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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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転生天使にラブソングを
  第七天にある神の間×対ドウター戦での慰安旅行

アーシアとゼノヴィアの二人に天使の仕事を見せた後、俺とシスター・グリゼルダは一緒に天界へ向かった。今回の報告書とゼノヴィアに関する説明書を貰いに行ったが、第一天に行く時の容姿が自動的に大天使化だったので創造神黒鐵として視察のように来ていた。報告はすぐに済むが、説明書に関してしばらく掛かると言われたので第七天にある『システム』を見る為に神の間に行ってた。

「これはこれは創造神黒鐵様ではありませんか、ここには何用で来られたのですか?」

「やあガブリエル、我は第六天に居ると思っていたがここにいるとはな」

「ついでに言えば私もおりますよ・・・・ここに来られたのは『システム』に関してですよね?」

「ミカエルもいたとは、我がここに来たのは他でもない『システム』に用があって来た。第一天にシスター・グリゼルダと一緒に来た事に関して知っているけど、下界で悪魔二人が天使の仕事を見学していた。ガブリエル、我と一緒に来てくれ」

「畏まりました、黒鐵様」

月一での『システム』チェックを怠らないようにしてきたが、対ドウター戦からシャルロットに代わってミカエルが点検をしていた。ま、我が復活後はシャルロットの死を秘匿していた訳だが冥界での対ドウター戦において表舞台に立てた前四大魔王と元神。

第七天にある神の間=『システム』があるけど、月一でのメンテナンスを人間界で活動してる時にミカエルから我がメンテンスをする事となったからだ。

「『システム』専用コンピュータールームは我以外の者は触れて無さそうだな」

「そりゃそうですよ~以前はミカエル様がやっておりましたけど、今では黒鐵様がやらないとバグやらイレギュラーが発生していると修正しないといけません」

「我が来た時はシャルロットがやっていたが、その後一時的にミカエルがやったとしても中枢機関までは無理だろうな」

「そう言えばシャルロット様はお元気でしょうか?私は大運動会以来お会いしてませんが」

次元の狭間本家で元気にしていると言ってから、電源を入れてから『システム』を起動させた。OS起動してから、デスクトップ画面が出て来た後にシステムチェックと神器に関してのチェックを一つずつしていた。マニュアルキーボードでプログラムを打ち込むし、その他に関してバグやら不要ファイルを消去しといた。

「ざっとこんなもんか、神器もだが神滅具も基礎よりもイレギュラーが発生している」

「そうですね。黒鐵様も何故かは分かりませんが、神滅具赤龍帝の籠手を持ってます。本来人間にしか持てない神器ですし、神滅具は神をも滅ぼす程の力を持っています。ところで黒鐵様はシャルロット様の事、今まで秘匿していましたが生きていた事に関しても何故?と疑問にはありますね」

「三大勢力戦争までは良かったが、二天龍のバカ二匹のお陰で前四大魔王と元神が死んだとされていた。それにだ、死んだ事を秘匿にしなければ冥界悪魔領の現魔王が誕生する事はなかった。『バカ二匹とは俺とアルビオンだろ』そりゃそうだ、だがアレがあったから今の魔王があるからな。それにもし生きていたとしても、テロリストやら未来で起こる事がカットされるのは勿体無い」

「だからなのですね、それとシャルロット様が生きていると知った事で今まで一緒におられたのですか。そして黒神眷属入りだと知った私の恋心は『我はガブリエルが好意を持っている事を知っていた』黒鐵様」

キーボードでのシステムチェックを終わらせてから、ガブリエルが我の事が好きだった事に関しては知っていた。シャルロットやルシファーも異性として見ているし、ガブリエルも自由に恋をしても構わぬと言ったら我に抱き着いてきたついでにキスをしていた。

やはりと思ったが、ここは神の間であると同時に我の部屋でもある。我が来るまではシャルロットの部屋であったが、今では我の部屋として機能しているのでたまに私物を持って来ては自分の部屋のように飾っている。

「今は誰もいないが、このままシていいのか?それも相手は我で?」

「私は今まで恋すらした事もありませんでしたが、黒鐵様と初めて会った時から何かしら恋を抱いてしまいました。シャルロット様とは相手しているようですが、黒鐵様が相手ならば堕天しないと聞きました」

「他でもないガブリエルの頼みならばしょうがない・・・・ここではなく寝室に行こうではないか」

「はい黒鐵様」

コンピュータールームから寝室に行く時、お姫様抱っこしながら堕天しないように特殊な結界を張ってからガブリエルの初めてを貰った。ガブリエルの裸を見た者は今までいなかったが、我とガブリエルだけの秘密となった。時間としては相当経過しているが、天界と人間界の時間軸は違うから行為後に神の間にある風呂場で一緒に入ってから第六天へ戻った。

「おや、随分と時間が掛かったようですが何かありましたかな?」

「何、ガブリエルが我の事を好いていると告白されてな。しばらく恋人のようにしていたが、この事に関してミカエルとガブリエルだけ知っている事だ。三大勢力に告げたらどうなるか分かってるよな?」

「なるほど、ガブリエルから何かしらのオーラを感じますが了解しました。彼女の体に触れた男はいなかったが、やはり黒鐵様は特別のようですなぁ。その事に関してはご安心を、黒鐵様との秘匿を口にするとどうなるかは承知しております」

「私は今までシャルロット様に嫉妬しておりましたが、黒鐵様には全てご存じだったようでした。なので私のを貰ってくれましたわ」

第七天である神の間から戻ったが、第六天にあるゼブルにはミカエルしかいなかったので上で何してたのかを話した。そしてこれについては我と二人だけの秘密としてそのままテラスがある所で、庭園となっているがセラフ専用とされている。

そこに座ると女性天使にコーヒーを頼んでしばらくここで談話していた。最近の出来事と言えば冥界であった事などだったが、主に我の復活劇で我専用神殿があったから復活出来た。

「・・・・そのような事があったから復活出来たのですね」

「まあな~我らがいた基地本部に神殿が無ければ復活する事はなかったかもしれん。前にも言ったが、我は異世界から来た事は知っているが一度神殺し系統の武装で死にかけた事があってな。その時はヤバかったが、異空間にある神界に浄化した事で復活出来た教訓となった」

