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ドリトル先生北海道に行く

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第十幕その六

「自分の身体で体温を調整出来るけれど」
「恐竜さんだと出来ないんだ」
「爬虫類だから」
「この辺り違うんじゃないかって説もあるけれどね」 
 その爬虫類はというのです。
「恐竜も変温動物だったんじゃないかってね」
「そうした説もあるんだ」
「何かその辺り諸説あるんだね」
「学者さんの言うことって同じ生きものについても色々だけれど」
「あれこれ説が出るけれど」
「そうなんだ、そうした説もあるよ」
 恐竜は実は変温動物だったのではないかというのです。先生がお話するにはそうした説もあるというのです。
「けれど基本的にね」
「恐竜も爬虫類だから」
「やっぱり寒いのは苦手で」
「この湖にいるかっていうと」
「疑問なんだ」
「この湖の性質もあるし」
 お水が酸性であり生きものの住みにくい湖だということもというのです。
「恐竜かな、クッシーは」
「じゃあ鮭の方が?」
「シホレさんの言う様に」
「そっちの方がなんだ」
「有り得るんだ」
「そうだろうね、アイヌの伝承であったし」
 大きな鮭のそれがです。
「有り得るかな」
「鱒や他のお魚というお話もありますね」
 そのシホレさんも言ってきました。
「中には」
「そうですね」
「本土にもそうしたお話があります」
「あります、熊のお話もです」
 それもでした。
「ありますよ」
「そうなんですね」
「年老いた熊が妖怪になったりとか」
 先生はシホレさんにそうしたお話もしました。
「そんなお話もあります」
「熊が妖怪にですか」
「鬼熊といいまして馬や牛を襲う様になります」
「そうしたお話ならアイヌにもあります」
「実際にもですね」
「この北海道では」
「あの事件ですね」
 先生は緊張したお顔になってシホレさんに尋ねました。
「苫前の」
「あの事件は私達も聞いています」
「北海道では知らない人はいないとか」
「大和の人も私達もです」 
 アイヌの人達もというのです。
「聞いています、私も子供の時に聞きました」
「あっ、言ってたね先生」
 チーチーが気付きました。
「昔そんなことがあったって」
「うん、羆が村を襲ってね」
 トートーはチーチーに応えました。
「何人も死んだって」
「熊一匹でなんだね」 
 老馬も驚きを隠せません。
「何人も殺されるなんだ」
「普通ないわよね」
 ガブガブもそれはちょっと、と言うのでした。
「そこまで酷い事件は」
「ジェヴォダンの野獣も数年かかってだったから」
 こう言ったのはホワイティでした。
「一日とかそんなのでそこまで犠牲になるのはないよね」
「ううん、相当怖い羆だったんだね」
 ジップも怖いものを感じています。
「あらためて思うと」
「というかそんな熊実際に今いたら」
 ポリネシアが言うにはです。
「すぐに退治されるわよね」
「仕方ないね」
「そうしないとね」
 チープサイドの家族もそれは仕方ないと言います。 
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