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メン・タンク・マッチ:MTM

作者:鷲金
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初動編
  MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Bパート

 
前書き
メン・タンク・マッチ:初動編の第4話のBパートを掲載開始しました。

初動編は、主人公達がメン・タンク・マッチに参加するまでの話です。


*メン・タンク・マッチ:MTMはまだ未完成の作品のため、全てを一度に掲載することは出来ません。また、各話の修正などで更新が遅れる上、更新期間がランダムで投稿することになります。一応、最終話まで投稿する予定です。
MTMは20話以上の物語を予定しています。


*パソコンのトラブルにより、第4話以降のデータに問題が起きたため、一部喪失してる場合があります。確認された場合、後日訂正等を行います。

また、第4話目の投稿予定から2週間程遅れてしまいました。誠に申し訳ありません。  

 
隠し通路のようなところに入ると、足元の左右に小さい照明が点き出した。
そのまま奥へ、進んでいくと広い空間が出て来た。
中にはいろんな機械やコンピューターのようなわからない機材がたくさん置いてあった。
「ところで、何のゲームをするんですか?」
天桐はアルベルトの背中を見て聞く。
「コンピューターゲームさぁ。なぁに、時期分かる」
そういうとある場所で止まった。
アルベルトはたくさんある機材の中で青いシートがかかった大きな物体の目の前に立った。
「さぁーて、使うのは、俺様が作った」
青いシートを掴み。
「このゲームマシンだ」
シートを勢い良く剥がした。
「その名もPSPだ」
青いシートの中は高さが2m位ある大きな卵状の形をしたものが2つあった。金属のフレームにコンピューターみたいなので出来ているボディに無数のケーブルが繋がっている。
その物体を見た天桐はアルベルトに
「PSPって、携帯型のやつじゃあ」
「違う。これは、PilotSystemPodだ」
アルベルトはそのマシンを手で叩きながらいう。
「俺が作った操縦席型のゲームマシンだ」
「へぇー」
「でけーな」
天桐と加埜は余り驚いていないようだ。
「言っとくが、俺様の作ったこれは、最新技術を使ったゲームマシンだ。こいつは、試作品だが、既にあるゲーム会社と提携して2年後に発売を目指している」
アルベルトは自慢しながら鼻を高くする。
「さて、このゲームのソフトはと」
アルベルトはPSPの隣にあるモニターのPCで何かをしている。
「やっぱこれだな。よし、セット」
アルベルトが何かの捜査をするとモニターに
[パンツァー・ウォー]
と表示された。
「この戦車ゲームで勝負だ」
「戦車ゲーム?」
「戦車の大会に出るなら戦車で対決ぐらい出来ないでどうする。それも本物でなくゲームで出来なきゃ」
アルベルトはそういうとPSPにあるスイッチを押し卵状のゲームマシンの横のハッチらしきものが開いた。
「さぁ、この2番に入れ。俺は1番だ」
そう言われるがまま天桐はPSPに乗り込もうとする。中を見ると座席なようなものの上にヘルメットがあったので、それを手にとってから座った。
「じゃあ、まずはシートベルトを閉めな」
突然、中からアルベルトの声がした。おそらく中にあるスピーカーからだろ。
「あぁ、分かった」
天桐は返事をすると、シートベルトみたいなのが座席の両肩と腰にあったので閉める。
「よし、次はハッチを閉める。右にある赤いスイッチを押せ」
言われた通りに押すとハッチが閉じた。
「最後にヘルメットをつけな」
言われるままヘルメットを被りヒモをした。
「よし、説明を始めるぞ」
それからアルベルトにゲームマシンの操作方法を教えてもらった。
ゲームマシン中の座席周りの全てが球状の映像モニターとなっているらしく。周りの画面が光った。
ゲーム操作は、座席の左右にあるレバー・スティックやボタンの他に正面に小型モニターが上下に2つにボタンやスイッチ。また、足元にはペダルが2つあった。
次にアルベルトは、使うゲームソフト[パンツァー・ウォー]の簡単な操作やルールの説明をした。
シンプルな勝負をするため、対戦モードの1対1で行う。
勝利条件は、相手のHPを先に撃破した方が勝ちだ。
対戦するため、自分の使う戦車を選択する。
「このゲーム内の戦車は、本物の戦車をデータ化している。また、ゲームシステムも本物の臨場感を出すために、実際の戦闘データを使用している」
アルベルトはいろいろと細かく教える。
「使える戦車は、実在するもの。勿論、戦車道と同じ第二次戦のまでしかないがな」
「へぇースゲーな」
「それに加え、このゲームには、いろんなパーツや部品を使って、自分でオリジナルの戦車を設計して製造使用できる。も使える。ただ、時間もねぇし今回はなしだ」
「分かった」
そう言い天桐は自分で戦車を選んだ。
「よし、俺は選んだぞ。まだだ?」
「ちょっと、待ってくれ。どれにすればいいか分からないんだ。迷っちまって」
「たく、迷うならランダムボタンを押してCPに選んでもらえ」
「えーと、えーと。どれがいいかやっぱ分かんねぇ。戦車のことそんなに知らねぇし。えーい、もうこれでいいわ」
天桐は何かの戦車を選びOKをした。
すると対戦モードがスタートし出した。
「さぁ、始まるぞ。戦場は、CPが自動で選ぶようにセットしておいた。通信はこれで終わるぞ。あとは、戦場で会おう」
ブチ
アルベルトが無線を切った。
すると画面がまた変わり、これからやる対戦説明が出た。
対戦方式は、1対1での決闘式。制限時間はなし。戦場は自動で選ばれる。勝利条件は、先に相手を倒せばいい。と分かった。
すると、画面が戦場の映像を流した。
青い空に白い雲、山に囲まれた河に草原のあるヨーロッパ系の古い町並みだった。
[田舎町]と画面下に表示されている。
おそらく戦場の名前だろう。
戦場の画面が消えると早速。
画面に自分の選んだ戦車が出て来た。
天桐が使う戦車は、
[M4A1中戦車 75mm砲搭載型]
アメリカの戦車らしい。
パラメータを見るに平均的な数値らしい。
一方、アルベルトの戦車は、まだ分からない。
相手の戦車は互いに戦場で出会うまで分からない設定らしい。
そして、ゲームが始まった。