「だから時間が掛かったのですね~私達も黒鐵様がどうやって復活したか気になっていましたが、何ならここか冥界に神殿でも作った方がよろしいかと」

「まだだな、我の目的はあくまでドウターの殲滅だ。もしこの世界に平和が来たら眷属内の女性と結婚式やるつもりでいるが、その時になったらガブリエルも加わると思うよ。その時が来たら招待状を送るさ」

しばらく話していると下界では夜となったので、我は天界から人間界本家へ戻ったがゲートから潜ったのかゼブルが誤作動しそうだった。リビングに行くと織斑一真のままだったので、容姿は私服のままとなっていたがイリナもとっくに戻っていたようだ。俺はいつも通りとなったが、リビングに客がずっと待っていたと聞いて行ったらアザゼルがいた。

「よう一ちゃん、イリナの仕事から野暮用にとどこかへ行ってたようだが何処に行ってたんだ?」

「しばらく天界に行ってた。ゼノヴィアの説明書と第七天にある『システム』点検をな、アザゼルの用件は何だ?」

「『システム』点検か、まあいいとして今度グレモリー眷属と一緒に慰安旅行行く事となった。目的地までは決まってないが、俺としてはサーゼクスの用を聞きに来たついでだ。蒼い翼冥界支社に一度行ってみたいそうだ、冥界悪魔領でも堕天使領にも存在が知られているがどこにあるのか分かっていない。だったら蒼い翼CEOである一ちゃんなら知ってると思ってな」

「温泉旅行か、確かにグレモリー眷属には迷惑かけたしな。だが蒼い翼冥界支社の場所に関して知っている者は一部であって、現魔王のサーゼクスさえも知らないからな~。だが冥界にあるから一度は現魔王を招待したかったんだ、だから明日にでも行ってそのまま慰安旅行に行くか。場所に関してもこちら持ちで決めさせてもらう」

「話が早くて助かるぜ、現魔王や俺でさえも知らない領地にあると朱乃から聞いたからな。じゃ、俺とサーゼクスで蒼い翼冥界支社に行くが慰安旅行については次の土日に空けとくからな~」

と言う事で明日は蒼い翼冥界支社に招待する事となり、次の土日に慰安旅行をグレモリー眷属と黒神ヴァーリチームと英雄チームと婚約者と一緒にいる事となった。待ち合わせ場所を人間界本家とし、容姿を織斑一真のままとなってスーツを着ていた俺と秘書服を着ていた朱璃。しばらくすると来たがサーゼクスとアザゼルのみだけかと思ったのだが、昨日天界で話していたミカエルも一緒だった。

「アザゼルとサーゼクスは来ると知ってたが、まさかお前も来るとはな~」

「ここは三大勢力トップとして一度は行ってみたかったのですよ~、今回は織斑一真としてですがこの場合どう呼んだらいいのですか?」

「ビジネスネームを使う場合は社長兼CEOをしているだけですが、冥界支社に行くとなれば零CEOと呼べばよろしいかと」

「そんじゃ俺の車で行くとしようか、朱璃は助手席で三人は後ろの席に座ってくれ」

車庫から出した俺の車に乗ったミカエルらと俺らが乗ると、ゲートで一気に冥界魔王領まで行った。ここまでは知っているが、蒼い翼が管理している特殊ゲートに到着後にIDカードを提示した俺。

「おやおや、零CEO自ら乗っているとは」

「そりゃ俺の車だからな、ところで最近はどうなってるんだ?」

「冥界悪魔領と堕天使領に行きたい者は兎も角、人間界に行きたいと言う者が特に多いですね。ですが、それに関してまだ承認されてないので零CEOの耳に届いていないのかと」

「それは初耳だが、とりあえず蒼い翼冥界支社に行ってから検討してみようと思う。冥界悪魔領と堕天使領ならIDカードだけだが、人間界ならパスポートが必要だからな」

俺と特殊ゲートの門番と話してると後ろにいるミカエルらは、門番を見ても悪魔ではなく他種族の者だと思ったらしい。ま、ここの門番は蒼い翼関連の者や今から行く所に住んでる者でもIDカードと監視カメラと本人確認の網膜認証が必要となる。全て終了となったので、特殊ゲートが開いた事で発進してからしばらくトンネルだったけど灯りが見えると我が領地へ到着となった。

「こ、ここが蒼い翼冥界支社がある領地ですか?何やら領民は悪魔以外の種族がいるようですが」

「冥界と言っても悪魔と堕天使以外の種族がいる領地など聞いた事がないぞ!あそこを見ろ、天使と人間がいると思えばまるで『アース』のように見えるぜ!」

「ここが冥界とは思えない程だけど、ここは本当に冥界なのかい?一真君」

「冥界ゴールデン・ウイング領へようこそ、三大勢力のトップよ。ここは冥界であって冥界ではないが、悪魔領と堕天使領の裏側にあると思えば良い。それに『アース』のモデルとされているから、他種族が満載な所だがここは隔離された領地とされている」

そんでしばらく領民を見ているが、確認するだけで種族が数えられない程の多さに驚いていた。天使・悪魔・堕天使・人間もいるが、例えば吸血鬼・猫又・雪女・雪男などは原作ではない程の容姿をされている。雪女と雪男はイエティのようにゴリラではなくヒト種とされているし、吸血鬼は弱点克服してるし猫又は女性ばかり。エルフやダークエルフもいるが、単に肌の色が違うかだけだ。

「ここにいる者らは半分が人間で半分は他種族でされているが、蒼い翼冥界支社に働いている社員は営業以外が他種族とされている。冥界悪魔領と堕天使領に行く時は、容姿をコーティングする事で外に出れるようになっている」

「なるほど、一見悪魔や堕天使に見えたとしても中身は違う種族なのですね」

「冥界にいる種族と容姿が180度違うし、例えば雪女だとイエティとされていてゴリラとされているがここにいる雪男と雪女は美男美人とされている。人魚は魚に人間の脚が生えた姿の魔物ではなく、ヒト種であり全身に鱗が付いているとかだな」

「容姿に関して俺も普通だと思ってたが、本当の容姿を見るとここが異世界だと思ってしまう程だ。エルフやダークエルフも剣術が得意だし、暗黒面かだがここだと肌の色が違うだけのようだな」

「他にもヴォーリアバニーやキャットピープルと言うのもいるし、魔族ならワーウルフや狼族とグールにオークもいる。数え切れない程の種族がいるが、詳細はタブレットで見てくれ。朱璃、種族に関する項目を出してくれ」

