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千年の魂.

作者:風雅 迅
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第二シーズン〜時空大冒険〜
第七章 【ロストアビリティー】
  第二十五話《ストーリーが思いつかない時はお餅つこう!》

 
前書き
千魂TIME!!!

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リンカーン「ふう、本編であんま喋れねぇからここで笑っとかねぇとな」
ミンカーン「それなら俺も、、、、」

迅「いやっ!ここ、そういう場所じゃねぇから!!!!!」 

 
俺は、カインを放った、空音を連れて邪襲の時空艦へと乗りこむ。そこには、すでに乗り込んだ者と、放たれた者が待機、及び、のびていた。

「よし、行くぞ!俺たちのナイトスキルを取り戻しに!!」

「おう!!!」

一同は、迅の掛け声に息を合わせて返事し、ロストアビリティーがいるであろう牢獄を目指し、走り出す。
のびている、カインを除いて。

「おいっ!俺は、無視なのか?虫の息の俺は、無視なのかァァァァァァァァァア!!!」

カインは、寒いギャグを言いながら、迅たちの後を追った。




* * *




----牢獄----

ロストアビリティー----雷山 颯太(らいざん そうた)----は、少し錆びただけで何もない牢獄の天井を見つめていた。意味もなく。

「いいのか、、、、これで、、、、、」

そう呟くと雷山は、目を閉じた。




* * *

緑に囲まれた村に長閑(のどか)な風が吹く。それが、俺を優しく撫でて抜けていく。
俺は、そこから少し離れた丘の上で寝っ転がっているため、とても綺麗な澄んだ青空が見える。
そして、上体を起こし、村を見下ろすとこの村のすべてのエネルギー源である風車が回っているのが見える。

そうここは、〈風の村〉しかし、村の外の者たちは、ここを〈ロストビレッジ(lost village)〉----失いの村----と呼ぶ。
その理由は、ただ一つ、俺らが、〈ロストアビリティー〉と呼ばれる種族であり。〈ロストアビリティー〉は、ナイトスキルを奪う、危険なソウルナイトだとして、世間から恐れられ、差別されているからだ。

実際に、ナイトスキルを奪った〈ロストアビリティー〉などこの村には、いないのに。

「おーい!颯太〜ご飯できたよ〜」

「分かった、今いくよ」

俺を呼んだのは、姉の“雷山 楓(らいざん かえで)”だ。姉ちゃんは、いつも笑顔で人が良いこともあり、村の中では、とても信頼が厚く、男からの人気も高かった。俺も、仲の良い男友達には、よく、「お前にあの姉さんは勿体無い」と言われたものだ。

俺は、立ち上がり、丘の下にある家へと向かう。姉が笑顔で手を振っていたので、俺も笑って手を振り返す。

下までおりた俺は、姉ちゃんと一緒に、小さな家に入る。
現在、両親は仕事で村の中心の方へ行っているため、姉ちゃんと二人きりということになる。
今までは、仕事で中心に行く時、両親は、心配だからと言って、俺たちをそこに連れて行っていた。しかし今回は特別な仕事のために、俺たちは連れて行けないらしい。そこで、初めてのお留守番というわけだ。若干、ワクワクしている。
それは、表情からして姉ちゃんも一緒なのだろう。

「今日のお昼ご飯は、腕によりをかけて作ったからね!ほっぺた落っこちないように気をつけなよ!」

「本当に?俺、姉ちゃんが作ったやつを食べるの初めてだな〜〜」

と、言いながら料理に目を落とす。
見た目は、とても美味しそうで、母親が作ってくれるいつもの食事にとても似ている。これが、普段からそばで手伝いをしていた成果なのだろうか。

俺は、期待に胸を膨らませながら一口、口へと料理を運び、賞味する--------間も無く、思考回路が吹っ飛んだ。

バフン!!!

