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オズのカエルマン

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第六幕その十一

「あの人達は」
「うん、皆元気だよ」
「それは何よりだよ、じゃああの人達にもな」
「宜しくだね」
「言っておいてくれよ」
 こうお願いしたのでした。
「それじゃあな」
「今回はこれでお別れだね」
「そうなるな、またな」
 豹は皆にお別れを告げてでした、そして。
 その皆に一礼してです、その身をさっと翻して森の中に消えました、その煙の様に消えた姿を見てでした。
 神宝は唸ってです、こう言いました。
「忍者みたいですね」
「そう言うのね」
「うん、本当に」
 こう恵梨香にも言います。
「ああしてさっと消えるって格好いいね」
「そうね、ただ」
「ただ?」
「いや、忍者とかは」
 それこそというのでした、恵梨香は。
「何か皆誤解してるんじゃないかって」
「ああしてさっと消えたりとか?」
「本当はしないのよ」
「隠れる方かな」
「忍者は見付からないの」
 消えるよりもというのです。
「そういう風にする人達なのよ」
「何か漫画とかじゃさっと出て来てさっと消えたりするけれど」
「また違うんだ」
 そうだというのです。
「あの人達はね」
「そうなんだね」
「そう、普通にね」
 それこそというのです。
「隠れる人達なの」
「そちらなんだね」
「うん」
「そういえば豹も」
 ここで神宝も気付きました。
「どっちかっていうと」
「隠れてよね」
「そうそう、それで木の上からね」
「獲物を襲うわよね」
「頭がいいしね」
「そうした意味だとね」
 豹もというのです。
「忍者だけれど」
「忍者は隠れるもの」
「そうなの」
「そのことは覚えておいた方がいいね」
 神宝は自分で言いました。
「僕にしても」
「まあ。手裏剣とかもね」
「あれ実際はどうだったの?」
「武器よりも道具だし」
 そちらの用途で使うというのです。
「サバイバルツールみたいなものよ」
「武器として投げたりするよりも」
「案外重いらしいの」
「鉄だから」
「そう、あれで案外ね」
「何か漫画とかだと」
 神宝は自分のお国でも出ている日本の忍者漫画からお話しました、実はこの子もかなり漫画が好きなのです。
「一度に何発も投げてたりするよね」
「うんうん、両手でね」
 ジョージも言います。
「一回の戦闘でね」
「普通に何発も投げてるけれど」
「実際はそうじゃないんだ」
「投げられないんだ」
「そうなの、それで威力も」
 肝心のそれはといいますと。
「刃が浅いから」
「十字とか卍の手裏剣?」
「あと八方手裏剣も」
「そう、苦無だって」
 この形の手裏剣もというのです。 
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