助手席にいた朱璃に指示を出すとタブレットで出した項目を開いてから、後ろにいるミカエルらに渡した。種族はとても多いが、ラミア・ハーピー・ケンタウロス・スライム・人魚にアラクネと言った種族はとある漫画通りとなっている。他を言うなら単眼種(モノアイ)鬼人(オーガ)・ゾンビ(リビングデッド)と説明するにも何時間掛かるか分からん。

「天使・悪魔・堕天使・人間はいいとして、私達でも知らない種族もいるんだね~。中には絶滅危惧種と言われている種族もいるけど、ここでは普通にいるんだね」

「他種族間交流法と言う法律があってな、人間社会に溶け込んで文化交流をしている。ここと人間界で発布された法律で、それを知っている者は特別に発行されたカードを持ってないと強制送還とされてしまうのでね」

「ですが蒼い翼冥界支社が管理しているので、私達が管理など出来ないでしょうね。いくら天使・悪魔・堕天使が和平しているとしても、他種族とはまだ和平やら同盟を結んでない勢力もいますからね」

「そろそろ到着するので、タブレットをお返し下さいませ」

喋ってると蒼い翼冥界支社が見えてきたので、タブレットを返してもらい門番にカードを見せてから駐車場に行った。そんでVIP専用エレベーターで向かうが、ここでは三大勢力トップが視察しに来たと言ってあるから社員は普通に接して来る。

受付に行かないで直接エレベーターに乗るけど、営業で行っている社員からの報告を聞いていた。やはり人間界へ行きたいと嘆願書があるらしく、審査してから承認する事になるがこれに関しては厳しく見ないとな。会議室に行くと支社長がいたので、俺はいつも通りにしていた。

「零CEO、お待ちしておりました。そしてようこそいらっしゃいました、三大勢力トップであるミカエル様・サーゼクス様・アザゼル様。私は蒼い翼冥界支社長をしておりますが、零CEOと同じく人間ですので」

「初めまして、天使長のミカエルです」

「冥界四大魔王の一人であるサーゼクス・ルシファーです」

「堕天使総督をしているアザゼルだ、よろしく頼む」

そんで冥界ゴールデン・ウイング領の全体図を見ると悪魔領と堕天使領よりも広大であり、首都は存在しないが蒼い翼冥界支社がある所を首都のようにしている。そんで次来る時は、各トップに発行されるIDカードを配布する事となった。

ただしここに来る時のアポが必要であり、事前に蒼い翼冥界支社に連絡を入れていなければIDカードがあっても行けないようにしといた。そんでここに来てから、オフィスを見学したが社員のほとんどが他種族となっているし各フロアに温度と湿度に合せて各種族が安心して仕事をしている。

「暑い所から寒い所もあるが、これに関しては種族別の配慮となっている。もし他フロアに行く時は、共有フロアで待ち合わせしてから行かせている」

「それと社員が着ている服もただの服ではありません。着用している人間の周囲の気温を調節し、暑い環境や寒い環境から極地環境でも活動出来るエアコンスーツとされていますよ。我が社のブランドとしているので、人間界でも極寒から極暑な場所でも一切汗や寒さを感じないようなっています」

「俺達と一ちゃんらの服では機能付きの服装と言う事か、それに関して欲しい技術であるが今後の参考として堕天使技術でやってみるか」

「技術に関しても我が社と関連した傘下会社から工場まで管理してますし、技術提供したいのなら支社長さんに言えばやってくれます。零CEOが承認しない限り、技術提供はしませんけどね」

冥界ゴールデン・ウイング領で夕方となったので、ミカエルらの視察を終了させてから今後は支社長と部長らと仲良くなった。今後来る時用の端末アドレスを教えといてから再び車に乗り、魔王領へ戻ったらまだ昼だったので時間軸も違うと知ったミカエル達。そんで解散してから次の土日に慰安旅行に行くんで、目的地をこちら持ちなので明日の放課後に部室で全員揃ったら発表する。

「リアスらも知っているが、次の土日に慰安旅行に行く。この間の対ドウター戦で、あの戦いで心身共に疲弊していると聞いたから温泉がある所に行こうと思っている」

「それに関してはいいけど、場所によっては私やアザゼルも承認するわ」

「一息つくと言う訳ではないが、皆に英気を養ってもらうプランをリアスも立てていたそうだ。大きな事件が立て続けに起きて、グレモリー眷属の疲れもピークだそうだからリフレッシュも兼ねている。場所は伊豆であり、待ち合わせ場所は朱乃の家に集合な」

「伊豆ならば、俺もそこに行こうと思ってたが宿に関しても一ちゃんに任せる」

二学期に入ってからの事件を思い出しても、結果として戦力強化した事で軽く思い出す。旧魔王派のテロ、悪神ロキ襲来に修学旅行で英雄派での戦いもそうだがそれと同時にヴァーリチームと英雄チームが誕生した訳だ。

旧魔王派もルシファー達が生存しているんで、計画に賛同してくれたし英雄派は京都で構成員と共に牢屋にぶち込んだが改心した。その後冥界全土を巻き込んだ対ドウター戦、テロと戦闘のオンパレードだったがグレモリー眷属にとって奇跡に等しいぐらい全員生きている。

「ところで一ちゃんに質問だが、ヴァーリらも一緒なのか?」

「今まで裏舞台でサポートしていたが、表舞台に立てた事でルシファー達次元の狭間本家の者らと一緒に旅行に行くそうだ」

「ルシファーの孫がヴァーリだもんな~今までの事件や騒動での修羅場や死線と思われたが、一ちゃんら黒神にとって今までの鍛錬によって修羅場潜ってたもんな。と言う事は一ちゃん以外は別行動か?」

「まあな。ちなみにグレモリー眷属にとって、修羅場と死線を潜って体や心のどこかに傷ついても不思議じゃない。日程さえ決まればあとは俺に任せろ、手配はすぐに済むし待ち合わせ場所を朱乃の家にしたのは人間界本家より近いからだ」

「ま、そうだな。一ちゃんの家は駒王町の外れにあるしな、と言う訳で次の土日に伊豆に行こうや」

こうしてオカルト研究部と俺とイリナとレイヴェルは、伊豆一泊二日慰安旅行が決行された。ちなみに姫島家であるバラキエルと朱璃も一緒に連れて行く事にしたが、その提案をしたのは俺であり今まで家族旅行は余りした事がないと聞いていた。次の土曜日、早朝から快晴なので良い旅行日和となっていた。