「なっ!ナンジャコリャ!!!」

俺は、破壊的な味に体全体の空気を抜かれたようになり、つい言っていた。
そう、どうやら姉ちゃんは料理が下手らしい。

しかし、そんなことを考える前に、失言「ナンジャコリャ」を誤魔化さなくてはいけない。姉ちゃんを残念な気持ちにはさせたくないから。

「ナンジャコリャ!!!め、、、めちゃくちゃ、、、、ウッ!!!」

ゲロりかける。

「う、美味いじゃん!!!美味すぎて気絶しそうだよ!!!うわー!ナンジャコリャ〜〜!!!」

と、言って、料理を口に流すように入れて、噛まずに飲み込む。
姉ちゃんは、何も知らずに笑って俺を見ていた。どうやら、気づかれずに済んだようだ。

「美味しいなら、良かった!でも、ちゃんと噛んで食べないと、喉につっかえるよ!」

「うおぉぉぉぉぉおお!!!」

全力で食べた。




* * *





「ぷはー食べた食べた!ウッ!!!」

ゲロりかける。

それを、見た姉ちゃんは、笑顔で言った。

「まったく、あんなに猛スピードで食べるから〜」

俺は、なんとか笑う。

「は、ははは!いや〜美味しすぎたから、つい」

俺が、そうやって笑っていると姉ちゃんは、ふと立ち上がり、言った。

「たまには、二人で散歩にでも行ってみようか!」

それに対し、俺は、「突然どうした?」と思ったが、断る理由もないので、それに同意した。

「よーし!それじゃ!丘の上まで競争!!!」

姉ちゃんは、颯爽と走り出す。俺は、慌ててそれを追う。

「ちょっ!待ってくれよ!!!」

俺と姉ちゃんは、丘を登りきり、両親が出かけている少し離れた村を見た。

「お父さんとお母さんは、何してるんだろうね!」

俺も、その言葉を聞いて、不思議に思った。

「そうだよな、なんで、今日は連れて行ってもらえなかったんだろ?」

「うーん」

姉ちゃんも、首を傾げて考えていた。

その時だった。村の中心から巨大な火柱が上がった。

ドゴオォォォオオオォォァオォオォォォォオオオォォオォォオォォオォォォオオオオオオオン!!!!!!!!!!!

その衝撃と熱は、俺たちのいる丘まで伝わってきた。

「な、なんだ⁉︎今の?」

俺は、横を振り向き姉ちゃんの顔を見る。

「姉ちゃん、あそこって、、、」

そこまで、俺が言った時、姉ちゃんは、歯をくいしばりながらも、走り出した。
村の中心に向かって。

「姉ちゃん!!!」

俺は、そう叫びながらも姉ちゃんを追いかけた。




俺たちが、丘を下り終えようとした時、俺たちの目の前に、一人の男が降り立った。その手には、炎を纏った剣が握られており、その先は、ロストアビリティーと思われる者を貫いていた。

俺は、すぐに姉ちゃんの前に出て、ナイトスキルを発動させ戦闘体勢になる。
俺の、ナイトスキルは、電気を操るため、俺の手では電気が火花を散らしている。

それを、見て男は言った。

「ほう、その歳で、ナイトスキルを使いこなすか、惜しいな、殺すのは」

〈殺す〉という言葉に俺は、少し後ろに下がる。
それを見ながら、男は言った。

「まぁ、上の命令なんでな、悪く思うなよ?」

そして、男は、俺に向かって、炎の剣を振り下ろした。
しかし、俺は、それを〈電気の壁〉を作り剣筋を俺からそらした上で姉ちゃんを連れてその場から距離をとる。
そして、離れたところに姉ちゃんを下ろし、男に向かって、全力で雷を放つ。

「姉ちゃんは、俺が守る!!!」

バシイィィィィィン!!!

激しい音が鳴り響く。
姉ちゃんは、その激しさを見てつい言った。

「倒せた⁉︎」

俺が、身を乗り出す姉ちゃんを手で押さえながら言う。

「いや、あれでは倒せないはず、、、」

その通り、男にダメージはあったようだがまだ余裕の表情だ。

「まさか、俺に傷をつけるとは、、、大罪だぜ?」

そう言うと、男は、剣を水平に一振りする。その瞬間、辺りの草花が炎に包まれた。

「嘘だろ、、、」

俺は、あまりの力量の違いを見せられのけぞっていた。
俺は、奴とは戦っても勝ち目はないと見て、姉ちゃんに言う。

「姉ちゃん、逃げよう!」

しかし、、、

「ダメだよ!だって、村の奥にはお父さんとお母さんが!!!」

俺は、姉ちゃんの、その泣きそうな優しい目を拒否することはできなかった。

「分かった、あいつは、俺がなんとかするよだから、それまで姉ちゃんは、離れてて!!!」

そう言って俺は、意を決して、男に飛び込む。

「うおぉぉぉぉぉおお!!!」

手のひらで、電気を、激しく放電させながら、男の腹を狙い拳を打つ。

バシイィィィィィイン!!!

