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新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~

作者:黒鐡
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2巻
  織斑家の朝×昼休みの暴動

織斑家の朝が早い事は、既に知っていると思うが当主である俺が起きた後にパソコンにメールが入っている事を知った。なので朝鍛錬をする前にパソコンを起動させるのは、面倒だからスマホで見たのだった。するとこの人間界に柚希以外の勇者の一族が、昨夜の蒼翼警察署の諜報員の報告書を見た。この街の名前は知らないので、とりあえずここを蒼翼と呼んでいるので、警察署も蒼翼と付けた。

「お兄様、如何致しましたか?」

「どうやらこの人間界に柚希以外の勇者が紛れ込んでいるようだ。しかも分身体であった東城刃更の知り合いだそうで、俺の事はまだ謎の剣術使いだとしか知られていない様子だと蒼翼警察署の諜報員の報告書にあった」

「他の勇者ですか、ですがいくら他の者が来たとしてもお兄様には敵いません」

『俺達もそう思うぜ!相棒を倒せる者は、今の所いないみたいだからな』

そう言う事なので、俺達はとりあえず朝鍛錬をするべくまずは洗顔をする事となった。そして朝鍛錬の場所をトレミー3番艦から地下二階にある鍛錬所を使う事となった。何故かと言うと、トレミー3番艦は今の所俺ら蒼翼の者らしか入れないからだ。いくら仲間になった澪達でさえ、まだ見せる事は無理なので一緒に鍛錬をするのであれば地下なら出来ると判断を下した。

「おはようございます一真さんに深雪さん」

「おはよう一真に深雪姉さん」

「おはよう澪に万理亜、今日から一緒に鍛錬をするんでな。俺が言う通りの鍛錬メニューをする事だ、万理亜は主に俺と模擬戦で澪は主に魔力での攻撃をアップするために深雪と一緒にしてもらう」

「私は魔法も使えますが、対勇者戦では剣も使いますからね。お兄様は全てのステータスがマックスではありますが、澪と万理亜にはそれぞれのメニューを熟してもらいますから覚悟を持って下さいね」

俺と深雪はそれぞれの鍛錬着に着替えたが、澪は私服で万理亜はサキュバスの姿となってからエレベーターに乗った。そして俺の指紋照合で、一気に地下に行く。扉が開いたら、既に鍛錬を行っていた朱音達やドライグ達がいた。ここはドームとなっているので、空中戦も出来るし広大になっている。俺達を待っていたかのように、朱音達が俺らを招くのだった。

「おりゃああああぁぁぁぁぁ!!!!」

「ふんっ!」

現在、俺とグレンデルで対パワーバカ戦での模擬戦をしていたが、グレンデルのヒト化を修正してからヴァルガみたいにしてみた。そして太い腕や大きな手を握って、俺に向かって腕力で防げるかどうかをしてみた。結果は片手で防げたが、足は地面を凹ます程だった。そして何度もしながら、対巨漢戦を瞬殺できるようにしてみた。

「やっぱ俺は俺の身体の方がいいな、こんな巨漢なら小回りが出来ない」

「だろ?グレンデル。体が大きい方がいいって言う奴もいるが、ドラゴンサイズとヒトサイズだと段違いだと分かるだろう」

そんでグレンデルのヒト化を元に戻した後、今度は万理亜対グレンデルという感じになった。で、俺が赤龍帝の籠手を使って倍加したのを万理亜に譲渡後の力のコントロールを今後の課題として見た。倍加後に力を発揮するので、回数によって力の譲渡が違うのと疲労感が違う。

「はぁはぁはぁ、これは流石の私でも息が切れます。一真さんの譲渡された力を発揮後に疲労感がとても出ます」

「まだまだだなあ、万理亜。ま、時間はまだまだあるがそろそろ学校の時間だから上がろうか。深雪と澪はどこにいる?」

「深雪さんなら既に上に戻りましたよ?まだまだ魔力の加減方法が課題だと言ってましたし、魔力や魔法を教えるのは鈴音ですがまだ寝ているとの事のようです」

「鈴音は朝が弱いし、夜中にパソコンとかで調べものをしている事が多い。帰ったら教えてもらうよう言っとくか」

朱音、藍音、刀花はそれぞれの鍛錬メニューをしていたし、まだここにいると言う事だから先に上がった俺達。一階に戻るとシャワー室で汗を流してから、出たが服は量子変換機で瞬時に着替えた。グレンデル達はそれぞれの服に着替えた後、俺らの朝食を一緒に食う事になった。リビング兼ダイニングに向かうと、それぞれの席には朝食が置いてあった。澪と深雪は既に食べていたので、俺達も食べ始めた。万理亜もサキュバスから普段着なので、問題なく登校できる。

「そういえば澪の魔力についてはどうなんだ?」

「まだまだね、私はまだ基礎しか出来ていなさそうだからね。本来、強大な魔力を扱えるため『魔力(マナ)』タイプの戦い方をするんだけど、まだ扱い切れてないみたいだから帰ったら鈴音さんに教わろうと思ってた」

