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新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~

作者:黒鐡
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2巻
  対勇者戦(3)

「あれ?一真はこっちに来てないの」

「我が主なら上空にて待機してます。まだ深雪様の戦いで経験値を手に入れる事で、澪と万理亜には見本として見せているのです」

「と言う事はそちらは決着が付いたのかな?胡桃ちゃん」

「まあね。それに今までの勘違いを和解した事で何時ものように一真兄ちゃんと呼べるようになった」

「五年前の悲劇を忘れたとしても、大切な人を守れるように強くなった証として五年生きてきた。私と胡桃は意味のない事はしていない」

と言う事で深雪無双による戦いと高志が持つ『白虎』でも無傷に近い、それに先程戦ったが胡桃にとって一真の生き様がどんなのかを知ったからだ。二人の戦いが終わった後、6対12枚の翼を持つ一真が行った後でも凄まじい轟音と衝撃が駅前にてあった。『白虎』が全力で放った一撃で生き残った者はいない、高志が深雪に全力を持った豪風を起こしたとしても深雪にとっては微風だろう。

「ふむ。深雪は手加減しているな」

『そりゃそうだろうよ、深雪嬢の本気を見せる時はこの世の終わりだと思うぜ』

「この世の終わりと言う表現はどうかと思うが、柚希も胡桃も高志も五年も経てば体付きも変わる訳か」

『分身体を知っているとしても、幼さがあった十歳の頃で今は一見十五歳だとしても大人の一真は面影がほとんどない』

「当たり前、分身体はあくまでこの物語の本筋を知る為である。変化を感じてきたとしても、最も変化があったのは柚希かもしれん・・・・笑顔を殺し感情を封じ込めてひたすら強くなろうと修行に臨み続けた結果が今に至る。戦闘を誰よりも苦手なのに壊れるぐらい己を追い込み続け、霊刀『咲耶』の使い手として正式に選ばれた程の成長を遂げた」

俺らは上空で見ていたが、今回はドウターゲートが出てこないので安心して観戦している俺がいた。6対12枚の翼を展開していたが、翼以外は人間体としている俺であるけど今も高志が諦めないよう深雪に霊槍で攻撃しようとしてもすぐに防がれてしまう。

(パワー)』『速度(スピード)』『(スキル)』『魔力(マナ)』の四タイプを持つ万能タイプである事で、スピードタイプの高志が相手したとしても万能にとって易々と捌く事が出来ていた。

「くっ・・・・!」

「何故攻撃が通じないか、貴方なら分かってると思いますが結界の西方として『白虎』の力を最大限発揮出来る。守護聖獣である『白虎』の力は、防御において真価を発揮する事で貴方への攻撃は全て『白虎』が感知して迎撃可能となります」

「確かに貴様が何人居ようとも俺にダメージを与える事は出来ん・・・・だが感知出来ない程の動きは人間業ではない。貴様は何者だ?」

「私の正体についてはお兄様から直接聞いたらどうですか?このまま諦めて首を差し出されても私が困りますから、澪達はそのまま見学していて下さいね。その先から一歩でも動くとどうなるか?分かりますよね、澪」

先代魔王の娘がすぐ近くに居ようとも、高志が直接澪達がいる所には行かせないのが深雪の仕事。魔族を滅ぼすべき存在で勇者はそれを遂行する者で、それを否定するなら使命を棄てた裏切り者でしかないようだと思われる。

高志は使命感と言うよりかは感情に任せて戦っているように見える。一緒に見ていた澪と万理亜らは、自分らを守る為に自ら前線に出ている義姉はとんでもない強さを持ったと改めて思っただろう。

「ふむ、こりゃ深雪の一方的な勝ちになるのかな?」

「鈴音さん!何時の間にいたの?」

「私はずっといたわよ、記録係としてビデオカメラを回していたからね。今後の報告と勇者の里にいる諜報員にも情報共有したいからね」

「うん?《里》には君達の仲間がいるのかい『里には第三者がいますよね、その人達は蒼い翼から派遣された人達ですよ』あーそう言う事か、道理で《里》にいる者で余所者がいたとしても溶け込んでいたようだしな」

「それに結界外には独立蒼翼黒鮫課のメンバーらが、結界内を監視しつつ低級はぐれ魔族を殲滅しているそうだな。蒼翼町にはほとんど殲滅させたが、ここら辺にいる奴らは澪の力で呼ばれている様子だが問題はない。あるとするならば、霊槍使いがリタイアするかまだ戦うかで決着を付けようとしているけどな」