[START]

ゲームが開始されると天桐の周辺画面が明るくなった。
すると、景色が映り始めた。上は青い空で左右は森、前は一本道になっている。下の方には戦車と思われる一部分が見える。これは説明で言っていたものだと分かった。
どうやら、今はプレイヤーが戦車の外に顔を出している状態らしくて、これなら周りの視界が広いらしい。だが、射撃操作など戦闘時には車内に入らないと大変らしい。
更に被ったヘルメットには小型ヘッドホンがあり、ゲーム内の音である駆動音や森の葉や枝の音などが聞こえてくる。それに今自分が向いている方に合わせて周りの音の聞こえ方が変わるのが分かった。
他にも前にある小型画面には、上にMAPが下には自分の戦車の状態などが表示されている。
天桐のシャーマンは、MAPで確認すると東南の森の中の道からスタートしたらしい。
早速、レバーとペダルを使い戦車を前進させた。
「さて、どうしようか」
ゲームとはいえ、初めて戦車を動かしている天桐には、
戦車道いや、そもそも戦車戦というものがよく分かっていない。ネットや書籍で簡単に知ったこと、実際の戦車道の試合を動画や生で1度見ただけの完全な素人である。そのことは天桐自信が分かっているだろう。だから今は、どう行動をするべきか考えるしかない。
天桐はまず全体MAPを見た。今居る現在地と周辺の地理を確認した。今は森の中の道を走っている。向かっている前方5キロの先には町がある。
「まずは、取り敢えず町に向かってみるか」
天桐は速度を上げて町に向かった。
しばらくすると、町の門らしきものが視界に入った。
町に入ると町の建物はテレビや本類で見たヨーロッパ風の建物が多く並んでいる。
「へぇー、ゲームなのに再現度高いな」
天桐は少し感心し、町中の車道を走りながら左右の町の風景を観察した。
(さて、それよりどうすればいいか。町に入ったのはいいが、アルベルトが今どこにいるのか、分からないしな。)
天桐がそう考えていた時だ。
ドォン
(?)
今一瞬、左から重く乾いた音がした。
左を見ようとした瞬間、
ヒュン
何か速いものが前を通ったような音がした。
ドガァァァン
今度は、右から大きな音爆発音が聞こえた。
それと同時に右側から赤い光と煙が発生した。
「うわ!な、なんだ?!」
右側を見ると自分のすぐ近くの建物の壁に煙や火を出しながら穴が空いていた。
「こ、攻撃か」
いきなり攻撃をされた。間違いなくアルベルトだろう。
直ぐに撃ってきたと思われる左側を見渡す。
すると、左側に何かの物体が見えた。物体は、戦車だ。建物の端に隠れた状態で砲塔をこちらに向けている。
すると、正面画面に対象に合わせて丸いカーソルが出てきた。これは、車輌がある一定の距離内に視認できた場合、表示されるマーキングみたいなものだ。これで、相手の戦車や距離が出る。自分のカーソルが相手を視認すると距離が表示された。どうやら500m程度だ。次に相手の戦車が判別されて、正面画面の端に相手の戦車名や詳細が表示された。
[V号戦車パンターG型]
それがアルベルトの戦車の名前らしい。
その戦車の名前を確認した天桐は早速、戦車を動かした。
すると、同時に相手が2射目を撃ってきた。2発目は、今居た所に見事に命中した。天桐が早めに動いたお陰で、当たらずに済んだようだ。
「くそ、仕方ねー」
天桐は、相手の視界から隠れようと建物が多い中に入って行った。
「よし、これで狙えねーだろ」
天桐の咄嗟な一時しのぎのお陰かアルベルトはあれから攻撃をしてこない。
「それにしても、アルベルトの戦車はパンター?だっけ。確か?」
何かで見た記憶があった。戦車について調べていた時に、いろいろな戦車の名前を見てきた。その中にパンターという名前があったのだ。