「私はともかく澪には強くなってもらわないと、今後困りますからね。基礎を出来なければ、応用編を出来る事は出来ませんから」

「澪様は逃亡生活が長かったので、戦闘は素人レベルでしたけど一真さん達とのお陰で少しずつですが、強くはなっています。私も同じくですが」

食べ終わったので、俺らは一旦解散となってから装備の点検をした。擬態化させた聖剣エクスカリバーやISとかの確認を終えると、玄関へ集合となったがここから柚希が一緒に通学する事となっていたので玄関前にいた。俺、深雪、澪、万理亜、柚希、蒼太、沙紀、結衣を乗せた送迎車が聖ヶ坂学園前に止まると、両手に花となって澪と柚希が俺の左右にいる事が朝の日課となっていた。

「毎回思うが、これはいいのだろうか?その内三年がシメられそうだ」

「一真は気にしないでいいのよ、野中もそう言うと思うわ」

「私も同感・・・・それに一真に手を出したら、いくら三年であっても最悪退学になるかもしれない」

まあ俺も柚希に同感だが、万が一の事を考えて護衛を付けたのだからな。ストーリー原案にもあった事だし、こうして見せつければいつかは三年の者らが俺に手出しすると思ったからだ。その予感は的中して、俺と滝川がいつも通り屋上に行こうとしたら、何か面白そうな展開にとなりそうだった。

場所は人気がない中庭の校舎裏で、建物の壁面を背負った状態であるこちらの行く手を塞ぐようにして並んでいる。それに護衛者である蒼太は、外しているがいつでも俺の所に行けるように担任である坂崎と教師数人を待機させている。

十名を越えた男子生徒達で、俺と滝川は屋上に行こうとしたら案の定俺に用があるから付いて来いと言われた。俺はコイツらが魔法で操れてない事を確認後に、滝川には小さな声で先に上に行ってろと言っといた。相手は三年生がほとんどいたので、俺は何の用だ?という態度を表していた。腕を組んでいたのが、腹立ったのか手を出そうとしたけど、確認のために下がらせた。

「で?俺に何か用?用なら早めに言ってほしい」

「澪姫と同居してるらしいが・・・・まさかお前、可笑しな真似してないだろうな?」

「僕らの柚希姫にも手を出していないだろうね、本当にタダの幼馴染なのかな?」

「おいおい可笑しな事を言うなあ、それはお前らが崇拝しているからそう言えるのだろう。俺と澪とは義兄で、柚希は昔幼馴染だっただけだがそれとも何か。俺が手を出したという証拠でもあんのか?」

俺は上級生である澪と柚希を崇拝しているというか、派閥のリーダー格が問い掛けてくるので言ってやった。言葉の根底にあるのは、澪と柚希は自分達皆のモノだという強い認識なのだろう。それに新たに妹である深雪にも深雪姫と言い出したし、俺も蒼翼の王子様かプリンスと女子生徒全員から言われる程の人気者となった。なので、もし俺を暴力沙汰になったとしたら全女子生徒を敵に回す事になる。という事を思ってない連中なのかただのバカなのかは知らんけど、活発なタイプもいれば真面目タイプ、無骨な者から軽薄そうなタイプまでいた。

澪と柚希に深雪のファンはバリエーション豊かであるが、まだ俺の実力を知らない連中なのだろう。ここはあまり教師が来ない死角な所でもあるし、彼らにしてみれば利害が一致しただけで集まった大馬鹿野郎だ。敵意の籠った眼差しをしているが、本当の殺気や覇気を知らないガキ共の相手はしたくないがここは実力を出した方が良さそうだな。幸い蒼太が蒼翼警察署に通報したんで、数分でパトカーが来るよう手配をしたようだ。男も女も嫉妬は恐い方だが、俺に手を出した事を後悔させた方が後々学園生活を楽しめそうだ。

「証拠も不十分なんでそろそろ解放しろよな、それとも何か?俺が澪と柚希の裸姿を見ただけでシメるのか?」

「この野郎!俺達の澪姫を・・・・!お前ら行くぞ」

「柚希姫を見る目はそんなだったとは、流石の僕でもキレそうだ。皆、やっちまえ!」

「おいおい軽い挑発しただけでコレとはな、呆れるぐらいだが先に手を出したのはお前らだ。後々後悔したとしても、俺は知らねえよ」

手前にいた最初の雑魚らの突進を回避してから、拳や蹴りを放った。腹や背中を強打させてから、怯んだ隙を狙ってのアイアンクローで掴んでから投げる。右端にいた体育会系の上級生を軽く避けてから、俺の眼を見た奴らは気絶した。今は殺気を放っているから、まあ打撲程度に済んだが俺に手を出すとこうなるんだぞと体に教え込んだ。数分後には、ここにいた上級生全員を戦闘不能にしてから澪と柚希のリーダー格を起こしてから胸倉を掴んだ。