刀花と鈴音が冷静に観察しつつ、結界外にいる低級はぐれ魔族を殲滅しているのが蒼翼町にいる警察官。唯一の独立課として存在しているが、蒼い翼からの諜報員もいるので幾ら勇者相手だったとしても問題ない。

結界内では深雪が纏っている鎧について説明後、高志が壁から出て来た所を見ていた深雪は静かにそちらを見ていた。まだやる気だが、そろそろ俺との対決を願ってると思って俺は上空から地上に降り立った。

「お兄様、そろそろ出番ですか?」

「ああ。そろそろアイツは俺とのサシでの勝負をしたいらしいのでな、だったら俺の手で葬る事もな」

「ぐっ・・・・やはり来たか。お前の妹は強いが、果たしてお前はどうなのだ?」

「舐めんなよ?俺は鎧を纏わなくともお前を倒せる力を持っている」

翼は既にしまっているので、高志と斯波以外には知られているが創造神黒鐵との戦いは負けだと思ったのが柚希と胡桃である。本来だと柚希が先に手を出し、消滅対象である澪を助けて自分の使命を忘れて魔族の味方をした事で敵として排除する。

勇者としてこの世界を守る・・・・その使命はあらゆる感情よりも優先される。『白虎』に数の利は通じなくとも万能タイプである俺と深雪ならば、攻撃感知をする『白虎』でも防御不能となる。

「ハハハ、お前の速さはそんな生温い速度だったか?」

「うるさい!黙れ!」

「いくら小僧でも俺に勝てるなど百年早いわ、これでも喰らいな」

「俺を小僧呼ばわりする事を後悔するがいい!唸れ『白虎』」

槍の先が光輝き、俺に向けて攻撃してきたが俺の障壁だけで防いでしまった事に唖然していた。剣対槍だと間合いが違うけど、いくら鉄壁の防御を持つ霊槍を使う高志であっても俺に倒す事など不可能に近い。

剣で槍の攻撃を捌き、速度をアイツよりも凌駕する事でこちらにブランクとダメージ無しで劣る理由などない。認める事が出来ない奴にとって、このままでは自分が動けずに攻撃出来ないと判断した事で自動防御と風の障壁がぶつかった瞬間に激しい衝撃が生まれて高志を吹っ飛ばした。

「あれまー、高志は『白虎』を暴走させたようだね。さてどうするつもりだい?一真」

「あれが白虎、巨大な獣でもあるけど槍の中に封じられていた力が解き放たれて本来の姿で顕在化したんでしょうね」

「襲ってこないようですが、恐らく『白虎』は守護獣なので敵と認識しなければ攻撃してこないんだと思います」

「敵って事は攻撃を仕掛けるか、不用意に接近しない限りは大丈夫でもここは大丈夫なの?」

「大丈夫です。もし結界の半分が『白虎』の力で構築しているならば問題ではありますが、この結界は私が張りましたからどんな攻撃にも耐えるようにしてあります」

一方俺はと言うと、高志が今考えていた事を心眼にて見ていた。それはまだあの事件が起きる前の出来事で、刃更と高志が模擬用の木で作った剣と槍で鍛錬していた。母親が見ていたが、模擬試合を終了後に何故勝てないのかを聞いていた。

『ったくよー、何でお前に勝てねーんだ?』

『それを俺に聞くなよ』

『俺もお前も同じ「速度(スピード)」タイプだし、お前のほーがチョイ速いけどリーチの差で補ってるはずだし条件は五分のはずだろ』

『知らねえったら知らねえよ、いい加減しつこい』

『ってゆーか、「チョイ速い」って刃更の方がずーっと速いし勝てるはずとか思てんの高志だけやんねー』

その後槍の先を刃更と柚希の頭上へ殴ったら、すぐに喧嘩を始める程かなり伸びてきた。刃更には一歩及ばずと、高志は刃更をライバル視して必死に隠れて訓練する程だから負けん気の強さは母親譲り。迅や清斗のような特別な人間への憧れを持ち、何れ皆が刃更中心に助け合いがあるかもしれんと今の魔族との休戦協定をきっかけに戦わない時代が来るかもしれない。

高志の兄である清斗は魔族との休戦状態に反対し、魔剣ブリュンヒルドの封印を解いた高志の兄は邪精霊に取り憑かれて暴走した。封印の守護者も皆殺しされた事で、訓練から帰る途中の子供達を見つけ襲い生命の危機として能力が暴走して邪精霊を清斗と一緒にいた子供・大人を全て消滅させた。生き残りは刃更と柚希のみで、自分らを守る為に教師達が先に斬られて子供達も全員。