俺とイリナが乗るフェラーリと桜花が乗るワゴン車、一見車に見えるがスナイプ・ゼロと量産機のスナイプ・ゼロワンがトランスフォームしている。姫島家で集結していたが、朱乃サイドで集まっていたが全員旅行準備を整えて姫島家の門前に集まっていた。先行させていたレイヴェルからの会話を聞きながらだった。

「私、一度は伊豆に行ってみたいと思ってみました」

「あらあら、レイヴェルは一誠さんの眷属だからてっきり行った事があると思いましたわ」

「黒神眷属入りになってから、しばらく忙しかったので。全国の有名観光地に行きたいですが、蒼い翼関連からの仕事を副業としてやってますわ」

「・・・・伊豆のお魚は美味しいからとても楽しみです」

「きっと観光地の食べ物は美味しいと聞きますからね、そろそろ来るはずですわ」

私朱乃が話していると祐斗さんとギャスパー君が到着し、リアスとロスヴァイセとアザゼル先生も来た。集合時間になっても一誠さんらが来ない事に疑問を持つが、母様からだと少々遅れると連絡が入った。すると教会コンビであるゼノヴィアから会話が聞こえてくる。

「・・・・てっきり、魔法陣で移動かと思ったら車なのか」

「車で伊豆まで行くんだが、俺らが用意すると告げると一ちゃんらが用意すると聞いている。レイヴェルからは何か聞いてないのか?」

「一誠様が乗るフェラーリと護衛者である桜花さんが運転するワゴン車での移動だと」

「一ちゃんが乗っている車は確か金属生命体だった気がするな、俺ら堕天使技術でも不可能と言われた技術を持っている」

そのように話していると遠くから車の走行音が近付いて来るが、赤・青・銀の目立つフェラーリが高速で角を曲がってきた。姫島家の門前で急停止したが、赤・青・銀の目立つスポーツカー。扉が開くと中から現れたのは、私服姿の一ちゃんだったが一つ違うと思ったのは普段の容姿ではなく織斑一真としての容姿だった。

「待たせたな、ん?何不思議な顔をしてるんだリアス達は」

「恐らくだけど兵藤一誠としてではなく、別の容姿として来たから混乱してると思うよ一真君」

運転席と助手席から出て来たのは織斑一真とイリナだったが、少し遅くにワンボックスカーが到着した事で今回伊豆の海岸線をドライブするようだ。ようやくフリーズから復活したリアスらだったが、何故容姿変更をしたのか質問されたが答えは簡単だ。

「答えは簡単だ、兵藤一誠だと駒王学園の生徒から見ると年齢疑惑される。なので今回大人としての俺だが、名前で呼んでくれよ?アザゼルはいつも通りで構わんさ」

「ま、呼びやすいからいいとしてこの車は速そうだな。悪魔の仕事で金を貯めてこういう車を買おうかな」

ゼノヴィアがそんな風に興味深そうにフェラーリを見ていると、二台で行く事となり荷物はワゴン車に載せる。青いワゴン車だったが、ロスヴァイセとアザゼルも免許持っている。オーディンの元お付きだったから、各種色んな資格を持っている才女でアザゼルもだが自動的に持っている。

「桜花が運転するワゴン車と俺が乗るスポーツカー、どちらに乗りたいかは二択だ。俺が乗るスポーツカーは五人乗りで、ワゴン車は運転者入れて最高十人まで乗れる」

「俺は断然一ちゃんの乗る車に乗るが、ドライブテクニックを一度は見たいと思っていた」

「私も一真が乗る車でもいいぞ。スリリングなドライブも悪くなさそうだが、速度は圧倒的に出そうだ」

「飛ばす気満々だが、人間の法定速度には当てはまるので今回は高速のみ速度出せるけどな」

周りの皆は悩んでいたが、朱乃らの姫島家は俺が乗る方に来た。なので自動的に他の皆はワゴン車に決まったので、ゼノヴィアも乗りたかった様子だが渋々ワゴン車の方に乗った。桜花を始めとしてリアスら女性陣と祐斗ら男性陣も一緒とあって華があるけど、今回の運転席を真ん中から左に変更した。助手席にアザゼルとなり、後部席に朱乃らが乗るからだ。

「改めて見ると一見普通の車に見えるな」

「そりゃそうだろうアザゼル。今回運転席を真ん中から左に変更したが、理由はアザゼルが見たいテクニック披露の為だと思ってくれ。それにしてもバラキエルと朱璃に朱乃が俺の車に一緒とはな」

「最初は別々に乗りましょうと思ったけど、蒼い翼秘書でもある私を筆頭に護衛である主人と娘である朱乃と仕事に関して話しておくから」

「なるほど、朱璃は蒼い翼社長秘書をしてるしバラキエルは護衛兼父親としてか。それに蒼い翼関連の事をリアス達と一緒に乗せたら企業秘密が言えないからか?」

「そうだと言いたいですけど、私としては今回家族旅行として楽しみにしてましたからな。グリゴリから有給休暇を使ったのは久し振りでしたし、一真さんとの旅行と言うのも新鮮ですからね」

乗車完了となり、先に桜花が運転するワゴン車が発進する。後部座席の窓から白音、レイヴェル、イリナが手を振っていたが俺らも発進の為にカーナビを起動させて画面が出てくる。俺がボタンを押した瞬間、スナイプ・ゼロの悪戯なのかボンネットが開いてDXが持つキャノン砲が姿を現した。

『サテライトシステム起動と共に、半径一キロ以内に存在する友軍はただちに避難・・・・』

「何やってんだゼロ。悪戯もいいが、俺が操作しないで勝手に武装を晒すな」

俺が注意するとボンネットから出てきた武装をしまうが、アザゼルから見れば俺らの技術を晒した訳だから質問が飛んだ。

「この車はサテライト兵器まで搭載しているのか?堕天使サイドでも作れるが、ハリウッド映画でもよくある事だよな」

「まあな。基本的俺の命令でしか動かんようにしているが、さっきのはゼロの悪戯とした搭載兵器。それが逆にアザゼルの質問が飛んでくると知っていたゼロだ、空は飛べるし水上も走れるしゲート解放でどこでも行ける。武装もあるが、余り話すとアザゼルの研究魂に火を入れる事となるから話さないからな」

屋根にはミサイルやキャノン砲も出せるし、ライト部分に小型ミサイルとガトリングガンが搭載されている。サテライト兵器にミサイルを積んだ車に乗りたがらないリアスらだったから告げなかったけど、桜花が運転しているワゴン車も同じ機能が付いている。

