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オズのカエルマン

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第十一幕その二

「また」
「桁外れに」
「日本の四十五倍ですよね」
「アメリカや中国の倍位だし」
「ブラジルだってね、ロシアの何分の一しかないんだよ」
 カルロスも国土の広さについては敵わないといったお顔です。
「とてもね」
「ロシアは別格だよ」
 また言った魔法使いでした。
「本当に」
「そうよ、とはいっても」
 ナターシャはお国が広いことは自慢出来てもでした、ここで今度はこの娘が苦笑いになって言いました。
「その国土の殆ど全部が寒いのよね」
「全部なのね」
「北極に近い場所もシベリアもね」
「モスクワも?」
「何処もだから」
「広くてもなのね」
「寒い場所しかないから」
 そのことが残念だというのです。
「それが残念なの」
「ロシアは」
「だから他の国が羨ましいわ」
 恵梨香だけでなく三人の男の子達も見ています。
「暖かい場所が多くて」
「オズの国もかな」 
 カエルマンはこうナターシャに尋ねました。
「暖かい場所ばかりだから」
「はい、オズの国は素晴らしいです」
 ナターシャはその暖かさを感じつつカエルマンに答えました。
「暖かくて、確かに我が国は広いですけれど」
「暖かい場所がないことは」
「残念です」
「そうなんだね」
 こうしたことをお話しながらでした、皆で。
 玄武が戻って来るのを待っていました、すると。
 皆のお話が終わったところで戻って来てでした、こう皆に言いました。
「どの川かわかったよ」
「あっ、何処ですか?」
 神宝は玄武にすぐに尋ね返しました。
「それで」
「うん、それはね」
 玄武は一呼吸置いてから答えました。
「ギリキンの国のハドソン川だよ」
「ハドソン川っていいますと」
「ここからまっすぐ北に行って」
 そしてというのです。
「イックスの国にあるよ」
「あの国ですか」
「そうだよ」
「そういえば僕達はまだ」
 ここで神宝は気付きました。
「イックスの国とかは行ってないです」
「じゃあ丁渡いい機会だね」
「はい、今回はこのままですね」
「イックスの国に向かってね」
 そしてというのです。
「ハドソン川まで行ってね」
「問題を解決すればいいよ」
「そうですね、じゃあすぐに」
「それでどんな状況なのかな」 
 カエルマンは玄武にハドソン川の状況について尋ねました。
「ハドソン川は」
「何か濁っているらしいんだ」
「濁ってるんですか」
「そうみたいだよ」
「それでだね」
 このことまで聞いてです、カエルマンも頷きました。
「蛇君も調子が悪い」
「そうなっているみたいだよ」
「それじゃあすぐに行こう」
 カエルマンは即決でした、そのうえで。 
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