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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS戦術解説
  水中戦・上陸戦

 
前書き
復活しました!…と言いたいところですが、とある事件以来全てのデータが消えたので正直続けられるか一年経った今でも分かっていません…。
まあ続きに繋がるようなものではありませんので速度はかなり落ちますがゆっくり更新出来たらなと思っています。がんばります。 

 
——本格的水中「戦闘」と高速上陸作戦の誕生——

 MSの出現によって、これまでの軍事的な常識は一変し、軍事用語の定義にも大幅な変更が加えられた。代表的な例として、かつて「刀槍を用いた戦い」を意味した白兵戦は「ショートレンジでの戦闘」へとその意味を変えたことが挙げられる。この「白兵戦」波用語の意味が変化した例であるが、一方で先方そのものが変化したケースも存在している。その最たるものこそ、水陸両用MSの出現によって劇的な変化を見せた、「水中戦」と「上陸戦」である。

 旧世紀において、水中で行動可能な兵器は潜水艦以外に存在しなかった。このために水中戦とは、潜水艦同士の戦いを意味するものであった。しかし、旧世紀の潜水艦同士の戦闘はMSのそれと比べ、決してスピーディーなものではなかった。その理由として、潜水艦は平均30~35ノットの速度しか出ない上、水中における唯一の兵装である魚雷も60ノットほどの速度しか出さなかった。更に、敵の細くはソナーに頼るしかないため、潜水艦同士の戦いは戦闘というよりは神経衰弱のような探り合いとなるのが常であった。これに対し、一年戦争時に出現した水陸両用MSは、旧世紀の潜水艦を大幅に上回る速力(MSM-03(ゴッグ)の最大速力は70ノットとされる)、ソナーだけでなく海流や者愛を併用した高い索敵能力、そして白兵戦能力により、素早く敵を補足し、破壊するという「格闘戦」の要素を水中戦に持ち込むことに成功した。

 一方の上陸戦も、水陸両用MSの独壇場であった。旧来の上陸戦は、制空権を確保した後、火力支援を受けつつ、揚陸艦等で兵員や機材を上陸させるという方式がほとんどであった。こうした従来の手法に対して水陸両用MSは単体で水中から接近、そのまま上陸し、目標を攻撃することが可能であった。かつては膨大な装備と人員を必要とした上陸戦も、水陸両用MSとバックアップ艦さえあれば最小限の兵員と機材で実行可能となったのである。こうした戦術は水陸両用MSの持つ柔軟性が最大限に発揮されたケースだといえる。

 一年戦争時、ジオン公国軍は水陸両用MSを投入した水中戦や上陸戦を行い、多くの戦果を挙げたといわれる。しかし、一年戦争後、上陸戦は作戦として採用されなくなった。その理由として、上陸戦は、その展開速度において大型予想機を用いた降下作戦に劣るためであるといわれている。他にも、運用性に優れる可変機の登場やサブ・フライト・システム(SFS)の一般化もこの流れに拍車を掛けたことは間違いない。一方、水中戦は上陸戦のような積極的な攻撃ではなく、浅い海域や港湾部での待ち伏せ攻撃の手法として、生き永らえることになった。



——水陸両用MSの能力が発揮される水中戦——

 機体によっても水陸両用MSの多くは水中でこそ真の性能を発揮できるように設計されている。このため地上で敵MSと公戦し、不利になった場合、敵機を水中におびき入れると言う戦法も採ることもできる。


①誘爆

 敵機を水中に誘導する。先に自分が水中へと後退する場合がほとんどである。水中に後退後は、熱核水流エンジンなどの水中用推進器を始動して機体を加速させておくと、水中戦開始に有利となる。敵機が追撃してこなかった場合、撤退することがある。


②奇襲

 敵機が水中まで追撃を行ってきた場合、奇襲を仕掛ける。敵機が通常のMSの場合、水中ではその能力を発揮できないため、水陸両用MSが有利となる。移動力で勝る水陸両用MSは、水中では充分な推進力を発揮できない通常のMSに対し優位に立つことができるのである。


