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オズのポリクローム

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第八幕その七

「腹ペコタイガーさんや臆病ライオンさんにもね」
「ああ、僕鯉大好きだよ」
「僕もだよ」
 二匹共答えはこうでした。
「本当に美味しいよね」
「あのお魚もね」
「オズの国だと川や湖でも鮪とか漁れるけれど」
「鯉も普通にいるからね」
「そうだったね、オズの国じゃ海のお魚が川にもいるよね」
 ジョージもこのことを思い出して言いました。
「その鮪も」
「そうだよ、だからああしたお魚も食べてるけれど」
「鯉もいいよね」
「鯉の味はまた格別だよ」
「物凄く美味しいよ」
「何かね」
 ここでカルロスが言うことはといいますと。
「日本人って海のお魚ばかり食べてるよね」
「鯉も食べるけれど?」
「いやいや、割合的にだよ」
 こう恵梨香にもです、カルロスは言いました。
「海と川を行き来するお魚も食べてるけれどね」
「鮭とか鰻とか」
「うん、そうしたお魚も食べるけれどね」
「鮎を食べていても」
「全体的にお魚といえばね」
 海から漁れたものだというのです。
「ブラジルじゃアマゾンから漁れたお魚よく食べるんだよね」
「ああ、アマゾンね」
「あそこのお魚は種類も数もとても多くてね」
「それでなのね」
「ブラジルじゃあそこのお魚もよく食べるんだ」
「ピラルクとか」
「食べるよ」
 この巨大なお魚もというのです。
「これが美味しいんだ」
「美味しいの」
「そうだよ、これがね」
「そうなのね」
「ピラルクって確か」
 ポリクロームはお露を飲みつつ言ってきました。
「凄く大きなお魚で」
「はい、四メートルあります」
「それはまた大きいわね」
「それを食べるんです」
「それで美味しいのね」
「そうなんです、オズの国にもいますか?」
 カルロスはポリクロームにピラルクのことについて尋ねました。
「ピラルクは」
「ブラジルのお魚よね」
「はい、そうです」
「だったらね」
「いないですか」
「そう思うわ」
「オズの国はアメリカが反映されるから」
 だからというのです、ポリクロームも。
「ブラジルのお魚は」
「いないですか」
「色々なお魚がいても」
 それでもというのです。
「ピラルクはいないわね」
「それは残念ですね」
 カルロスは実際にとても残念そうにです、ポリクロームに応えました。食べる勢いも少しだけ減っています。
「あのお魚がいないことは」
「けれどそんなに大きなお魚なのね」
「四メートルあります」
「実際に大きいわね、私の倍以上の大きさがあるわよ」
「はい、確かに」
「見てみたいけれど」
「けれどオズの国がアメリカが反映される国なら」
 そこにいる生きもの達もです。 
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