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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第十七話 ティータイムの後は・・・

西暦2115年 11月 19日
ペルシャール・ミースト


チョコを~♪とかして~♪
型に~♪入れれば~♪
特製チョコの~出来上がり~♪

そんなへんてこな歌を歌いながら俺は今菓子作りをしている。ここは鎮守府(元大統領館)の厨房だ。大統領がクッキングしてる姿ってどうよ?めったにお目にかかれるもんじゃないぜ?え?見たくない?そうですか。

それにしても作るのが大変だ。艦娘全員だと十数人になる。それを一人で作るのは容易なことではない。
それに加えて艦娘たちの好みを聞くのを忘れるという重大なミスをしてしまったのでクッキーやらチョコやら基本的なものをすべて作っている。そのせいで種類も多いし、量も多い。まぁ、自業自得なんだけどね。
しかし、作り始めて既に3時間が経過している。なお冷やしている時間は入れていない。
現在時刻午前11時26分。
冷やす時間を含めるとそうだらだらとやっているわけにもいかないので高速クッキングしている。

俺の本気、見せてやるZEEEEE!!

・・・・・・・・

ふう・・・やっと作り終わった。
疲れたよパトラッシュ・・お休み・・・・

なんてしている余裕があるはずもなく・・・
菓子を作った後は食堂の準備だ。とりあえずテーブルに布をかぶせてそんな感じを醸し出す。そして各テーブルの中央に花瓶を置く。これだけでオシャンティな感じに仕上がる。

次は紅茶の準備だ。
俺的にはブランデーを入れたいがさすがに未成年者に飲ませるわけにもいかないので自重する。
俺は紅茶が大好きだ。例でたとえるとどこぞの非常勤参謀より好きだ。俺の自宅の地下にはワイン倉庫があるがその半分が紅茶で埋まっているほどだ。(ワイン棚は撤去した)
え?コーヒーもたまには飲むだろだって?
は?コーヒー?知らない子ですねぇ。

正直に言うと○○水みたいなものを飲めるはずがない。
飲めるはずがない!(ロイエンタール風に)
大統領になって最初にやったことは軍艦などに設置されているコーヒーマシンを撤去して紅茶マシーンに変えたことだったりする。
そのあと一部の兵士が”汚物は消毒だヒャッハ――!!”と叫びながらミニガンを乱射してきたが、あれはきっと喜びのあまり気持ちが高揚しすぎたせいに違いない。きっとそうだ。

なんてことを考えながら紅茶の準備が終わり、椅子にかけていると入口から高雄と愛宕が入ってきた。
その後も続々と入ってきてだいぶ集まってきた。
艦娘たちには入ったらリストにチェックをつけるように伝えてある。
さっきも言った通り艦娘たちは十何人いるので誰がいないかわからないのだ。そのためこのようなことをしている。
席もだいぶ埋まってきたのでリストを見てみた。

第六駆逐隊のメンバーがいない。
その瞬間俺の脳裏に何かが走ったので部屋に行ってみることにした。
一人で行くと色々とトラブルが起きかねないので加賀さんと一緒に行くことにした。
本当は長門を連れて行きたかったが俺が離れると何をしでかすかわからない(特に赤城や大和)ので長門には監視役として残ってもらった。

鎮守府はレンガ造りの洋館で全部で5階建てで、
一階はいまおれたちがいる食堂や会議室、
二階は駆逐艦、軽巡洋艦、重巡洋艦の艦娘の部屋、
三階は戦艦、軽空母、空母の艦娘の部屋、
四階は艦娘用の空き部屋、
五階は提督室(執務室)、俺の自室、通信室、応接室、その他空き部屋、
となっている。
なので俺と加賀さんは二階の第六駆逐隊の部屋に向かっている。
駆逐隊は六部隊もいないのだが、艦これの設定資料では第六駆逐隊となっていたのでそのままにした。

部屋の前まで来た。
俺が先に入って中がお取込み中だった場合、最悪憲兵隊にお世話になりかねないので最初に加賀さんに入ってもらった。
加賀さんからOKの合図が来た。
俺も中に入る。

やっぱりか・・・

見事に四人ともベットインしてました。

彼女たちにも伝えておいたはずなんだけどなぁ。
しかし・・・守りたいこの寝顔!!
いやー寝顔もかわいいなぁ。とても癒されるわ。
「提督、さっきから何じろじろと見ているんですか?何か下心でもおありですか?」
ぎくっ、まずい、このままだと加賀の艦載機が俺を急降下爆撃しかねないのでさっさと起こすことにする。
加賀さんには暁と響を、俺は電と雷を手分けして起こすことにした。