(えーと、確かパンターという戦車は、ドイツの中戦車で当時の戦車の中では、攻撃防御、更には機動力も良い奴だったはず。そして、)
天桐はパンター戦車について知っていることを少しずつ記憶から出していく。
(それに戦闘能力では、えーと確か。パンター1輌を倒すのにシャーマン5輌がやられたとか。嘘だとかだったけど。1対ではシャーマンは負けるとか。・・・・・・え?)
知っている情報では、パンターとシャーマンが1対1ではシャーマンが負ける。
そして、自分の戦車はシャーマンであること。
「・・・ん!」
そう考えていると何かが近づいてくる音がした。
無論、アルベルトのパンターだろう。
建物の隅から砲塔を少しだけ出し、音のする方を見る。
見える先には、ここまで通ってきた道をパンターが走っている。おそらくシャーマンの足跡を追ってここまで来れたのだろう。このゲームは戦車の足跡もしっかり出る仕組みになっている。
(お、先にこっちが見つけたが相手は気付いていないな。チャンスだ。)
天桐は早速、砲塔を少しずつ動かし狙いをパンターに合わせた。
(よし、撃つぞ。)
トリガーにかけた指を強く引いた。
ドガァン
砲口から大きな光と音を発したと同時に黒い物体が飛び出す。
シャーマンから放たれた徹甲弾は、真っ直ぐパンターに向けて飛んで行く。
まだ、相手はこちらに砲すら向けていない。
これは勝ったと天桐は思った時、砲弾はパンターに当たった。
カァン
砲弾はパンターの車体正面の右に当たるもそのまま弾かれてしまった。
パンターは無傷のノーダメージ。
(く、くそ。もう一度だ。)
天桐は再装填中のマークを見ながら急げ急げと待っている。一方、アルベルトのパンターは天桐の砲撃により場所がバレたため、砲塔をこちらに向けようと動かしている。
「急げ急げ」
焦る中、装填が終了した。
(よし。)
もう一度砲撃をした。
今度もまたパンターをしっかり捉えているため、徹甲弾は真っ直ぐ向かった。
今度は車体正面の左に命中するが、これも弾かれてしまった。
「か、勝ち目ねぇじゃねーか」
天桐がそう喚く一方で、アルベルトは攻撃を受けたことで天桐のシャーマンの存在が分かると、砲塔を動かし狙いを定めようとしていた。
「フン。こいつの装甲はそう簡単に抜けるもんじゃねぇぜ」
狙いをシャーマンに定めると
「今度はこっちの番だ」
ドガァン
パンターの75mm砲の砲口から放たれた砲弾は、外に付き出ていたシャーマンの砲塔の左側面に命中した。
「まだまだ」
三発目の装填が終わった天桐は、撃とうと狙いをまた定めるが、パンターは左側の建物を遮蔽物として隠れてしまった。
「くそ」
シャーマンを移動させ、隠れた方へ向かう。
(よし、後ろから撃てばきっと。)
アルベルトのパンターの後ろを取ろうと後を追う。
パンターの足跡を追って行く。
真っ直ぐだったのが右の路地に入ったのが分かると、天桐のシャーマンも、右に曲がろうとした旋回したその時だ。
いきなり、3件程向こうの建物の隅からパンターが現れたのだ。
「あ!」
突然のことに天桐の頭は真っ白になってしまった。ただ、パンターを、こちらを向いている砲口を見るだけだ。
そう、パンターは待ち構えていたのだ。
アルベルトは、天桐が追ってくるのが分かっていたのだろう。
それを先読みし、罠を張った。その罠にまんまとハマった。
ドガァン
そして、パンターから放たれた砲弾は真っ直ぐシャーマンに向かっていった。
 
 

 
後書き
第4話はABCの3パートとなっております。
続きのCパートは、また後日投稿致します。
 
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