「どうした?そんなもんか?」

「嘘だろ⁉︎」

男は、俺を弾き飛ばす。

バキッ!!!

俺は、そのまま姉ちゃんの隣に倒れる。

「くっ」

「颯太!大丈夫⁉︎」

姉ちゃんが俺に駆け寄る。しかし、その行動が不幸を呼んだ。
姉ちゃんが、こっちに来るのと同時に男がこっちに向かって駆け出した。

「姉ちゃん!来ちゃダメだ!!!」

ザン!!!

遅かった。
男の剣が姉ちゃんを勢いよく貫いた。
姉ちゃんの血が飛び散り、俺にかかる。
姉ちゃんは、剣に貫かれたまま、血を流している。そして、心臓を貫かれていて、目も閉じている。

男が、剣を振って、姉ちゃんの体を少し遠くに投げ捨てる。

「まず、一人だな」

そう言って男は、次に俺のほうを見る。
そして、剣を振り上げる。

俺は、姉ちゃんを殺されたショックでその場から動くこともできなかった。

しかし、男が剣を振り下ろそうとした時。

「待て!!!」

別の男の声がした。

「そいつは生捕りだ、ボスが興味があるってよ」

「ちっ、運がいいな、ガキ」

そう言って、男は、俺を殴って気絶させた。







* * *






時空艦-牢獄-

雷山は、眠りから目を覚まし頭を押さえる。

「久しぶりに見たな、この夢、、、」

雷山が、そうつぶやいているとそこに、風魔が現れた。

「起きたか?」

風魔は、頭を押さえる雷山を見て言った。
雷山は、力のない声で返事する。

「あぁ」

すると、風魔は、檻の鍵を開けて言った。

「奴らが来る、移動するぞ」

その言葉を聞き、雷山は、檻から出る。
それを確認して、風魔が言った。

「時は近い、いつでもできる心構えでいろよ」

それを聞き、雷山は、不敵な笑みを浮かべて言った。

「そんなのとっくにできている」

そうして、二人は、牢獄を後にした。
その直後----------

ドゴオォォォオオオォォァオォオォォォォオオオォォオォォオォォオォォォオオオオオオオン!!!!!!!!

魁斗が、牢獄の壁を突き破り突入した。
だが、なぜか頭には、星が回っている。
そこへ、全てを理解させるように。ビジネススーツ空音、及び謎の服を着た集団が、入ってきた。

「いない?どうして!」

最初に声を出したのは、空音だった。
それはそうだ、てっきりここにいると思い込んでいた、ロストアビリティーがいないのだ。

そこに、魁斗が起き上がり言った。

「つつ、、、壁を突き破るために、人間ミサイルを飛ばすって、どういうことだよ、、、」

そう、魁斗は、壁を突き破ったのではなく、壁に放たれたのだ。カインほど強くではないが。
現に、カインは、その傷のせいか、置き去りにされこの場にいない。

「そんなことより、ロストアビリティーだろ」

そう言ったのは、ウエディング龍明。性転換してもその恐ろしさは健在しており、一同は、怯える。その中から一人、勇敢にも声を出した。

「彼らは、つい先ほどここを出ました。」

エリカティーナ(※貫)だ。

「私の波導によると、彼らは、そこの小さな出口から出て、どこかに向かっています」

それを聞くと、空音は、再び魁斗を掴みあげ、走り出した。

「追うぞ!」

その姿は、もはや女子だった頃の面影はなく、(おとこ)だった。

それに、一同はついていく。
それを見て、迅は思うのだった。

「何だろうか、、、、主人公って。」

迅は、考えるのをやめ、新主人公(ビジネススーツ)空音を追うのだった。



* * *



時空艦-廊下-

空音の走る先に光が見える。
おそらく、この時空艦のコックピットだろう。

「出口だ!飛ばすぞ!!!」

空音は、勢いよく飛び出す。

しかし--------

グチョッ!!!

