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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS戦術解説
  コロニー内戦闘①

——コロニーにダメージを与えない戦闘法の確立——

 宇宙世紀で過去、行われた戦闘において、スペース・コロニーが戦場となった例は枚挙に暇がない。しかし、それがどれだけの精密さで行われたのかということには疑問が残る。周囲が真空の宇宙空間であるコロニー内での戦闘では、その方法をひとつでも間違えるとコロニーに大きなダメージを与え、住民も多大な被害を受けてしまう。U.C.0079,09,18、サイド7で行われた連邦軍とジオン公国軍の戦闘では、MSの爆発によりコロニーの外壁が破損する被害と共に、住民が宇宙空間へと吸い出されるという二次被害も出ている。この結果を問題視していれば、その後、コロニー内戦闘に対する教訓などの対策が作られてもよさそうなものなのだが、各軍隊ともにそういった動きは見られなかった。U.C.0087~0088にも平然とコロニー内で戦闘が行われ、あまつさえ外壁を破壊して侵入するという強引な方法も採られたという。このような事実を見る限り、地球連邦の打倒とスペースノイドの自治獲得を狙った各軍(勢力)の指導者達は、宇宙に住む人々の礎であるスペース・コロニーに対する思慮をあまりにも欠いていたと言わざるを得ない。

 こうした状況に変化が訪れるのは、U.C.0123のクロスボーン・バンガードのフロンティアⅣへの進行時であった。彼らはコロニーを占領し、自らの領土として当地・運営する必要があった。そのため、コロニー本体の不必要な破壊や、それにつながる強力な兵器の使用を制限していた。それがもっとも顕著に現れているものが、ショット・ランサーと呼ばれる兵器であった。突き詰めてしまえばただの「ヤリ」であるが、穂先を射出して敵を突き刺すことで、大規模な爆発を起こすジェネレーターを破壊せずに相手の戦闘力を奪うことが可能であった。格闘兵器であるビーム・サーベルなどに比べても中距離での使い勝手は抜群であり、コロニー内での戦闘においては理想的な武装といえる。またそれは、使用火器の威力制限に悩まされる連邦軍製MSに対して、大きなアドバンテージともなったのである。

 こうした戦術や兵器の登場により、技術として確立されたかに見えたコロニー内戦闘の手法だが、U.C.0123、しばらく戦乱がなかったことなどもあり、クロスボーン・バンガードのみのMS戦術となり後に引き継がれることはなかったようだ。





補足事項

——コロニー側の防衛戦力——

■連邦軍駐留部隊

 多くのコロニーには連邦軍から派遣された駐留部隊が存在し、有事の際には防衛戦力としての活躍が期待された。しかし、偏狭のコロニーほど配備される武器は二級であり、更に兵士の指揮や錬度もまちまちだったことから、かえって戦線を拡大することもあったと記録されている。


■コロニーが保有する防衛戦力

 サイド6のリボー・コロニーは独自に治安維持部隊(リーア軍)を保有。U.C.0079に発生した公国軍サイクロプス隊の襲撃への対抗戦力として投入した。このように各コロニーには治安維持を目的とする最小限の軍備が認められているが、MSや戦闘艦のような本格的戦力が配備されることはない。


■隕石対策用武装の転用

 各コロニーには接近する隕石などを未然に防ぐために武装が施されている。これらは主に対空ミサイルやビーム砲で、元々は自然災害への対策に用いられていたのだが、戦争の激化に従ってコロニー防衛用に転用された。しかしあくまで間に合わせの武装なので、効果の程はたかが知られている。 
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