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タケミカズチ、抜錨します。

作者:沙羅双樹
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タケミカズチ、我が鎮守府は君を歓迎する

 
前書き
10話放送直前 (サンテレビ)に投稿できました。タケミカズチ第5話です。

今回は提督が登場しますが、TV版の様な姿不明な提督ではありません。ぶっちゃけ、種運命のあの人です。

どの方かは本編を見てのお楽しみということで、本編をどうぞ!!



追記

本編内でタケミカズチの設定っぽいのが乗ってますが、ほぼオリジナルです。またWiki掲載のタケミカズチの兵装の数とは異なったりしますが、その点はご都合主義ということでご了承ください。 

 
【視点:タケミカズチ】



赤城さん達が所属している○○○鎮守府からの増援艦隊と合流した私は今、○○○鎮守府の庁舎を歩いている。

え?話が飛び過ぎ?現代っ子はザ・ワールドやキングクリムゾンが好きだと思ったから話を一足飛びさせてみたんだけど、やっぱりダメ?

それじゃあ、端的に説明しましょう。まず増援艦隊と合流した私と赤城さん達はムラサメ隊に艦隊護衛を任せ、増援艦隊には被弾艦娘の曳航を手伝って貰いながら鎮守府の領海まで向かった。

鎮守府領海に辿り着くと艦隊護衛を任せていたムラサメ隊に帰投して貰い、そのまま赤城さん達と共に港から工廠を兼ねた船渠に入りました。

普通、所属外の船舶がドックに入って来たら場が騒然となると思いますが、この世界ではゲーム的にいうと海戦終了後に艦娘がドロップするのも当たり前だからか、そういった意味で騒然となることは無かった。ただ、見慣れない艤装を身に着けた艦娘という意味では騒がれたけど……。

赤城さん達被弾組とはこの船渠で別れた。被弾している以上、入渠する必要があるんだから当然と言えば当然ね。で、私がこの鎮守府に所属したいという旨を被弾組の艦娘さん達から聞いていた金剛さんに案内される形で現在に至ってます。

一応言っておきますが、庁舎を案内されている理由は提督に会う為です。所属=就職とでも思って下さい。つまり、就職面接に行こうとしているって訳です。

面接会場は庁舎の提督室。普通の就職面接と違う点があるとすれば、履歴書を書いていないことでしょうか?まぁ、現地で書かされる可能性はあるけど。

あっ、言い忘れていたけど、艤装は船渠に預けてきたので今はありません。これも礼儀として当然の行為よね。と、そんな説明をしている間に提督室に着いたみたいですね。金剛さんの足が止まっています。


「Hey、ズッチー!ここがCommander‘s Roomネ!!」
「あの、金剛さん。その、ズッチーというのは一体……?」
「タケミカズチのNicknameネ!気に入りませんでしたカ?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
「それならよかったデース。Commander‘s Roomには私が先に入りマース。ズッチーは私に続いてくだサーイ!!」
「はい!」


私がそう返答すると、金剛さんはノックも無しに凄い勢いで提督室の扉を開き、文字通り跳び込んで行った。


「提督ゥ!赤城達を助けた艦娘を連れて来たデース!!」
「金剛、提督室に入る時はまずノックをしなさい。あと、抱き着こうとしない。もう少し慎みを持ちなさい」
「Boo!提督は身持ちが堅過ぎマース。ズッキーもそう思いますよネー?」
「え!?えっと、私は金剛さんみたいにムードメイカーになってくれる女性は素敵だと思いますけど、女性の好みは人それぞれだとも思っていますので……」
「だ、そうだ。だから、少し慎みを持ちなさい。と、そんなことより大淀から報告は受けているよ。君が赤城達を助けてくれた」
「はい!元オーブ連合首長国、国防海軍所属。地中海派遣艦隊旗艦、タケミカズチ級大型機動空母1番艦タケミカズチです!!」
「私は○○○鎮守府の提督を務めている戸高(トダカ)という者だ。日本海軍での階級は大佐である故、一部の艦娘には大佐と呼ばれている」


提督室に居たこの鎮守府の司令官のその姿は、種運命でタケミカズチと運命を共にしたトダカ一佐と瓜二つ、名前と階級も同じ男性だった。


「来て貰って早々申し訳ないが、いくつか質問させて貰っていいだろうか?」
「は、はい!どうじょ!!ッ!!」


トダカ一佐と同じ姿の提督さんに驚いてしまい、しかも噛んでしまった。これはかなり恥ずかしい……。


「ははは。そう緊張しなくてもいい。質問と言っても大したことの無い質問だ」
「はい……」
「では、君が我が鎮守府に所属したいというのは本当かね?大淀から報告は受けていたが、君自身の口から聞きたい」
「はい。今の私は霧島さん曰く所属不明艦。このままではどこからも補給を受けられず、ただ行先も無く海を彷徨う存在となってしまいます。
故国や仲間の為に戦って轟沈するならまだしも、何の存在意義も無く朽ち果てるなど、人間風に言うなら死んでも死にきれません。
そして、この世界で最初にこの鎮守府の赤城さん達と出会ったのも何かの縁だと思っています。だから、許されるのであれば私をこの鎮守府に所属させて下さい」
「……この鎮守府に所属したら最後、君の故国が発見されても移籍などできないが、それでも―――」
「構いません。例え守るものが故国からこの鎮守府に変わろうと、仲間となる者の為に戦えるならその選択に後悔などしません」
「……そうか。ならば、我が鎮守府は貴艦が着任することを許可しよう。と、その前に履歴書を書いて貰わなければな。正式に着任する為には履歴書が必要なのだ」