「そんじゃ出発するが、軽いジョークをする程のゼロだが基本的に俺が運転する時は変な事はしないさ」

「俺的にはパワーブースターがあると思ってたけど、速度は結構出せるようだな」

「当たり前ですわよ、いつもだと運転される側でしたが今は運転する側としてウキウキしてますからね」

「それと黒神眷属は箱根へと向かったから、あちらは電車でこちらは車なのは俺的の気分だしな」

エンジンは高性能らのを搭載してるし、法定速度は守るが緊急時にはそれ以上の速度を出す事も可能。姫島家を旅立って二時間半ぐらい経過するが、高速に乗ると多少は出せるので速度を出してみた。爆走状態であるし、桜花が運転する車も爆走してるが休憩として入るとワゴン組の皆もだが相当速い速度を出してたらしい。

「お、見ろよ。海が見えてきたぞ」

「そのようだが、あちらは貸し切り列車で行ったとは。ヴァーリらが羨ましくてしょうがないぜ」

「しょうがねえだろ、アザゼル。あちらは結構な大所帯だし蒼い翼が関わっているし、人間界を満喫したい次元の狭間本家組にとっては新鮮なのさ」

「住んでる所が次元の狭間だと聞いた時、俺は驚いたがよくよく考えると最初に知り合ったのが真龍なんだよな。あそこは全てを無にしてしまう空間だが、守護結界とアグニから提供された土地を使ったまで」

ヴァーリらはルシファー達を連れて箱根温泉に向かったし、恋姫・大江戸・IS・ヴァーリ・英雄の各チームもたまには休みを入れるので次元の狭間本家は誰も居ない。人間界本家に居る者らは、ブラック・シャークの女性隊員だから非番とメイドとしての仕事と任務がある。窓を開けてドライブを楽しむ俺とアザゼルだったが、後ろにいる姫島家の話を聞かないようにしていた。

「で、宿はどこなのさ?」

「宿は蒼い翼関連がやっていて、今回は貸し切りとなっている。人間だけなら兎も角、悪魔や堕天使がいるからな」

「俺はてっきり伊豆の山に入るもんだとばかり思っていたが、違うみたいだな~」

「山には入るが、秘境と言われた温泉旅館として運営している。今回は事前に連絡を入れているから、俺ら以外の客は来ていない」

車はそのまま山に入り、街道を突き進むが山奥ではなくヒトもいる所に今回の宿が現れた。周辺一帯は山と木々しかないが、本来だとヒトで埋め尽くされている温泉旅館は従業員しか気配を感じ取れてない。

純和風で古風とした趣で、リアスらはほんのりと頬を赤くしていたが朱乃は予想内の反応だった為なのか。リアスのストッパー役としてここに来させているので、今回はそのままにしておけと言ってある。

「車はそのまま空間に入れとくから、駐車場に停める事もないから便利だ」

「私としては駐車テクニックを見せたかったのですが、今回だけですからね一真様」

「お帰りなさいませ、オーナーに皆様」

そう言ってきたのはこの宿の女将である清洲景子、IS外史では『花月荘』の女将で歳は三十だが容姿は若々しい女性とされている。ここでも反映されているのか、宿もそのまんまでもありここら付近としてはちょっとした有名人。本来だと着物姿の妖怪みたいな老婆らしいが、ここでは違うから一安心。

「やあ女将さん。今日はコイツらが厄介になるが、貸し切って悪いな」

「いえいえ、オーナーからの連絡が来た事で事前予約を後程に回したので気にしてないですよ」

「俺はてっきり悪魔や堕天使が贔屓にしている宿かと思ったら、想像以上の宿なんだな。それも一ちゃんがオーナーって言うのも何となく納得出来ちまう」

「女将さんは今流行りの山ガールでもあるし、普段から人間が主な客層となっている。秘境温泉でもあるが、一応人払いの結界を張っているから今だけ人間が来ないようにしている」

山ガール女将に挨拶をしたリアスの表情が笑顔のまま凍り付いたが、視線の先にいたのが銀髪のグレイフィアである。

「ごきげんよう、皆さん。先にこちらでお待ちしてました」

「ようグレイフィア。急に呼んで悪いと思っていたんだが、格好から察するとメイドオフのようだな」

「はい。今回オフを頂きましたので、学生達だけの旅行は色々と危険だと判断した一真様の企みによって今回は引率として参りました。一真様が私を呼ぶ事に関しても怒っていないので迷惑だと思ってないから大丈夫ですよ、大人の一真様と護衛者の桜花さんとアザゼル様とロスヴァイセさんだけでは足りないとね」

淡々とグレイフィアがそう言ってから、凍り付くリアスの真正面まで来て一言告げた。

「リアス、まさか旅先でハメを外そうなどと思ってはいなかったでしょうね?」

半眼でリアスにそう言うグレイフィアだったが、リアスは図星のようなリアクションをしたのか体を反応させていた。バラキエルと朱璃も大人だが、今は朱乃と話しているし監視出来ないと思ったからだ。グレイフィアが真正面から言うが、正直俺らが言うべき台詞のような気がした。

「高校生が温泉旅行の名目で想いを完遂させるなど、百年早いですね。何時も言ってますけど、殿方と普段の生活で成就させなさい。殿方との旅行で盛り上がるのはそれからでも遅くありませんし、一真様とは部長と部員だけと言う関係だと聞いています」

「それを言うなら千年早いと言いたいわ、グレイフィア。ま、今日は無礼講と言う事にしてグレイフィアも女子達と混じって温泉に浸かるのも良し。日頃の疲れを取って冥界帰るまでの間、俺とアザゼルも自由行動しとくんでお前さんも少しは癒しが必要だろう」

「本来ですと私はサーゼクスに悪影響がある貴方にも色々と話さなくてはならない事が山のようにありますが、一真様からの命ならば今後の事も一真様が話し合ってもらえると幸いです」

「俺、グレイフィアに悪い所を摘まれる予定だったのかよ。一ちゃんには感謝しかないな」

俺の肩に手を置いて感謝されたが、今後の予定として摘まれてもよかったが今回俺が見ているから心配ない。グレモリー眷属は男女に分かれるが、俺とアザゼルに桜花はオーナー室に向かったが姫島家である三人だけの部屋もあるので、家族旅行としての気分を味わってもらう為にな。オーナー室と言っても俺一人分ではなく、三人まで泊まれるようになっている。