まずは軽く揺さぶって様子を見る。どこでも偵察は大事だ。

・・・反応がない。

次は少し強く揺さぶってみる。威力偵察も大事だ。

「・・・ぅぅ・・・・」
少し反応があった。しかしこれではだめだ。

最後は強く揺さぶってみる。これで偵察は最後、強行偵察だ。

「・・・ぅぅうう・・・・」
くそっ、これでもダメか。

加賀さんのほうを見てみる。加賀さんが首を横に振った。
そっちも駄目か。
こうなったら最終手段を使うしかないな。

加賀さんに合図を送る。
そして首に下げていた。例のものを口にくわえる。
加賀さんと同時に吹く。

ピーーーーーーーーーーーーーー!!!

その瞬間体躯教師が鳴らすよりも大きい音が響き渡った。

「はわわ!何が起こったのです!?」
「何の音!??」
「っ!これがレディを起こすやり方!?」
「・・・ハラショ―・・」
やっと起きたか。しかし響、なぜそこでロシア語でいいねというんだ?起こし方がよかったってことか?
まあいいや。

「お前たちに聞く、今日は何の日でしょうか」
「いきなりなんなのです?」
「レディーが起きた直後に言う言葉!?」
「今日って何かあったっけ?」
「・・・っ!ティータイム」
響がそう言うとほかの3人がはっとした。
「そうそのとおり!今日はみんなでティータイムをすると昨日伝えただろう」
「はわわ、すっかり忘れていたのです!」
「そうよそうだったわね!」
「すっかり忘れていたわ!」
「・・・忘れていた」
( ゚Д゚)ハァ?
4人そろって忘れるとかどんなミラクル?
3人寄れば文殊の知恵じゃなかったの?
ていうか君たち4人いるんだよ?一人多いんだよ?
・・・はぁ・・・
まぁしょうがない・・か・・・

「まぁいい、今回はお前たちの寝顔を見れたから不問に処す」
「「「「!????」」」」
「こんなのレディにt・・・」
「提督、そろそろ食堂に戻ったほうが」
なんてタイミング!
さすがは加賀さんだね。でもある意味KYだね。
たぶんそれ言ったら爆撃されそうだからやめておこうね。

・・・・・・・・・・・

俺は今食堂で紅茶を飲んでいる。
あの後何とか予定時間ぎりぎりで戻ってこれたので時間通り始めることが出来た。
菓子の盛られた皿やティーカップなどを運ぶのが一人では辛すぎたので間宮さんに手伝ってもらった。

ある程度時間がたった頃、みんなの感想を聞くために各テーブルを回っていった。
途中お嫁に行かせたいランキング一位の人が男性を落とすために作った菓子が俺の作った菓子より劣っていることに轟沈並みのショックを受けたり、艦隊の頭脳に糖質が何%だとか分析されたりしたが、みんなの感想をまとめると”ハラショ―”ということだった。つまりおいしかったということだ。これには俺も安心している。政治家になってからまったくと言っていいほど菓子を作っていなかったからだ。作ったとしても俺が覚えている限り2回しかない。
1回目はティレーナさんを秘書として迎えたとき。
2回目はリアスたちが来たとき。
この2回のみだ。

という風に俺はとても気分がいいのだが、実は現実逃避だったりする。

「提督、もっとおかしないんですか?(食べながら」(赤城
「ここは、譲れません(食べながら」(加賀
「一航戦の方にも負けないぐらい食べまくります(食べながら」(翔鶴
「もっと食べたいわね!(食べながら」(瑞鶴
「もっと食べたいのですが(遠慮気味になおかつ食べながら」(大和

・・・( ゚Д゚)ハァ?
お前らどんだけ食ったら腹が満たされるんだよ?
既にお前らケーキ一つずつとその他多数食ってるだろ!
こいつらのせいで食料がマッハだわ。食料庫の在庫数が常に2桁というある意味グロ画像状態なんだが。
既に作ってあった分はすべてなくなり、間宮さんに急遽作ってもらっている。

ヾ(・д・` )ネェネェ君たち、
これがティータイムだってことわかってるよね?
昼食とかと勘違いしてない?