「何⁉︎」

何か、ベタつくものに突然足を取られ転倒する。
後から続いた者は、それを見て何とか立ち止まる。
一同は、空音がはまったネチョネチョを見て驚いた。

「も、餅⁉︎」

そう、そこにあったのは、真っ白なそして、巨大な餅の絨毯だ。
そこへ、上から声が降ってきた。

「餅つき〜〜〜〜〜臼ドオォォォォォォォォオオン!!!!!!!!」

いや、声と同時に、巨大な臼が空音めがけて降ってきた。
空音は、慌ててもがくが、餅が全然取れない。
そして、臼が廊下の天井と同じ高さの3メートルほどになった時。

ドゴオォォォォォォォォオオン!!!

廊下から、魁斗が飛んできて臼に当たり、だるま落としのように臼を横へと弾いた。

「ふぅ、あぶねぇあぶねぇ」

そう、魁斗を投げたのは、久しぶりに活躍した主人公、風雅 迅だった。
迅は、急いで空音のもとにより、空音を餅から剥がす。

「大丈夫か?空音!」

「あぁ、すまねぇ、助かった。」

すると、空音は、粘つくビジネススーツを脱ぎ捨て、カッターシャツ空音に変身した。ズボンは替えがないので我慢する。

「お、おう、完全に男になったな、ま、まぁ、俺の気持ちは変わらねぇが」

足の餅を剥がしながら空音は言った。

「ふっ、それでこそ、俺の見込んだ男だ」

空音が完全に動けるようになり、迅たちは、入り口の餅を飛び越え、魁斗がのびている中に入った。

すると、そこには、思いもよらぬ光景が広がっていた。

場所は、コックピット。しかし、とてつもなく広い、操縦機器は、部屋の片隅にしかなく、ほとんどがさら地だ。
そして、壁や床には傷が大量にあり、激しく何かと何かが戦ったことがわかる。
迅たちは、その中心に魁斗を見つけた。
しかし、近くにもう2人倒れている。そして、その奥には、6つの人影。そのうち2人は、風魔とロストアビリティーだ。

「ナイト!ライト!魁斗!!!」

迅は、倒れる三人の名を叫ぶ。
そして、奥の6人に向かって言った。

「お前らが。やったのか!!!」

それに、答えたのは、まずは、風刹だった。

「いや、魁斗をやったのは、お前だからな」

それに続いて、6人の中の1人が応えた。

「あぁ、そうだ、こいつらは、俺を散々痛めつけてくれたからな」

そう言って、ナイトをこちらへと蹴り飛ばした。
ナイトは、力なく迅の前に落ちる。
迅は、それを抱えて、言った。

「おいっ!大丈夫か?おいっ!」

すると、ナイトの目が少し開いた。

「何だ、やっと来たか、、、、気をつけろ、、、相手は、手強いぞ、、、、」

ナイトは、そう言うと、突然眩い光に包まれ出した。ナイトだけじゃない、ライトもだ。
そして、その光が一層強くなった次の瞬間、二人は、姿を消していた。
それを見てエリカティーナは、思わず口を開く。

「ま、まさか」

それを、リンカーンが断ち切る。

「hahahahahahahahahaha違うぞ!少年!あいつらは、瀕死に陥った為、天界に強制的に帰還させられたのさ!」

次にミンカーン

「WAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAそれより迅!あの船長は、俺とアニキに任せろ!今のお前らじゃ、勝ち目はない!」

そう言って、リンカーンとミンカーンは、船長のもとに飛び出す。
それに対し、やれやれといった表情で船長は、身体からオレンジの液体を滲ませ二人のもとへ飛び出す。

その後に、風魔とロストアビリティーを除く3人が飛び出し、迅たちの方向に向かって来る。

それに対し、迅は、リンカーンとミンカーンが船長のもとに向かって行ったのを見ながらも、全員に言った。

「龍明!魁斗!お前らは、左の臼みたいな奴!
俺と空音が真ん中のベロを出してる奴!
風刹とエリカティーナは、右のハゲを頼む!
しんどいと思うが何とか勝つぞ!」

そして、その声に駆り立てられ六人は三手に分かれて立ち向かう。

「「「「「「「「戦闘開始だ!!!」」」」」」」」 
 

 
後書き
To be continued...

ついに始まった、邪襲との正面衝突!!!ナイトとライトに一度やられながらも、ナイトとライトを倒した福泉の真の実力とは⁉︎そして、迅たちは、太刀打ちできるのか⁉︎

次回、《ウエディングにはケーキを所望する》

お楽しみに!!!!! 
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