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我輩は逃亡者である

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第二章 世界からの逃亡者三人。
  09.なんだ、ステルスって微妙だね

私達と一緒に世界から逃げないか?世界的に指名手配されているらしいこの人と?そんなの答えは決まってる。


「行きますとも!束先輩、くーちゃんよろしく!」

おれだって世界的に指名手配されてるらしいしね、寧ろ指名手配歴の長いこの人といた方が楽に逃げられそうだし一人より楽しそうである。

「やったね!因みにかーくんは家事はできるかい?」
「無理」
「おふっ…」
「まあ掃除洗濯くらいならまあ人並みにできますが料理は…出来て2、3品だけしかつくれないで出来ないに等しいです」

ウェイパー使って炒飯とかウェイパー使ってモヤシ炒めとか、ウェイパーは万能だよ。

「もう、それでもいいよ!束さんは壊滅的に家事が出来ないからね!」
「すみません…私も掃除はともかくご飯は練習してるのですが中々上手くできず…」
「いやいや、おれもそんな出来ないか」
「いえ、私が料理をつくれば全て焦げて束様が掃除をすれば逆に散らかってしまうので…」

あ、それよりは流石にできる。むしろ大体の人間ができる。それくらいなら喜んでやろう、流石に実験体になれとかなら今すぐ逃げ出していたが居候として料理掃除を手伝うくらいなら軽いものだ。

「それではお茶でも入れてきます」
「あ、いってらっしゃいくーちゃん。それとかーくんはIS欲しくないかい?束印のつくったげないこともないよー?」

ニヤニヤしながら質問してきたよこの先輩。まあ

「取り敢えずいらないです」
「だよね、そろそろかーくんの返答が読めてきた気がするよ!因みに何で?」
「え、使わないし…あんなデカいの持ってても邪魔ですし」
「ん?ISって専用機なら待機状態ってのがあって小物とかアクセサリーサイズくらいまで小さくなるよ?ついでにそれと拡張領域(バススロット)ってのを応用してこのラボもちっさくできるんだよ…かーくん知らないこと多いねぇ」

あ、そうなのか…ナニそれ便利!タバえもんじゃんか。拡張領域とかもう名前からして四次元袋みたいな雰囲気出してるし。何処どこでも扉とか欲しい、またつくれないか聞いてみよう。
--あ、ISといえばいいたいことがあった。

「あ、そうだ束先輩ご愁傷さまです」
「え?束さんはなんでいきなりご愁傷さまって言われてるの!?たまにかーくんは脈絡ないから束さんは驚いてばかりだよ!…読めてきたとか勘違いだった!」
「脈絡ないとか束先輩には言われたくないよ」
「相変わらず突っ込みがセメントだね!愛が足りないよ!」
「まあそんなこと置いといてちょっと海で戦闘してたIS見かけたときにそう思って…もともと宇宙用が競技用になって最終的に戦闘してるわけですしISもIS開発者もドンマイ!って感じで」
「アハハ、そうだね。そういう意味なら受け取っておくよ。まあ束さんもISの機能を知らしめるためミサイル切り落とさせるのはやり過ぎたしねー、ムキになりすぎちゃったよ」
「へー、そうなんですか。若気の至りですね」

パフォーマンスのためにミサイルを切り落とさせるなんてムキになったからってやることではないけどね。

「逃走のために樹海に入るかーくんには言われたくないね、それに束さんはまだ若いよ!」
「あれ?口に出てましたか。まあ若気の至りと徹夜のテンションのせいです、後者はノーコメントで」
「出てたよ…ノーコメントってなんだよ、まだピチピチなんだぞー」
「ピチピチ(笑)」
「ピチピチ かっこ開き わらい かっこ閉じ とかわざわざ口に出して言うなー!」
「あれ?口に出てましたか?」
「思いっきり出てたよ!寧ろ目を合わせながらこれ以上なくはっきりと話してたよ!」

あるぇーオカシイナーこころにもないことがくちからでちゃったなー…あれそもそも何の話してたかな。えーと…んー?

「ウェイパーって万能ですよね」
「だから何の話!?」
「いや何の話してたか忘れたんで取り敢えず適当にあたりつけてみました」
「素直になに話してたか聞こうよ…ISの使用方法について話してたよ」
「ああ、そうでしたそうでした。ミサイル切り落とさせるパフォーマンスでしたね、それ間違いなく戦闘用って言ってるようなもんですね」
「だよねー。そんなものお前みたいな小娘につくれるか!って言われてついついやっちゃったぜ」
「やっちゃったぜの規模がおかしい、そのままの意味で天災すぎる」
「それほどでもあるかな!まあ結果的にISの機能は証明できたけどそれは現在存在する兵器を上回る兵器って形になっちゃったんだけどね」

まあそうだよね、ミサイル切り落とすとか漫画の世界レベルだもん。それを生で見たら大人たちは兵器として捉えちゃうよね、夢もロマンもない話だけど。合体とか見てみたいものだ。

「でも海で戦闘してるIS見たとき心の中でバルス唱えたら1機IS落ちましたけどね」
「へ?…えっ!?それどうい」
「あ、そういえばこのラボ小さくお手軽サイズに出来るって言ってたけど何でですか?」
「えっ、え?いや、それは…」
なにをテンパっているのだろうかこの人は。
--そう思ったところで何かブザーのような音が聞こえてきた。


「束様!ラボに2機のISが向かってきています!」
「こういうことがあるからだよ、IS委員会から各国に企業。更には犯罪組織にも追われてるからね」
「ふむ、納得。でなして見つかったの?」
「んー、かーくんと人参ロケットで帰ってきたとき目視で確認されちゃったかなー。あとバルスの件あとで詳しく」
「あ、そうなんですか。なんか申し訳ないです。ええまたいつでも話しますよ」
「いいよ、いつも買い物とか行ったあと見つかることあるし」
ほれえらく高頻度じゃない?…まあメカウサミミとかが買い物してたら目立つよね、この人変装とかしなさそうだし。ゴーイングマイウェイって感じで。

「ささ!二人とも外に出るよ!あとかーくんコレ持って!」
「なにコレ、モンスター球?ISゲットだぜ?」
「ナニそれ面白そう!でもそれは違うんだなー、束印のステルス玉だよ!その玉のボタンを押せば目視以外基本見つからなくなるから逃げるときにはそれを押してね!くーちゃんも持ったかい?」
「はい!いきましょう!」

おー流石逃亡者の先輩、これは便利すぎる。これがあれば今までも…あ、駄目だ。基本目視で見つかってる。やっぱ何処でも扉とかが欲しいな。

「タバえもん、何処でも扉だしてよ」
「そんなのないよ!?タバえもんってなに!?」
「束様!急いで逃げないとISが来てしまいます!」
「わ、わかった!ああもう!いくよ、かーくん!」
「はいはーい、久々に走って逃げる気がするなぁ」
「私は走るのに自信がないのですが…」
「ほらほらくーちゃんは背負うよ!エスケープだよ!すたこらさっさー!」
「ちょ!?はやっ!」


--こうして慌ただしくもコソコソした世界的指名手配たちの逃亡が始まった。 
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