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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-2 1層攻略
  Story2-3 初のボス戦へ

シャオンside


第1層 トールバーナ


Bテスターが数多くいると言うのに、まだ誰一人として第1層を突破できていなかった。


Bテスターである俺やキリトも、今だにBossの部屋にさえ到達できていない。
あいつは知識があるから攻略が速いが、それでもかかりすぎだ。




好きな時間にログアウトできる状況。

学校もある限られた時間の中でのプレイであるから実際のプレイ時間は1日3〜4時間だ。祝日では、それ以上伸びる。

それだけの時間でキリトは10層、俺は14層まではいけた。



だが、今は1ヶ月睡眠込みのぶっ通しでプレイし続けても、到達できない。


だけど、漸く誰かのパーティがBossの部屋を見つけた。だからこそ、この広場でBoss攻略会議が行われる。




……そういえば、キリトは来ていないのか?


人だかりの方へと歩き、軽くキリトを探してみた。
………が、人数は40人程いるので短期間では確認しきれなかった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















第3者side


その後、トールバーナの広場でBossについての会議が始まった。

「はーい!そろそろ始めさせてもらいまーす!今日はオレの呼びかけに応じてくれてありがとう。

オレの名はディアベル!気持ち的に騎士(ナイト)
やってます!」

笑いを誘ったようだ。

その陽気な言葉から自然と周囲から笑みが浮かぶ。

「ははっ、ジョブシステムなんて無いだろ?」

「そこは勇者って言わないんだな?」

「よっ、ナイト様♪」

等々だ。


――リーダーの資質がある人って、きっとああ言う人のことを言うんだろうな~。
リアルの俺にゃ程とおーい……

離れたところでシャオンがそう考える。





そして、ディアベルは本題に入った。

「今日!オレ達のパーティは、あの塔の最上階でBoss
の部屋を発見した」

その言葉に場はどよめく。

実際にそう聞かねばわからないのだろう。

発見したと言う噂だけは出回ってはいたが、信憑性にかけていた。

だが、ああも真剣に言われれば誰もが信じる。
嘘をつくようにも見えないし付く必要も無い。

「俺達はBossを倒し、第2層に辿り着いて、このデスゲームも、いつかきっとクリアできるってことを始まりの街で待っている人に伝えなければならない!
それが、今この場所にいる俺達の義務なんだ!そうだろ!?皆っ!」