《無次元の執行》バニシング・シフト、消去後では確かめようがなく高志も別行動で難を逃れたが唯一の肉親である母親を亡くした事で独り身となった。やがて刃更の処分が決定された事を聞いた高志は里からの追放、幽閉ではなく追放理由は迅が大反対して長老らが折れた事で一度は追い掛けたが結局一人。

兄である清斗と同じく頼れる者がいて、柚希には想う者がいて胡桃は家族がいるが母も憧れも消え去り目標だった親友も去って残ったのは己の武具。

『アイツは一人で強くなると決めて、必死に強くなった結果がこれか。誰にも負けない勇者として生きるとしても』

『勇者の中ではですが、行き場の無い感情を魔族への怒りと憎悪に変えて目の前の任務を全うする。唯ひたすらとなって勇者としての使命だけを信じ、ここまで来たとしても生きる道は一つでない事をアイツに知らしめますか』

「四神の力を制御レベルの封印を破った事で、高志は完全に呑み込まれて結界外へ出ようとするだろう」

「ですが一つだけ違うと言えば、結界を張ったのは『白虎』ではなくラードゥンが張った事で外には出れないでしょう」

「あの霊槍を破壊すれば、神獣としての概念を込められているのが『白虎』だから槍を破壊しても完全にその力を解き放つ事となる。全く、面倒な出来事に巻き込まれた事だけはあるな」

「で、どうするんだい?一真。あれだと完全に消滅させる技とか無いと無理だよ、例えば五年前まで持っていた技とかさ」

戦いを観戦していた澪&万理亜と斯波がこちらに来ようとしたが、斯波だけ前に行かせ澪と万理亜を障壁へと戻させた。代わりに刀花をこちらに来させて、強固な風の障壁を張っている事で傷一つ付けられるからだ。本来なら柚希が持つ霊刀『咲耶』で風の障壁を破って《無次元の執行》を発動させて消滅させる魂胆だが、ここは外史であり本筋ではないので俺の力を使うしかない。

「白虎を倒すには、まず澪や胡桃と言った魔力(マナ)タイプは無理。『白虎』の干渉を受ける精霊魔術師、または『(パワー)』を持つ万理亜なら可能性があるかもしれんが、肉弾格闘士の戦闘スタイルは接近戦となるので危険と判断。残った柚希でも可能性はあるが、ここは俺に任せてもらいたいね」

「と言う事は何か策があるって事?ウチならあの風を何とか出来るけど・・・・」

「策と言っても俺の正体を知る事になっちまうが、まあしょうがないと言っておこうか」

先代魔王の娘の監視と言う重要任務を単独で任せられた柚希の実力は、明らかにこの前とは偉く違う力を持っている。霊刀『咲耶』は富士の霊峰の力を凝縮した桜の神木の中から取り出されたブツで、自然破壊する恐れのある場所だと本来の力を出せる訳がない。周囲に被害が出ない結界内で、本領を発揮する事は出来ても現状を考えても出番はない事を知る。

「ラードゥン、結界を更に強固してくれるか?」

「現状で言えばそうではありますが、今回は致し方なしですね。畏まりました、結界を更に強固へ・・・・完了でございます」

「結界を強化したって事は一真の正体を拝めるのかな?」

「斯波恭一、俺の正体を知っても勝てるなどと思うなよ。正体を知ったとしても勝つ勝率など始めからゼロだったのだからな・・・・大天使化!」

目の前にいる白虎がビビッて下がると同時に大天使化した事で、今まで感じなかった力を前にして勇者達は吹っ飛ばされないようラードゥンの障壁内に居た事で無傷。6対12枚の金色を持った翼、髪と衣服までが金色となって目を開けるとオッドアイの緑と青が輝いていた。天使なら輪っかがあるけど、我は神族の上位神とされているから翼の数で分かる事だ。

「まさか一真が神族の上位神とはね、全く驚きの連続だよ。これが僕でも敵わないと言う証か」

「我の名は創造神黒鐵、異世界から来た神である。そして我が娘である深雪もそうだ『深雪も?それも妹じゃなくて娘?』うむ、女神雪音よ。姿を現せ」

「既に大天使化してますよ、お父様。我が名は女神雪音、お父様と同じく異世界から来た者です」

「創造神黒鐵に女神雪音!上位神の証として翼の枚数で分かるけど、まさか一真兄ちゃんが神様だ何て!?お姉は知ってたの?」

「うん。この前の戦いで知ったけど、この事は箝口令並みだから」

自己紹介していると白虎が怖気づいているのを見た事で、やはりと言うか幾ら神獣でも創った側がいる事で白虎が展開した風の障壁を破壊した。それも手刀だけの斬撃によってだが、鋭い牙で襲う事なくその巨体はまるで主を見た犬と同じようにこちらを見ていた。

