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獣皮パーカー

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第五章

「あの熊の肝臓は食えないな」
「煮ても焼いてもな、食ったら死ぬ」
「そうした代物だな」
「それでだ」
 また言うアスカイネンだった。
「この村の人達はな」
「着ている服はか」
「昔のままなんだよ、パーカーの下は今風だけれどな」
「シャツとかトランクスはか」
「ボクサーパンツの人も増えてるだろうな」
 下着も今風だというのだ。
「そっちはそうなってるんだよ」
「そうか、中はか」
「けれど外に着ている服はな」
「あのままか」
「そうなんだよ」
「成程な」
 ここまで聞いてだ、ミヒャエルも納得した。そしてだった。
 二人で村長の家まで行ってそうして捜査の依頼を頼んだ。アジア系の老人の顔の村長は二人に笑って答えた。村長は普通の服で暖かい部屋の中にいる。
 その村長にだ、ミヒャエルは暖房が聞いて熱いコーヒーと甘い菓子がある部屋の中でだ。普通に洋服にスラックスの村長に尋ねた。
「一ついいですか?」
「はい、何でしょうか」
「外の人達を見ましたが」
 その現代調の部屋の中で村長に話す。やはり窓は三重で壁も厚い防寒仕様だ。
「皆さん昔の服のままですね」
「イヌイットのですね」
「獣皮パーカーのままですね」
「あれが一番暖かいですから」
 これが村長の返事だった。
「ですから」
「皆さんあれを着てるんですね」
「はい、そうです」
「あれが一番暖かいですな」
「そうなんです、私達にしてみれば」
 それ故にというのだ。
「外に出る時は今もあの服です」
「そういうことなんですね」
「家の中は暖かいので」
 暖房も聞いていて防寒設備も揃っていてだ。しかも暖かいものも食べられる。 
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