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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第四十一話 首都戦9

 
前書き
投降ペースがどんどん落ちていってる・・
 

 
西暦2115年 11月 14日


■レストルト・フォン・リヒトラーデ

『こちらオルトーマン艦隊旗艦ケリプテン!我が艦隊の被害甚大!』
『こちらルーメニック艦隊右翼部隊所属戦艦イリップス!旗艦が爆発に巻き込まれ指揮系統が混乱している!至急指示を願う!」
『こちら第46軍団司令部!軍団の約7割が爆発に巻き込まれ、戦闘継続不可能!』
『こちら第103師団所属歩兵連隊!!師団司令部が爆発に巻き込まれた!至急指示を求む!』

司令部には次々と報告が舞い込み、オペレーターたちは走り回り、参謀たちは地図を見ながら怒鳴り声をあげて話し合っている。

・・・まさか帝都で核を起爆させるとは、愚かな・・・

「侯爵閣下、帝都に突入した部隊は壊滅状態です。現在詳細を確認しておりますが、もし生きていたとしても放射能を浴びているため戦える状態ではありません。一時後退するのが得策かと思われます」
後ろから声をかけてきたのは統帥本部の幕僚の一人であるミヒャールセンだった。
「・・許可する。それと、ロンディバルト軍の被害も確認しろ」
「御意」

そういうと、ミヒャールセンは早足で去って行った。





ケルベンライク要塞から放たれた核ミサイルは、帝都にて起爆し、帝都の住んでいた市民5346万人のうち約3670万人が死亡し、1200万人以上が被爆した。

貴族派軍は、帝都で戦闘を行っていた陸軍12万のうち約10万5千名。海軍は全艦が降伏していたが、降伏した際に動力を完全に停止していたために離脱が遅れ、艦艇42隻のうち29隻、約1万8600名。飛空軍は皇帝派軍に合流しなかった約40隻、約2万4千名が戦死した。

皇帝派軍は、帝都で戦闘を行っていた陸軍16万6千名のうち約11万8千名。海軍は艦艇74隻のうち戦艦空母といった低速艦艇19隻、2万1800名。飛空軍は途中合流してきたラーベック大将の艦隊を含む1740隻のうち低速艦艇など470隻が轟沈、約33万400名が戦死し、300隻以上がどこかしらに放射能を浴び2万名以上が被爆した。

ロンディバルト軍は新無宮殿に奇襲した武装親衛隊3万8500名のうち、途中武装神父隊(第三師団)と交替した装甲擲弾兵師団(第二師団)1万4000名。第三独立艦隊138隻のうち42隻、約3万3500名が戦死し、深海棲艦艦隊5万隻のうち離脱し遅れた236隻が轟沈した。艦娘・深海棲艦の妖精部隊は、8万800人のうち53人が、撤収し遅れて天に召された。

幸いなことに貴族派軍の艦娘とロンディバルト軍の艦娘に轟沈及び放射能を浴びた者はいなかった。

この核攻撃での死亡者は、軍、民合わせて約3736万8900人。被爆者は約1205万人に上った。
第一次世界大戦の軍、民合わせた犠牲者3700万人を超える人々が、たった1度の核攻撃で命を落としたのである。


■長門


全員無事のようだな・・・

核爆発の後、私たちは陸から少し離れた洋上で再集結をしている。
特に深海棲艦は艦隊ごとに散らばってしまったようで、集めるのが大変なようだ。
向こうの、なんといったか。たしか戦艦水鬼だったな。向こうも向こうで苦労しているようだな。

私の隣にいる霧島の2番砲塔の砲身の先に金剛がくくりつけられているように見えるのは気のせいだろうか。よく見ると比叡と榛名までいるようだ。
姉妹内の事にはできるだけ関わりたくはないな。某レズ雷巡の事が軽くトラウマとしてよみがえってくる。あの時はすごかった。レズだめ絶対とか言った提督が40門の魚雷の雨を受けて、提督がゾンビのような姿で私の部屋に助けを求めてきたあれはとても怖かった。
・・ん?私のトラウマって提督がゾンビ姿で現れたことがトラウマなのか?某レズ雷巡は関係ない気がしてきた。

ついさっきまでは提督の生死が不明だったから張りつめた緊張感で満たされていたが、さきほど入った通信で提督が生きているということを聞いて、皆の表情は和らいでいる。

提督が指揮をとれない状況なので、今は最上位のハイドリヒとかいう中将が指揮を執っているようだ。
提督室で何度も顔を見たことがあったが、いかにも胡散臭そうなやつで、気に入らなかった。金剛や加賀たちにも聞いてみたが、皆一貫して信用ならないという意見だった。でも提督は何かとやつを頼りにしているらしい。だから私たちもできるだけちゃんとした対応をしている。

大和から通信が入ってきた。
集結完了したか。
・・・ん?戦艦水鬼から通信?