霊槍に戻れと願うと、霊槍は封印前から封印後の状態となって暴走状態を完全に消し去った。暴走状態の衝撃をまともに受けた高志は、命に別状もなく意識を取り戻したが自身を除く敵と味方が全員揃っていて敗北を悟った。

「・・・・殺せ」

「テメエは何様のつもりで言ってんのか分かっていないようだな・・・・我と我の娘に向かっての態度は気に入らん」

「何だと・・・・俺は夢でも見ているのか、ここに神族が二名いるぞ!?」

「夢でもないけどこれは現実さ、高志。現実を見ると完全に怒りを買ったのはこちら側であって、《里》による警告を無視した僕ら側の責任だよ」

「貴様は我の娘を相手し、手加減してまで戦った感想を言おうか?簡潔に言うと弱い弱すぎる。人間や魔族と同じく弱すぎて話にならん。そこにいる斯波恭一の力を使ったとしても片手で防げる程にな」

そう告げてから我らを倒すべき存在と《里》が決定した以上、果たすのが高志の使命でだが命がある限り我を倒す事が不可能。一族を敵に回す事になったとしてもだ、神族の上位神に敵う相手はいると思うけど現在ここにいる者らでは倒す事は出来ない。

五年前俺が消したとなっているが、生まれ変わりとした転生をさせた事で全て解決した。それについては斯波恭一が分かっているだろうけどな。

「さて、話は纏ったかな?一真」

「本来ならここで死す事になっているが、我の名を呼んだとしても鉄槌は下りる事はない。勝負付いたからには、とっとと勇者の里へ帰れ」

「何を言ってるんだ・・・・長老達は成瀬澪を消滅対象にしたんだぞ。彼女を滅ぼすまで俺達の任務は終わらない。だからこそ『白虎』の使用許可まで・・・・」

「その決定なら、ついさっき撤回されたようだ。さっさと戻ってこないと神の鉄槌を喰らいたいのか?とね。長老達が下した《里》の正式な決定だよ。高志が『白虎』を暴走させた挙句、長老達が言っていた警告通りとなってあと少しで魂ごと持ってかれる事になってた。結界は壊れる事はなく、消滅対象への切り替えは彼女にウィルベルトから受け継いだ力の覚醒と言う兆しが見られただけ」

「俺からも言わせてもらおうと、澪自身が覚醒したとしても周囲に危害を及ぼす程でもない。現在澪を守護している者は、神族の上位神とも言われた者と戦って傷を与えてみろ。間違いなく我らを怒らせて勇者の一族が契約している精霊や神々、加護や恩恵が一切受けられなくなるかもしれん状況なのだ。流石にそれだけは不味いと思って、長老達クソジジイらの考えを変えたのだろうよ」

「バカな・・・・そんな事が・・・・っ」

聞かされた説明にそれでも納得がいかないのか高志が言った後、その場の空気が張り詰めたが俺と深雪らにとっては微風だろうね。こちらに来ようとした高志に向けて澪の重力制御を発動させた事で地面に向かって潰されようとしていた。これに関して俺らの警告を聞かなかった高志が悪い、澪が使う重力制御を使っても俺が使う代物よりも弱い。

「聞こえなかったのかな?高志。俺と斯波は終わりだと言ったはずだ、テメエの感情やら感傷もどうでもいいから黙って《里》の命令に従え。これ以上俺を怒らせるなら魂ごと消滅させるよ」

「今回は高志が悪いけどさ、解放してくれないかな?『良かろう、ただし一度目だけだぞ?』分かってるさ、僕は《里》に報告するけど恐らく彼女への殲滅指令は撤回されると思うし君と戦っても損だと言う事はこちら側だろう。さて胡桃ちゃんの勘違いも終わった事だし、柚希ちゃんも一緒に帰るよ」

「柚希、一度お別れだが何時かまた出会う日が来る事を祈ろう」

「うん。私も戦いが終われば一度《里》に戻って、ちゃんとした報告をするつもりだから」

「一真兄ちゃん、一時的でもまたこう呼んでいいかな?『俺の許し何かいるか、胡桃が呼びたければまた出会ったらそう呼べ』うん!」

こうして五年振りに再開した勇者の一族、高志・柚希・胡桃は斯波恭一と共に《里》へと帰った。俺達と共に結界外へ出てから、駅へと姿を消した後が厄介であった。結界内にてドウターゲートが解放し、ゼットンが出て来たので準備運動にもならなかった戦闘を開始してすぐに終わらせた。 
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