「もうこんな時間だ」
「いそいで帰らねーとやべーな」
と二人が先に玄関から出た瞬間
ガチャガチャガチャ
と例の黒光りで物騒なもの達があちこちから飛び出し、穴を天桐達に向けた。
「「あ」」
(これって)
(嘘だろ)
天桐と加埜は絶望的な顔をした。
バババババババ
全ての物騒なもの達が大きい音を出し火を吹いた。
「ぐわーー」
「うっ」
それに対して、二人は体を押さえ込みながら苦しそうに倒れた。
(あー、俺死ぬのか)
(なんだよ、これ。こんなで俺の人生終わるのか)
と二人は心でそんな気持ちを出していると後ろに居たアルベルトが
「あーわりーわりー。防犯切るの忘れてたわって、何やってんだお前ら?」
と倒れた二人に言った。
「何って見りゃ分かるだろ撃たれたんだよ。俺たちはもう駄目だ」
「くそー、こうなったらあの娘に全部言いたいこと言えばよかった」
「は?何言ってんだ。あれ全部空砲だぞ」
とアルベルトの言葉に天桐は
「え?」
と急いで自分の体を確認した。どこにも怪我はなかった。そして、後ろのアルベルトや回りを見て、何も壊れてもいない状況を確認した。
「嘘だろ。え、まじで空砲?・・・だって俺らが入る時、撃ったら壁に穴開けたじゃん。」
とアルベルトに言うと
「あーあれね。あれはだな」
ポケットからリモコンの様なものを取り出すと、例の銃弾が打ち込まれたはずの壁に向けてボタンを押した。
パァン
壁の一部が突然小さい爆発と共に大きな乾いた音と小さい煙を出した。
「「!」」
「映画の撮影とかで使っているものと同じトリックだ。これなら本物見たいに思うだろ」
とリモコンをしまうと
「それにしても、フフフ・・・お前らほんと面白いリアクションだったな」
そう言いながら笑うアルベルトに二人は
((こいつ、いつか仕返ししてやる))
と心の中で怒りといつか仕返しをしてやると思った。
そんなこんなで色々とあったアルベルトの家から離れていき。
「それじゃあ、また今度な」
「あぁ、準備して待ってるぜ」
天桐はアルベルトと挨拶をして、バイクの方へ向かった。


外に置いてある加埜のバイクの所に着くと
「ハァー、疲れた」
天桐は酷く疲れた顔で溜息をついた。
「全くだよ。昔からお前といると次から次へと何か起きちまう」
加埜がそう文句を言いながら、座席に置いてあるヘルメットの1つを天桐に渡す。
「そりゃ、悪かった」
とヘルメットを被った。
加埜がバイクに跨がりヘルメットを被るとエンジンを掛ける。
「じゃあ、帰るか」
「あぁ、帰りも安全運転でなぁ」
天桐が後部座席に座ると加埜はアクセルを回した。
 
 

 
後書き
予告:

ついに、戦車(の入手手段)とメンバーが二人も出来た天桐。
そんな次の課題は、残りのメンバー集めだ。
戦車に必要な最低限のメンバーや予備人員などを集めないといけなくなった。
そんな忙しくなる中、天桐にある人物が訪ねてくる。



*第5話の掲載予定は、現在未定です。
詳しい日付は後程報告します。  
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