③攻撃

 敵MSに対し、攻撃を行う。魚雷やサブロックを発揮しつつ急接近し、クロー攻撃を加える「一撃離脱戦法」が有効とされる(水陸両用MSのクロー攻撃は、ガンダリウム合金を性の装甲も貫通すると言われる)。また、敵機の主武装がビーム兵器だった場合、水中では威力が減衰されるため、アウトレンジからの雷撃も有効である。



——隠密性と柔軟性を生かした上陸戦——

 潜水航行で接近した後、上陸して目標を攻撃する上陸戦は、水中と陸上の双方に対する水陸両用MSの特性が最大限に発揮される戦いで、他のタイプの機体での実行は難しい。


①発進

 目標近海に接近後、MSが母艦から発進する。この際、母艦(潜水艦)は浅深度に浮上している時間を可能な限り短くする必要がある。例えばMSM-03(ゴッグ)の潜行深度は200m前後とされているため、MSを発進させる場合、母艦は深度200m程度まで浮上しなくてはならない。しかし、全長200mのユーコン級潜水艦が深度200mまで浮上した場合、航空機等から目視される危険性がある。このため、MSが発進した後は速やかに深深度まで潜水しなくてはならない。


②潜水行動

 水陸両用MSの水中での駆動音は小さく、高い隠密生を有する。しかし、軍施設の周辺海域には機雷網や監視ブイ等が設置されている。発見されると、基地施設に防御体制を整えられるばかりか、迎撃態勢を採られてしまう場合がある。このため、フリージーヤード等を使用して監視網をすばやく突破しなければならない。


③支援攻撃

 MSが上陸を行う直前、母艦から支援攻撃が行われる。これにより、事前に敵の防御施設を壊滅させると共に、命令系統を混乱させ、任務をスムーズに遂行できるようにする(タイミングや母艦の位置によっては、支援攻撃が行われない可能性もある)。


④上陸

 支援攻撃の直前、MSが上陸する。上陸地点は事前に決定されていることが普通である。また、目標まで距離がある場合などは、短距離の飛行が可能なジェット・バックなどが使用される。


⑤戦闘

 上陸後、ほとんどの場合において敵防衛部隊との交戦が行われる。物資の奪取任務などの場合、戦闘は最小限に留めることもある。


⑥任務達成

 目標の破壊や奪取、制圧等を行った時点で任務完了となる。撤収するか否かは、作戦内容によって異なる。





補足事項

——宇宙世紀の代表的な水中戦——

■U.C.0079,11,24—————大西洋

 移動中のWB隊をマッド・アングラー隊の水中用MA、MAM-07(グラブロ)と水陸両用MS部隊が奇襲。しかし、グラブロはガンダムに撃破され、MSも水上に姿を現したところに航空機からの攻撃を受けて全滅している。


■U.C.0087,07—————ニューホンコン

 ニューホンコン港湾内においてガンダムMK-Ⅱとホンコン特務のマリン・ハイザック(水中用ザク)2機が戦闘を行った。マリン・ハイザックは近代化改修が施されていたが、水面上に飛び上がった際、MK-Ⅱの攻撃を受け撃破された。


■U.C.0088,08—————大西洋アフリカ沖

 ダカールへ向けて移動中のアーガマ隊と、旧ジオン兵と地元の協力者が操る水陸両用MS部隊(連邦軍から鹵獲したザク・マリナーと、ネオ・ジオン製のカプール)が交戦、水中戦となったが、ZZガンダムの圧倒的パワーの前にMS部隊は壊滅。


■U.C.0153,04,20—————ジブラルタル沖

 リガ・ミリティア艦艇リーンホースの地球離脱を阻止するため、水陸両用MSガルグイユを装備したイエロージャケットが攻撃を実行した。シュラク隊との戦闘の末、牽引艦1隻が被弾したが、双方に大きな被害はなかった。
 
 

 
後書き
次回 コロニー内戦闘 
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