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オズのベッツイ

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第七幕その五

「お元気そうね」
「今日は何のご用かな」
「アン王女とお会いしたくて」
「ああ、アン王女だね」
「こちらにいるのよね」
「うん、今もここにいるよ」
 王様はベッツイにはっきりと答えました。
「今は席を外しているけれど」
「何処に行ったの?」
「お風呂をご馳走しているんだよ」
「あら、お風呂に入ってるの」
「そう、今はね」
「あたしが会ったすぐ後でなのね」
 猫は王様の説明を聞いて言いました。
「それでなのね」
「そう、君達に会うのならと言ってね」
「お風呂に入って奇麗になって」
「会いたいと言ってね」
 それで、というのです。
「入っているんだ」
「そうなのね」
「だから少し待ってくれるかな」
 王様は皆に穏やかな声でお話しました。
「王女がお風呂からあがるまでね」
「わかったわ、じゃあそれまでは」
 待つまでの間はです。
「お喋りをして過ごそうか」
「そうね、少しの間だし」
 ベッツイが王様に応えます。
「それがいいかしら」
「君達のことを聞きたいね」 
 王様はナターシャ達を見て言うのでした。
「ベッツイ王女のお友達だね」
「はい、そうです」
 ナターシャが一礼してから王様に答えました。
「ベッツイ王女と同じ世界から来ました」
「そうだね、それじゃあ」
「私達のことを」
「聞きたい、いいかな」
「それはいいことだね」
 ハンクも王様のお話を聞いて言いました。
「自己紹介にもなるし」
「そうよね、それじゃあ」
「うん、君達のお話を聞かせてくれるね」
「わかりました」
 こうしてアン王女が戻るまでの間はです、一行は王様達に自己紹介をしました。そしてそれが終わった時にです。
 ブロンドの豊かな髪に勝気そうな青い目の女の子がやって来ました。黄色い軍服とズボンに帽子、羽飾りとモールは金色です、そして。
 ブーツは濃い黄色です、その人が来てです。
 ベッツイ達を見てです、こう言いました。
「お久しぶり、お話は聞いてるわ」
「あたしからね」
「ええ、さっきね」
 ガラスの猫に応えて言うのでした。
「貴女から事情は聞いたから」
「それならお話が早いわね」
 ベッツイはアンのお話を聞いて笑顔で言いました。
「それじゃあね」
「黄金の林檎のジャムね」
「あるわよね、ウーガブーの国に」
「あるわ」
「それじゃあウーガブーの国に行けば」
「ええ、ただね」
 ここでこう言ったアンでした。
「一つ困ったことがあるのよ」
「困ったこと?」
「その林檎からジャムを作られるのはウーガブーの国でも一人だけなの」
「その人がどうかしたの?」
「ええ、病気になって寝込んでるの」
「大丈夫なの?」
「オズの国では誰も死なないから」
 命の危険はありません、このことは安心していいことでした。 
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