「ここが俺らの部屋なのか。和洋室で、マッサージ機やテレビも最新式とは」

「まあな。ここはオーナー室とされていて、桜花も一緒だが問題ないだろう。部屋にも温泉付いているが、ここの温泉は最高だからな」

「今回私は護衛として来ましたが、もしもの事があったとしてもすぐに対処してみせます」

「そう言えば桜花はブラック・シャークの隊員で、人間界本家のメイドやってたよな?」

「ブラック・シャークの女性隊員によるくじ引きで決まったからな~今頃人間界本家と国連軍日本支部にいる者らは羨ましがってるだろうなー」

部屋の風呂にもテレビが付いているし、普通なら驚く所満載だが余り驚かないのが何とも言えん。この部屋より豪華な所は人間界本家と次元の狭間本家の自室やグレモリー城の部屋とかだし、大浴場には各種温泉やら岩盤浴があるので一日中ここにいられる。観光もいいが、この宿を貸し切りにしたので自動的に混浴風呂もある事を軽く話したけどな。

「私は朱璃さんの所に行きますが、一真様はどうされますか?」

「俺?アザゼルと一緒に各種温泉に入って岩盤浴に行ってから、マッサージ機で疲れを取る事にする。桜花も自由に行動していいからな」

「流石一ちゃん、じゃ早速ここの温泉にでも入りに行こうぜ!」

宿の寝間着浴衣を着てから俺が案内して、ここの温泉を満喫していた。風呂場は沢山あるし今は夕方前だから自由行動出来る。俺とアザゼルは、事前に言って頼んでおいた熱燗を乗せた木桶を浮かべながら御猪口で乾杯していた。

「普段はダメだが、今回だけだからな温泉入りながら酒を飲めるのは」

「露天風呂入りながら一回はやってみたかったが、今回飲めるとは思わなかったぜ。これも一ちゃんに感謝だな」

「飲み過ぎも注意だから熱燗一本だけにしといたし、今頃アイツらはどこで何をしてるかだな」

「おうよ、これを飲んだら次は岩盤浴にでも行こうぜ」

熱燗一本飲んでから寝間着浴衣を着てから、岩盤浴は汗を一杯かくのでコーヒー牛乳を飲んでから互いに寝た。数十分後になると汗びっしょりとなったので、タオルで拭いてから水分補給しといたが寝間着浴衣は汗びっしょりだったから予備ので着替え直した。あっという間に夕飯前となってたが、ゼノヴィアとイリナによる卓球対決をやっていた。

「天使には負けん!」

「私だって負けないわよ、一真君直伝で鍛えられた卓球で勝たせてもらうわ!」

大浴場近くにあるゲームコーナでお決まりの卓球勝負をしているのは、浴衣姿のゼノヴィアとイリナで激しいラリーを繰り広げている。ちなみに俺とアザゼルはバラキエル&朱璃での卓球勝負をしていたが、結果としては引き分けとなって今に至る訳だが。

「お二人共頑張って下さーい!」

「・・・・レイヴェル、これ美味しいよ」

「頂きますわ、白音さん。ぱく・・・・これはとても美味ですわね」

見学しながら応援を送るアーシアとゲームコーナーに設けてあるソファで温泉饅頭を食べ分けていた白音とレイヴェル。普段から同じクラスとして仲が良い一年生二人でもあるけど、人間界本家にてハイブリッド・ピースとなってから更に仲良くなった様子だ。

「あぁぁぁぁあああああああぁぁ・・・・いい・・・・」

震えた声を出しながら気持ちよさそうにしているロスヴァイセだが、マッサージ機は最新式なのでどんなコリでも使用後は俺直伝並みに気持ちの良い顔をしている。声が若干ヤバいような気がしたが、ここにいる皆は思い思いに温泉旅館を満喫しているようだ。祐斗とギャスパーは温泉に入ってるし、リアスとグレイフィアは岩盤浴を堪能しているんだと。

「皆さん、お食事の用意が出来ましたから宴会場にて来て下さい」

「お、出来たか。と言う事で夕飯を食いに行くぞ」

混浴風呂に関してまだ誰も入ってないらしいが、俺は深夜にでも入るとして伊豆での新鮮な料理を食べていた。グレイフィアと朱璃にはコラーゲンたっぷりの料理を食べていたが、大人の女性として桜花も入って一緒に互いの愚痴を話していた。ここの露天風呂は男湯と女湯で仕切りされているだけだし、温泉に繋がっているので仕切りを越えると桃源郷になる。

「女湯を覗く気更々ないが、混浴風呂には大人が誰かいるかもしれん」

『おいおい、いいのか相棒?』

「何だドライグ、俺は大人だし混浴風呂にいたとしても知り合いがいるだけだろう」

『ま、そうよね。もしかしたら女将さんが入ってるかもしれないしね』

女子と遭遇確率が皆無な浴場で、もし覗き魔がいるなら男湯に入って女湯を覗く方が確実と言う。脱衣場前には『混浴』と書いてあるので、女将さんか誰も居ない確率が高い。混浴風呂の脱衣所から誰かが入ってる気配を感じないが、俺としては大人なので量子変換機で腰にタオルを巻いて大浴場に入る。大きな風呂が一つに、奥に露天風呂も備え付けられている。

「ま、誰も入ってなさそうだし混浴だとしても入りたがらないだろう」

『私としては一緒に入りたいけど、誰かが居れば楽しくなりそうね』

「そう言う事で、ここは男湯で我慢するか」

と言う事で脱衣所を出ようとすると誰かが入って来たが、長い銀髪と黒髪を降ろしてたグレイフィアと朱璃との鉢合わせだった。

「グレイフィアと朱璃、誰かと思えば意外な組み合わせだな」

「あらあら、これはこれは一真様でしたか。混浴風呂に入るとしても、男性は限られてましたけどやはりここにいましたか」

「朱璃は事前確認しないからですよ、ですが私も確認を怠るとは迂闊でしたが一真様で良かったです」

「とりあえずここにいないで、入るなら入るで服を脱いで来いよ。俺は先に入ってるからな」

俺は想像通りの現状となったが、とりあえず隣にティアと小型ドラゴンのドライグとサマエルを召喚して一緒に入っていた。グレイフィアと朱璃は脱衣所でタオル姿となって掛け湯をしてから隣で一緒に温泉に入ってた二人だが、何やら酒を少し飲んだのか頬が赤くなっていた。しばらく入ってると頭を洗う俺に続き、グレイフィアと朱璃も同じように洗い場に座っていた。