強く、その言葉を強く言い、訴えた。


皆は………パーティのものは互いに頷きあい


パチパチ


1人が拍手をすると


パチパチパチ


それが合図のように、皆が一斉に拍手した。

「それではこれから攻略会議を始めたいと思う、まずは………」

その次の言葉にキリトとシャオンは焦る。

「最大6人のパーティを組んでみてくれ。フロアBossは単なるパーティでは対抗できない。パーティを束ねた『レイド』を作るんだ!」

「うっ、ええっ……」

「うげっ……」

――やばい………あぶれる可能性大だ。ソロばかりだったから、レイドは想定してなかった

――Bossならそうだったっけな?でも……

ソロでは確かに参加はさせてもらえない可能性が高い。

まだ、だれもBossというものを経験していない事もあるだろう。





シャオンが先に動いた。

「しょうがないな。キリト、レイド、いける?」

シャオンがキリトに話した。

「待って、私もいる」

すると、キリトの近くにいた一人の女性が話しかけてきた。

「あんたは?」

「私はアスナ。よろしく」

「ああ。俺はシャオン。よろしくな」

シャオンは、キリト、アスナと組むことになった。















「よぉーし!そろそろ組み終わったかな?」

ディアベルは、周りを見渡して判断する。

「じゃあ話を「ちょぉーまってんか!?」ん?」

話に割り込むように一番上に立っていた男が声を上げた。



その男は、階段を駆け下り、ディアベルの前へといった。

「ワイはキバオウ、ってもんや。Bossと戦う前に言わせて貰いたい事がある」

そう言うと、周りを見渡す。

「こん中に、今まで死んで逝った1000人に!詫びを入れなアカン奴おるはずや!」


指をさし、そう叫んだ。

「っ…………」

キリトは、難しい表情をしていた。

どうやら、キバオウが何を言わんとするか、わかったようだ。

「キバオウさん、貴方が言っている奴らというのは、もしかして、元Bテスターだった人たちの事かな?」

ディアベルがそう聞く。

「決まってるや無いか!?Bテスト上がりの連中は!このクソゲームが始まったその時に、初心者を見捨てて消えよった!右も左も分らん9000人以上の初心者を見捨ててな!それに奴らは、旨い狩場やら、ボロいクエストを独り占めにして自分らだけ、ポンポン強ぉなって その後もずーっとしらんぷりや!」

そう言うと、周囲に睨みを利かせる!

「こん中にもおるはずやで!Bテスト上がりの奴らが!そいつらに土下座さして!溜め込んだアイテムや金をこん作戦の為に軒並みはきだしてもらわな!!パーティメンバーとして!命は預けられんし!預かれん!そう言いたいんや!」

仁王立ちをするかのように、周りにはき捨てる。

実際にそう思っている人はたくさんいるだろう。

自分達がレベルをあげるのに時間が掛かっているのに、別の奴ら、元Bテスターは簡単に上げている。

簡単に言えば嫉妬。

従来なら、それだけの事なのだが、今回は死人が大勢でているのだ。




キバオウの言い分には確かに一理はある。

それでも、Bテスト出身者たちも生きるために必死だったには違いないのだ。

このゲームが、デスゲームだと分かったその時から。

「1ついいか。騎士さん」

シャオンが立ち上がる。

「ああ、構わない」

――もっともらしい事を言ってるけど、それはただ群集を誘導しているだけ。変な理論並べられても意味ねーよ

「そっちの……えーと、たしか、キバオウだっけな。あんた、その情報は何処で得たんだ?」

シャオンは立ち上がり、そう聞いた。

「何の情報のことや?」

キバオウは、鋭い目つきのままそう聞く。

「元Bテスターが、強くなって後は知らん振り、だったか?何故それがわかる?」

「そんなもんきまっとるやろうが!このクソゲームが宣言された後!大体の初心者はあの場を動く事さえ出来んかった!蹲ったり、叫んだりしとるもんもおった!普通は大混乱や、それが当然やろ!それが!普通やが!


それがどぉや?ワイは見たんや!あの場から何人も慌てて立ち去っていく奴らを! あん場に残って!これからのことやら、なんやら、説明していくのが筋っちゅーもんやろうが!」

「あんた、Bテスターの立場に立って考えたこと、あるか」

「なんやて!?」

「Bテスターだって人間だ。
命どうこうの問題になってるときに、ゲーム慣れしてても人のこと考えてられる余裕はないさ。

おまけに、説明したからってクリアするのが早くなる、と100%言えるわけでもない。

だから、そういう人たちが全員Bテスターだって決めつけるのは100%無理だ。
他人のことまで気にかけることのできない、とんでもない状況で、Bテスターが普通のプレイヤーに説明できると思ったら大間違いだ。