・・・・なに!?



■フリッツ・ヨーゼフビッテンフェルト


「・・・では、支援する必要はないと?」
『そうだ。皇帝派軍も貴族派軍も核攻撃でほぼ壊滅している。加えてわが軍も甚大な損害を被っていてよそに手を貸してやれるほどの状態ではない』
「しかし、ここで皇帝派に恩を売っておけば後々役に立つのではないか?」
『貴族派が第二第三の核攻撃を行わないとも限らん、そのような危険なことをするよりも今は自分たちの安全を確保することが重要だろう』
第二第三の核攻撃か・・・、貴族の奴らならやりかねんな。やはり自らの安全を確保する方が先か。
「了解した。こちらも艦隊が整い次第、周辺の警戒を行う」
俺がそういうとハイドリヒは頷いて再び口を開いた。
『それと、本国から増援が来るようだ。ケーニッツ元帥が直接指揮を執ってこちらに向かっている』
実動部隊総司令官自ら率いてくるとは、大統領の身を案じているというのはわかるが、今本国では防衛戦の真っ最中だ。総司令官が離れてしまって大丈夫なのだろうか。
『到着は大体18日後だ。それまで我々は残存戦力で生き延びなければならない』
弾薬や燃料などの物資はまだまだ余裕があるし、何かあれば皇帝派軍から分けてもらうことも可能だろう。
しかし、18日も皇帝派軍がいるとはいえ協力体制でいるだけだ。わが軍だけで生き延びなければならない可能性も十分にある。
「その間は、われわれはここで待機なのか?」
『基本的にロサンゼルスにて待機の予定だ。皇帝派軍が何かしら援助を求めてきたら、できうる範囲で協力はする』
できうる範囲、か。我々にできることといえば補給部隊の支援や皇帝派軍の後方支援程度だろう。ましてや前線で戦うことなど不可能だ。飛空艦艇は100隻を切り、陸軍に関しては武装親衛隊2個師団しかない。唯一まともに戦えるのは海軍だろうが、主力となるのは艦娘たちだ。下手に戦わせて轟沈でもしたら大統領から厳しいお叱りどころか首を斬られる可能性・・いや確実に処刑だろう。かといって深海棲艦は大統領個人の配下にいるようなものだし、いまだに本当に味方かもわかっていない。戦力としてはあまり数えないほうがよいだろう。
「了解した。艦隊の再編の後、周辺警戒に努める」
『うむ』
ハイドリヒがそういって一度頷くと通信は切られた。

俺は正面にあるスクリーンを見た。
ちょうど艦隊の真下には艦娘・深海棲艦艦隊がいるようだ。よく見るとその周囲にもちらほらと深海棲艦の反応が見える。恐らく離脱の際にバラバラになったのだろう。

艦隊の再編は副官と参謀長に任せて俺はコーヒーでも飲むとするか。
俺は部下の一人にコーヒーを持ってくるように言うと、指揮官席に深く座って天井を見上げた。

あと18日・・約2週間か・・・

「か、閣下!!」
クネートが大声を上げた。今度はなんだ・・・

「今度はなんだ!」

「1時方向!前方2万5000の空間にゆがみが発生!!」

「空間にゆがみ?それはn・・・」

ビュゥゥンビヒュヒュヒュヒュヒュゥゥウーーー

DOGOOOONNN!!

な・・なに・・・?

「巡洋艦ハプルセン轟沈!!」
「再び空間のゆがみが発生!」

ビュゥゥンビヒュヒュヒュヒュヒュゥゥウーーー

DOGOOOONNN!!

「空母シャフベルン被弾!戦艦フルコリセン轟沈!!」
なっ・・・何もない空間から攻撃だと・・・?

「戦艦ロートリンゲン大破!巡洋艦ガルフォン及びエルフセン轟沈!」

「閣下!御指示を!!」
「・・・ぁ・・ああ・・・全艦散開して、各自回避運動を取れ・・」
「全艦各自回避運動を取れ!」


なにが・・・何が起きているんだ・・・?

 
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