「二人は何やら仲が良いのだな」

「私とグレイフィアには共通点として、互いに結婚していて夫がいるからですよ」

「そうですね。互いの夫に関して愚痴を零していると何時の間にか仲が良くなりましたし、一真様も私らの気持ちに関して理解していると思ってます」

「サーゼクスはオンオフの切り替えをする魔王で、バラキエルは一見武人だが夜ではどうだったかな。ま、二人の全裸姿はレアな光景だが俺以外の男共には見せたくない光景とも言える」

俺も全裸となっているが、二人は恥ずかしがらずに全裸となり体を洗っていたがちらと見れば二人共ナイスバディ何だよなー。胸は桃香並みにあるし、一人は雷光のバラキエルの妻であり一人は最強の『女王』とされているサーゼクスの妻だ。

二人共、夫よりも強い存在感ハンパねえが俺としては別に何ともない。奏もだが、一夫多妻制を許した時点で恐れる必要性はない。

「私、サーゼクス以外とは入った事ありませんでした」

「それは私もよ、主人以外と入った事あるとするなら一真様ぐらいでしょ」

「ま、もしここに覗き魔がいたとしても許された者である俺としては複雑だな」

「変な気持ちを持ったとしても、いつも相棒は女が入ってても一緒に入っても誰も嫌がらないのが不思議だぜ」

結果として俺らと入っても何も問題ないので、桶に入った湯で体を流しながら朱璃とグレイフィアは俺の背中を流していた。頭は洗ったので次は体だが、先に背中を洗った俺なのか礼として一緒に流してくれるそうなんだと。

グレイフィアと朱璃の体は一言で言えば極上お姉さんボディであり、一切タオルで隠す気は更々無さそうだし白い肌でマジで子供一人産んだ肉体か?と質問したくなるがそれは奏も同等だと思った。

「二人に背中を流してもらえるとは思わなかったぜ」

「あらあら、私としては蒼い翼の秘書をやらないか?と誘われた時からお礼をしたかったのですが、今回はこれで勘弁して下さい」

「こうして見ると一真様の体は傷やらシミやら一切ないように見えますが、怪我をした事はあるんでしょうか?」

「朱璃をスカウトしたのは俺だが、働いてる分とても助かっているのは俺の方さ。それと怪我とかは昔に結構した事あるが、何時したのか覚えてないよグレイフィア。創造神黒鐵と名乗る前から記憶が曖昧でね、奏と知り合った時期から記録されているがな」

ごしごしと背中をタオルで洗ってくれるが、二人で交代しながらで鏡越しに映るとしても何も見ていない。それに頭上にはドライグがいるし、ティアは隣で背中を洗っている状態だ。背中から腕、太もも辺りまで洗うがそれは俺がティアに洗ってるのと同じコースだが何を考えたのか二人共、胸で背中を洗って来た時は流石に理性が飛ぶかと思ったわ。

「グレイフィアに朱璃、余り胸だと理性が飛んでしまうんだが」

「あらあら、これはワザとですわよ。今更理性が飛んだとしても主人は許してくれるでしょうに、グレイフィアの方は大丈夫なのかしら?」

「私は朱璃の提案でやっているに過ぎないけど、サーゼクスでもやった事ないのに。でもサーゼクスだって許してくれるはずだわ」

「今度は私が胸で一真の背中を洗ってやりたいけど、あとでね一真」

「おいおい、勘弁してくれ」

俺の背中が広い事で、正直な感想を言っていた二人だったが俺だったらもし襲われても問題なさそうな感じであった。人生の先輩なのかそれとも大御所だからか、逞しい背中であってグレモリー眷属にとれば強敵を倒してきたとしても俺としてはドウターの方が厄介だと思っている。

「では私と朱璃の背中を流してもらえないかしら?」

「そうね。今度は私の背中を流してもらえると嬉しいけど、二人同時だとどうなのかしら?」

「本来なら一人ずつだがしょうがねえからティア、朱璃の背中を流してやってくれ。俺はグレイフィアの背中を流そうと思う」

「分かったわ一真。朱璃のタオルを貸して」

魔王の奥さんでファーストレディの背中を流せる男がここいるとしたら、俺だけかもしれんしドライグとサマエルは温泉で泳いだり浸かっているからな。二人の笑みに関して俺は堪らん程可愛いが、高校生目線だとやはり年上お姉様は最強なんだと言いたいのかもな。女性の背中が小さい事に関して知っている俺なので、タオルを小さくして背中を洗わせてもらった。

「いくら最強の『女王』と言われても、女性の背中には様々なもんを背負っていると思うな」

「私としてはそうですが、一真様はもっと背負っていると思いますよ。サーゼクスの師範であり、別勢力の総司令官やら黒神『王』でもある前に創造神黒鐵様ですからね」

「女性は化粧によって化けるとも言われてるけど、一真様は容姿によって親しみやら頂点を立つオーラがあります。朱乃もハイブリッド・ピースになってから、貴方の義妹よりもリードしてると聞いてるわ」

「確かに私はあの子の義姉であり、グレモリー家のメイドでしょうけど今はプライベートですし一真様は両方とも呼び捨てで呼ばれる事に誇りを持っています。ですが義姉としては、少し複雑でありますが何時か朱乃と同じハイブリッド・ピースとなると私は思います。さて、お湯に浸かりましょうか。温泉ですし、混浴風呂の意味がありませんから」

湯に浸かる俺とグレイフィアと朱璃にティア、そして途中から入っていた桜花だった。温泉の効能は知っているが、気持ちよさそうに素直な感想をそれぞれ言った。俺の隣には銀髪の淑女に黒髪の淑女、それと蒼い髪を上げているドラゴンのティアと茶髪の桜花。

「そう言えば今更ではありますが、この間はミリキャスが大変お世話になりました」

「ウチに来たのは良かったが、まさかルシファー眷属が揃うとは俺も思わなかったぞ」

「あの後、サーゼクスと再教育しましたがあの子もとても喜んでいたので満足でした。あの子の出生が特別でしたし、他の子供達のように自由が約束されている訳ではありません」