あと、SAOにログインした元テスターが元テスター全体の85%いる。そのうち25%が既に死んでる。
元Bテスターでさえも死んでる。

これ鼠のアルゴの情報だから間違いじゃねーよ」

その言葉に皆動揺していた。

Bテスター出身のプレイヤーは、少なくとも初心者達より遥かに情報を持っている。

戦闘の回数においては、明らかに有利のものだろう。

そのメンバー達が死者の全体で約20%に上るのだ。

「あの情報屋のアルゴか」

ディアベルはそう言った。

「アルゴ、鼠のアルゴ。オレ、知っているぞ」

「ああ、料金は高いが信頼できる情報屋の……」

「知らない奴はいないんじゃないか?」

「それに、アイツのなら、十中八九………」

周りのメンバーは信じられるようだった。

「最後に言っとく。
このゲームはもう元Bテスターとかいうすべてのアドバンテージは一切通用しない、と考えた方がいい。

生き延びる為に、クリアする為に、何が必要なのか?それをここで真剣に話し合った方がいいと思う」

シャオンはそう言って座った。

「オレも1つ発言良いか?」

シャオンの後、スキンヘッドの大男が手を上げた。

「ああ」

ディアベルは、返事をする。

「キバオウさん。オレはエギルという者だ。オレも1つさっきの彼の発言に付け加えたい。このガイドブック。知っているか?」

「な、なんや!それくらい知っとる!道具屋においてあったヤツやろ?それが何や!」

キバオウはバツが悪くまだ、シャオンに対し睨みをきかせていた。

エギルは続ける。

「これは、元Bテスターが配布していたものだ。それも無料でな?いいか、情報は誰にでも手に入れられたんだ。そして………」

エギルは、もう1つの少し大きめの本を取り出す。

「これは、皆も知っている、鼠のアルゴから買い取ったものだ。
値ははったが、この1層目に関しては、モンスターのありとあらゆる情報、その危険性。クエストについて、それらが記載されていた。
いくつか、試してみたが間違いのないものだった。正直金銭価値以上のものだったよ。これに命を助けられたと言っても良い程だ」

そう言って、皆にみせる。

「それほどの………」

「たしか、あれって1000コルだろ?高いって思って、買わなかったけど……」

「マジかよ……」

その本には皆が興味を持っていったようだが、エギルが言うように、値は張るため手を出していなかったようだ。

「流石にBossの情報はなかったが、第1層については絶大だと思う。
この本に関しては、見たいやつには後で見せてやる。勿論金銭なんか取りはしない。

これ程の物があったのにも関わらず、たくさんのプレイヤーが死んだんだ。その理由はオレは、彼らがベテランのMMOプレイヤーだったからだとオレは考えている。自身の経験だけでプレイし、引くべき点を見誤った。
だから、彼の言うとおり、オレも今後の事を真剣に話し合った方が良いと考えているんだがな?」

皆、異論はない。

そう言っているように見えた。

「うぎぎ……へん!」

キバオウは、もう何も言えなくなって、下がって座り込んだ。

エギルもそれを確認すると同様に座った。

「ふぅ………」

キリトは一息つく。


隣のアスナもシャオンの方をじっと見ていた。

「皆、貴重な発言を感謝している。そして、キバオウさん。キミの言いことも理解できるよ。

オレだって、右も左も分らないフィールドを何度も死にそうになりながらたどり着いたんだ。
でも、そこの彼やエギルさんの言うとおりだ。今は前を見よう。元テスターだって、いや、元テスターだからこそ、その戦力はBoss攻略の為に必要なものなんだ。君の言うように、排除するようなことをして結果攻略が失敗したら何の意味もないじゃないか?」

こちらの言葉は実に爽やかな弁舌だ。

さっきのシャオンの情報を聞いて驚愕していたその表情は既に息を潜めていた。

今日一番聴衆の皆が頷いていたのだ。

「ふ、フンッ!もお、かまへん!」

キバオウはそのまま黙りこくった。

話に口出ししないと言うかのようにだ。

「さて、それらをふまえて再開する。実は、先ほど 例のガイドブックの最新版が発行された」


場がどよめく。



それは、『アルゴの攻略本』と呼ばれている。
エギルの話から分かるように、信頼できる本だ。

「Bossの情報だが、この本によると、Bossの名は『イルファング・ザ・コボルド・ロード』。そして、『ルインコボルト・センチネル』と言う取り巻きがいるらしい。
それとBossの武器は斧とバックラー。4本あるHPバーの最後の1本が赤くなると、曲刀カテゴリーのタルワールに武器を持ち替え、攻撃パターンも変わると言う事だ」

ディアベルが、そう説明した。















そして、数点を説明した後……

「さて、攻略会議はここまでだ。
さて、最後にアイテム分配についてだが、金は全員で自動均等割り、そして、経験値はモンスターを倒したパーティのもの。アイテムはゲットした人のものとする。異存は無いかな?」

その言葉に皆、異存は無いようだった。

「よし、それでは 明日の朝10時にここを出発する。では、解散!!」

その宣言の後、それぞれのパーティが解散していった。
















Story2-3 END 
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