「いいか、俺に手を出すという後悔をしている様子だがもう遅い。お前らは最低でも停学となり、最悪退学だ。精々人生を崩壊させたと思いながら、今後を過ごすんだな」

「・・・・て、テメエ、俺達をボコボコにしたからお前も罰が下るぞ」

「そ、そうだそうだ。無実の僕達を暴力したのだから、体罰をしたのはキミだ!」

「へえー、お前らはそうやって逃げるのか。蒼太に坂崎先生も聞いた?織斑家の者に手を出すとどうなるか、まだ知らないようですよ?」

そう言ったら蒼太に沙紀と担任の坂崎先生がやってきた。学園内に警察官がやってきた事で、暴力を受けた生徒はきっと俺を捕まえるのだと思っていたようだが、逮捕したのは受けた生徒だった。最初に手を出したのを見ていた者もいるし、俺は全ての会話を胸ポケットにある隠しカメラを蒼翼警察署の署員に渡した。学園は警察官が中庭に向うので、それに便乗して来た生徒らもいた。その中には、他にもいる澪と柚希を崇拝している男子生徒や俺のファンになっている女子生徒が現場を見た時は、とても驚いていた。

「織斑様、お怪我はありませんでしょうか?」

「ああ大丈夫だが、コイツらは証拠不十分で先に手を出したからな。家庭崩壊させてもいい程だが、他の生徒も見ているから俺は離れた方が良さそうだ」

「了解しました。倒れている全員を現行犯逮捕する、全員連れて行け!」

俺は蒼太と共に校長室に向かった。一応俺から言っといた方がいいのでな、そんでしばらくすると校長先生と現場指揮をしていた者が来たので俺は説明をした。俺に手を出したのは簡単な挑発に乗った事、内容は澪と柚希のファンが暴動を起こした為である。

「なるほど、つまり学内のファンクラブの者が手を出したという事でしょうか。織斑様」

「簡単に言うとそういう事だ、この学園には成瀬澪と野中柚希を崇拝する者らが俺に用があると言って中庭に呼び出しをくらった。そんで、呼び出し内容としては俺らの澪姫と柚希姫に変な事をしていないかという事だった。ま、していると言えばしているが、俺は見た目高校生でも中身は立派な大人だ。口頭で無実証明すればよかったかもしれないが、今後またこういう風にされるのは面倒だからな」

「本当に申し訳ないが、こうする他なかったと思われます。今回蒼太を外した事で、アイツらは織斑家の何かを全く知らなかったのですから」

「そう判断した織斑少将であれば、学校側から言える事はないかと思われます。織斑家の怖さを知らないから、今回起こったのかもしれません。転入時にちゃんと注意したはずですが、どうやら裏目に出たようですな」

始業式に校長先生が言った言葉をアイツらは完全に忘れていた様子だった。俺らが蒼い翼所属なのと、問題を起こしたら学園側は庇う力は無いに等しいからだ。しばらくしてから、そろそろ外が騒がしくなくなったので俺と蒼太は外に出た。そしたら主に女子生徒だったけど・・・・。

「大丈夫?」

や。

「あなたの家について知らないからこうなるのよ」

とかだったが、前者が多かった。そんで食堂に行くと、さっきの騒動が広まっていたので俺の安否を心配していたクラスメイトがいたが軽く手を振って、深雪と澪がいる席に近付いた。空いていたので、席に座ると澪や柚希が心配していたようだ。

「大丈夫だ、織斑家の怖さを知らない奴らが悪いから心配すんな」

「その通りです。我ら織斑家の怖さを知らないから、こうなると前々から思っていましたから」

弁当を食べてから、俺は事件が起きた中庭に行くと立ち入り禁止のテープが貼られていたので通れなかった。なので教室に戻ろうとしたら、柚希一人で俺に近付いた。

「本当に大丈夫なの?報復とか・・・・」

「大丈夫だ、寧ろ報復を受けるのは加害者の親達だ。織斑家の後ろ盾には蒼い翼がいるから、何か起きたらこうなる予想くらいはしてた」

「そうだ・・・・さっき言えなかったから。一真にお願いがある、今度の週末は何か予定ある?」

「いやないよ。あるとすれば、対魔族に関しての鍛錬だけど休みくらいは空いている」

するとホッとしたかのようにしてから、こちらの制服の袖を掴んだ。そんで柚希は静かに言うが、はっきりとした口調だった。

「だったら私とデートして一真・・・・二人きりで」

「俺とか。いいよ、今は学園内は混乱しているからあとでメールしてくれると助かる」

そう言ってから、二人で教室に戻った俺と柚希。そんで放課後になったら、臨時の保護者会を開く事になったが、始めはなぜ加害者を俺にしないか。だったが、これに関しては学園側も警察側も一致した答えだったので、逆に納得させた保護者側。織斑家の後ろ盾には巨大グループ蒼い翼があり、織斑一真は次期当主なのだと全保護者が知った。

そして加害者となった生徒については、蒼い翼本社社長である零達也が言った事で強制的に納得する得なかった。主犯格は退学と共に牢屋入りとなり、成瀬澪と野中柚希のファンである他の男子生徒は暗黙のルールが出来た事で、問題を起こす事は無くなった。 
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