「ウチの朱乃もだけど、一時は姫島家や他の輩から狙われましたけどグレイフィアの子もよね」

「魔王の子供と言うだけで大人達は特別視するからか、今後待ち受けているのはミリキャスが思っている以上だと私は思うわよ」

朱璃やティアの言う通り、今後の事を考えるとプレッシャーに押し潰されないように逞しく育ってほしい。俺も助けられるフォローがあればしたいし、するとグレイフィアの顎が、俺の肩に乗ってきた事でそれを真似する朱璃であった。サーゼクスもミリキャスも朱乃も俺とプライベートを有意義に過ごしてきたのであれば、ここにいる者らにも有意義に過ごしても誰も文句は言わん。

「男にとっては有意義だが、誰も見ていないのがラッキーかもな。大人同士での楽しく過ごすには、これと言った考えは皆無だ」

「一真様にとって言えば奏様の代わりかと思えばよろしいかと」

「桜花の言う通りですよ、今ここにいないリアス達では過ごせない事は大人の特権ですわよ」

「官能的な目で言って来ても説得力ないが、俺としては有意義に過ごさせてもらう。そう言えばグレイフィアの家族はどうなったんだ?」

「死別、または生死不明です。過去の旧政府と反政府の内線でルキフグス家の者は実質私しか残りません・・・・遠い昔ですし、私としては新たな家族と貴方がいる事でとても幸せなのですよ」

グレイフィアには確か弟がいたはずだが、確か本来起こる出来事にチラリと見たがいずれ出てくるだろう。グレイフィアの新たな家族とは、サーゼクスにミリキャスとリアス。グレモリー家のケルディムとヴェネラナである義父と義母、そしてルシファー眷属だからな。

「神の未来予知では、何時かルキフグス家の者が出てくると俺はそう思っている。だが心配するな、敵だったとしても必ず倒してグレイフィアの所に突き出すんでな」

「・・・・そうですか。それは楽しみにしてますが、私の裸を見た殿方はサーゼクスと一真様だけとなりますが朱璃はどうなのですか?」

「私もですが、一真様なら構いませんと思ってますから」

「私らブラック・シャーク隊の者らは自然と隊長と一緒に入ってますから、何も問題ありませんよ」

何やら女性同士の話題となってしまったが、サーゼクスとバラキエルと俺だけとは。だが怒らないと思うし、逆に羨ましがるのはリアス側だと俺はそう思いたいね。すると浴場の扉を開ける者が現れたが、目を向けるとグレモリー眷属女性陣らとレイヴェルとイリナが全裸で勢揃いしていた。リアスが俺と身を寄せ合うグレイフィアと朱璃を確認した。

「一真。・・・・と、お義姉様!?」

「あらあら、母様まで一緒とは思いませんでしたわ」

今の俺は織斑一真としているので、自動的に名を呼ぶ時はそうなるが今の状況を見て驚いていたが朱乃と白音にレイヴェルとイリナは予想通りとなって余り驚いていない状態。グレイフィアは俺とリアスを交互に見た後、意味深な笑みを浮かべて義妹に言う。ついでに言えば朱璃は朱乃らに掛け湯をしたらこちらに来なさい的な手招きをしていたので、現在掛け湯をしてから入ってくる朱乃ら。

「あら、リアス。浴場で大きな声を出すものではありません、それに朱璃の娘はこの状況を理解しているようですがまだ理解出来ていないようですわね」

「・・・・一真を混浴温泉に誘おうと皆でオーナー室に行ってみたら、アザゼルだけしかいなかったのでここにいると思い来てみれば・・・・こ、これは一体?」

「この状況を見れば理解出来るが、未だに信じられない顔をしているな」

「母様と一緒に居るとは思いませんでしたが、確かに一真さん以外の男性が居れば話は別となります。母様もグレイフィア様も自然体ですし、リアスらはフリーズでもしたのかしら?」

震えながら俺らに問い掛ける一方で、掛け湯をしてから湯に入ってきた勝ち組である朱乃・白音・レイヴェル・イリナは俺ら付近で自然体として入ってたけどな。言い訳する程でもないので黙っているとグレイフィアが俺に抱き着いてくる事で、更にプレッシャーをあちら側に与えていた。

「主とのお風呂でのスキンシップ、と言ったらどうするのかしら?」

「まあ確かに俺は主なのかもしれんが・・・・」

「これはからかいがありますけど、私達は様子見ですわね」

「・・・・ここに黒歌姉様がいなくて正解でした」

「まあ確かに全ての頂点と言える御方、それを主と言えば納得がいきますわ」

リアスから見れば完全に取られたと言ってもいいだろうな、グレイフィアと朱璃が相手だから勝ち目何かある訳がない。これが真の浮気とも言えるが、浮気旅行とも言えるけどここに朱乃らが集結した事に気付くと更に涙目となった浴場にいた女性陣。例え義姉を倒してもここでバトルする事は許可してないので、魔力無効化にて不敵な笑みのままとなっていた。

「お前ら落ち着けバカ共、ここは俺の宿でありここで魔力合戦するなら他でやれ。それに朱乃らは理解しているのか、他の者らもここにいる。お前らも自然体で来れんのか?いくら上級悪魔でも小娘は小娘のようだな、ティア」

「そうよねー、ここは蒼い翼CEOが居る事を忘れているんじゃないの?」

混浴風呂でバトル未遂となったが、アザゼルは酒を飲みながら男湯の露天風呂を満喫していた。慰安旅行で一番楽しんでいるのはグレモリーではなく、俺であるけど次の日になって聞くと混浴温泉入る前に酒を飲んで酔っていた状況だったとアザゼルに聞いた。

「そう言えば昨日のグレイフィアと朱璃は酔っていたような気がする」

「サーゼクスから聞いたが、グレイフィアは酒が入るとお茶目になってしまうとな。朱璃と一緒に飲んだのなら、一ちゃんと一緒に混浴出来たのも納得がいく」

「グレイフィアは夜が明けたら帰還してしまったが、有意義な時だったのかもしれんよ。現に忙しいし、サーゼクスのストッパーとして活躍してるしな」

そんで温泉宿からまた空間から車を取り出してから一緒に帰ったが、メンバーは一緒であり一緒に入ったメンツ以外は不機嫌となってしまったようだ。ま、小娘だから機嫌取り何て朝飯前だし、女性の対応は完璧だからな。

帰宅後、人間界本家で過ごしていると帰ってきた箱根組によるとヴァーリを息子と見ていたルシファー。本当の息子も居るが、アイツは頭のネジが緩んでるし何れ出てくるだろうよ。 
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