「「「「「(もちろんさ( ー`дー´)キリッ)」」」」」

そうですか・・・

頭が痛くなってきた・・・

気分転換に庭に出てみるか(雨降ってるけど)
食堂には庭に出る入口がないので玄関のわきから庭に出た。
空を見上げていると突然雷が鳴った。
唐突になったので少しビビった。
この鎮守府(元大統領館)は完全防音素材で作られているので中に音が漏れることはほとんどない。
よほど大きな音でない限りは、だ。雷の音は少し中にも届くがワイワイガヤガヤしている食堂にその音が響くことはないだろう。

元々この鎮守府には防音対策はしていなかった。
しかし豪雨になったとき雷が何本も落ちてきてその音に驚いた六駆のメンバーが提督室(元執務室)に泣きながら入ってきた。その時は防音設備のある応接室に布団を敷いて寝かせた。その後こんなことがないように防音対策をした。ちなみに言っておくが俺は子守歌を歌って彼女たちをめかせた後、すぐに部屋を出て扉に艦娘睡眠中の紙を張り付けて提督室に戻った。しかし、応接室から出たときにシェーンコップに遭遇してしまい、ニヤニヤしながら”閣下もついに幼女趣味に目覚めたようですなぁ。まぁ閣下がロリコンになろうと私は構いませんが、閣下を逮捕する側になりたくはないですなと言われた。もちろん俺は何も手を出していなかったので”ロリコンにはなってもお前たちに逮捕される事にならないようにせいぜいがんばるよ”と反論した。シェーンコップ”せいぜい励むことですな、では小官は外からの変質者からか弱い少女たちを守る正義の騎士として励むとしますかな”と言っての不敵な笑みを浮かべながら立ち去って行った。
そんなことがった後も数回六駆のメンバーが執務室に突撃してきたので、大統領館全体に防音対策を施してもらった。

少し回想状態になっているといつの間にか二〇分も立っていた。
そろそろ戻ったほうがいいなと思い、玄関に入り食堂に戻ろうとすると後ろから俺を呼ぶ声がした。
振り返ると向こうからティレーナさんが走ってきた。何かあったのか?
ティレーナさんがはぁはぁ言っている。少し休ませてから何があったのか聞いた。

「そんなに急いで何かあったのか?」
「・・・・統合作戦本部より通信です」
統合作戦本部?なんでそんなとこから通信が?珍しいな。いや、いつもケーニッツから聞いているからか。
「で、内容は?」
「午後一時四分、第三首都モスクワに君主制連合軍の大規模な攻勢が始まったとのことです。敵の兵力は確認されているだけで飛空艦隊二個艦隊、陸軍一五個師団、その他支援部隊多数、とのことです。現在は敵の攻勢を防いでいますが人的物的損害が著しく救援を求めています」
・・・・MJKY。
冬将軍が襲来してるから今年は進行してこないと思ったんだが・・・
まさか今年中に侵攻してくるとは。
「で、援軍は出したのか?」
「第三および第四飛空艦隊、第八、第九、第十軍団を向かわせたとのことです」
二個艦隊か、出来れば三個艦隊救援に向かわせたいがそれだと他から来たときに防衛線を維持できないからなぁ・・・
陸軍は三個軍団か。わが軍の一個軍団は通常三個師団、一個師団は一万五千名編成なので一個軍団で4万5千名三個軍団で十三万五千名か。十分だな。
そういえばモスクワの民間人はどうなってるんだろう。未だ核の影響で完全ではないとはいえ、900万人が住んでいるはずだが。
「モスクワの市民はどうなっているんだ?」
「詳しい状況はわかりませんが、現在のところ死者および行方不明者約五万四千名だそうです」
五万四千名!?多くね?まだ二時間ぐらいしかたってないんだぞ?何をどうしたらそんな数になるの?
「多くないか?まだ二時間ほどしかたってないぞ?」
「飛空艦隊からの艦砲射撃によって西側のヒムキ市が壊滅的な被害を受けたようです」
艦砲射撃か・・・貴族の奴らめ、見境なくやりやがって・・・

さてこれからどうするか・・・
まずは会議を開くか。絶対委員長達が軍があーだこうだいうんだろうな・・・

 
 

 
後書き
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
言い訳をさせてもらうとこの話実は一回消し飛んでます。まぁ自分がただ間違えてブラウザバックボタンクリックしちゃっただけなんですけどね。その後五分ほど放心状態でした。それから六日ほど心が折れてやる気が出ませんでした。これからはブラウザバックボタンクリックしないように気を付けます。

最後のほうにヒムキ市と出ていますが実際に存在しています。地名の後に(元○○)がついていなければ実際にある地名です。
陸軍一個師団は一万五千名、一個軍団は三個師団四万五千名としています。ちなみに飛空艦隊の一個艦隊の兵員は約40万人です。艦隊によって人員配置や戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦の振り分けが異なっているので大体の平均と思ってください。(このせいで計算がとてつもなくめんどくさいby本音)あと戦闘艦とは別で後方支援艦も各艦隊ごとに30隻配備されています。病院船や補給艦、工作艦などこれだけで約5万人です。
 
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