トダカ提督はそう言って机の引き出しから1枚の紙を取り出すと席を立ち、私の所までやって来て紙を渡してくれた。


「その履歴書に記載されている項目を分かる範囲で構わないので書いて、私に提出してくれ」
「あの、この場で書いても構いませんか?」
「無論だ。提督席の横に秘書艦用の机と席がある。今は長門――秘書艦も席を外しているから、そこで書きなさい」


トダカ提督に勧められるまま秘書官席に座った私は、履歴書の項目に目を通し、ステータスを開いてから机に備え付けられていたペンで項目を埋めていった。ちなみに項目は以下な感じ。


≪艦名≫
タケミカズチ
≪艦種≫
機動空母
≪正式名称≫
タケミカズチ級大型機動空母1番艦タケミカズチ
≪前所属≫
オーブ連合首長国・国防海軍・地中海派遣艦隊
≪動力主機関≫
核融合炉×1
≪推進機関≫
水流ジェット推進
≪最大船速≫
60ノット
≪最大資材消費量≫
燃料:0、弾薬:2550、ボーキサイト:3200
≪兵装≫
25mm対空ガトリング砲×16
対空噴進弾発射管×36
(対艦噴進弾【スレッジハンマー】、大気圏内噴進弾【ウォンバット】、榴散弾頭噴進弾、八式弾頭噴進弾、飛行爆雷etc)
艦載機:MVF‐M11C ムラサメ×72、ムラサメ偵察型×8
空スロット
空スロット
空スロット
空スロット
≪追加部品≫
空スロット


改めてステータスを確認すると、兵装スロットの数がGジェネの最大艦船兵装数がベースだったり、艤装のどこかに核融合炉が内蔵されていることが判明したり、何度か履歴書を書く手が止まってしまう内容だった。

というか、空母で最大速力60ノットって在り得ない速度だよね。まぁ、ナディアに登場したノーチラス号とか100ノット越えの化け物潜水艦だったけど。

あと、最初に見た時は数が多数とかなっていたガトリング砲とミサイル発射管が、ちゃんとした数字で表記されていた。このガトリング砲の数、アークエンジェルの【イーゲルシュテルン】と同じ数の様な気がするんだけど、これは何かのフラグ?

弾薬の最大消費量も弩級戦艦大和型の燃料&弾薬最大消費量の10倍相当だし。まぁ、これはムラサメとミサイルの資材消費が高いんだろうけど……。取り敢えず、書ける所は全部書いたのでトダカ提督に提出しよう。


「提督、履歴書が書けました」
「ご苦労。少し時間が掛かっていたが、分からない所でも………」


私が提出した履歴書を見ていたトダカ提督は、記載内容を読み進めて行くにつれて声が小さくなり、ついには黙ってしまった。これも当然と言えば当然の反応だと思う。


「……タケミカズチ、ここに掲載されている内容は本当なのか?」
「はい。私は核融合炉搭載機動空母なので燃料の補給が必要となることはありません。ただ、兵装の噴進弾と艦載機のムラサメが原因で弾薬消費が高くなっているのだと思います」
「ちなみに全兵装を用いればどれだけの深海棲艦を相手にできる?」
「被弾済みだったとはいえ、72機のムラサメだけで14隻の深海棲艦を轟沈させたので、私自身が噴進弾も使用するとなると最低でも5個艦隊――30隻の深海棲艦を単艦で相手取れるかと……」
「単艦で5個艦隊以上の戦力。戦艦最大の火力を誇る大和型弩級戦艦でも不可能なことだ。だからこそ、最大消費量にも納得がいく。
君の様な艦娘が我が鎮守府に所属してくれると言うなら是非も無い。タケミカズチ、我が鎮守府は君を歓迎する」


トダカ提督はそう言うや否や、座っていた席から再び立ち上がり手を差し出してきた。握手を求めていることが分かった私は、その手を握り返す形でトダカ提督の言葉に返答した。
 
 

 
後書き
ということで、提督はトダカ一佐(と同一存在の人)でした!

この提督ならある意味タケミカズチは幸せですね。(中身はタケミカズチ本人とは言い難いですが(笑))

それにしても、タケミカズチのスペックは空母の範疇を越えすぎですね。(笑)

ちなみに動力主機関を核融合炉にしたのは、ガスタービン程度ではMSへのエネルギー補給などできないでしょうし、C.E.世界で原子炉はNジャマーの影響で使えなかったと思ったからです。
(一応、Nジャマーキャンセラーはユニウス条約でMSへの使用が禁じられていたので、艦船を含む兵器にも使用が禁止されていたのではないかと私は考えました。
その点、核融合炉はNジャマーの影響を受けませんし、アークエンジェルを含む艦船にも使用されていたみたいですし、使用しても大丈夫だろうと思いました。)

主機関の水流ジェット推進は、ナディアのノーチラス号やタクティカルロアのパスカルメイジを参考にしてたりします。

取り敢えず、燃料は核融合炉のおかげで補給要らずとなりましたが、代わりに弾薬がヤバいことになりました。まぁ、ムラサメが落とされたりした時のことを考えたら当然ですね。
(むしろ少ない?その辺りのご意見も感想で頂けると嬉しいです)

それでは次回も頑張って執筆したいと思います。 
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