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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第四話 新たなるfamily(ファミリー)

 
前書き
この国の通貨であるディナールは1ディナール100円という設定にしています。 

 
西暦2114年5月5日
大統領宅 ペルシャール・ミースト


あーーー・・・・疲れた・・・
なんだって大統領が10時まで書類の決裁しなきゃいけないんだ・・・
世の中間違っている!(自分が早く帰ってるだけ)

あと少しで家につく・・・くそっ何で大統領が徒歩でかえらなきゃならないんだ、俺は大統領なんだぞ?
この国で一番偉いんだぞ?
あぁやっとドアの前まできた。長かった・・・ここまで長い道のりだった、それも今終わる!
お~~愛しきマイホ~~ム~~~・・・・

え?
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚ Д゚) …!?

うわァァァアアアアアアッ!!!


・・・で、どちら様?

「すいません、勝手に上り込んじゃって。私リアス・セレステアといいます。こっちは妹のクロイツェルです。ほらクロイツェル、あいさつしなさい」
「は、はじめまして・・・」
えらいねぇ~あいさつできるなんて・・・じゃねーーよ!!なになに何なの?何がどうしてどうなっている!落ち着け落ち着くんだ。冷静に状況を整理していこう。

今この家には4人の生命体がいる。もちろんその一人は俺だ。後の3人は?簡単なことだ。
目の前にいるこの女の子たちだ。何でうちに女の子が3人もいるんだ?それに堂々と紅茶飲んでるし。

それ紅茶の名産地キャメロン茶だぞ!めっちゃ高いんだぞ!?
子供が飲むには早すぎるほどの高級紅茶だぞ!?らめぇぇええっ飲んじゃらめえぇぇぇ!

ふう、取り乱してしまったようだ。そういえばさっきから後ろに隠れてるやつは誰だ?
「その後ろにいる子は?」
「私の友達のアリシア。アリシア・キャロラインです。ほら隠れてないで出てきなさいよ、早く」

まあ隠れるのも無理はないだろう。何せ独身男性(それも大統領)の自宅にいるのだから。隠れない方がすごいと思う。てかお前らは遠慮という言葉を知らんのか、何杯紅茶飲んでるんだよ。人の物勝手に触ったり、飲んだりしちゃいけないって親に習わなかったのか?まあいい、この辺は後で修正しよう。ここはスマイルだ。おびえさせてはいけない。
スマイルスマイル。

「アリシアちゃんだね?そうだ。こちらも自己紹介しよう。まあ知ってるだろうが、この国の大統領のペルシャール・ミーストだ。よろしくな」
「「よろしくお願いします!!」」(セレステア・クロイツェル
「よ、よろしく、おねがいします・・・」(アリシア

「早速だけど、何で俺のうちにいるんだい?」
「すいません!私肝心なこと言ってませんでした!私たち、施設にいたんですけど。いきなり3人とも 車に乗せられていつの間にかここにいたんです」

なるほど~じゃねーーよっ。何で施設に入れられてた子供がいきなり施設から出されて大統領宅にくるんだよ。どういう風の吹き回しだ?そういえばこいつらには両親とかいないのか?そっちで引き取ってもらいたいんだが・・・

「そういえば君たちには両親はいないのか?」
「「「・・・・・」」」

やべっ、聞いちゃいけないこと聞いちゃった空気だ。俺ってKY?
「・・・そうか、悪いこと聞いてしまったな。すまない」
「いえ・・・大丈夫です・・・」

不味い非常にまずい、重たい空気になってしまった。ここは明るい話をしなければ。

「そうだっ、明日は買い物に行こう。見たところ着る物とか日用品とかあまりなさそうだしな」
「ほんとですか?」
「ああ、安心しろ。金ならいくらでもあるからな。好きなだけ買っていいぞ」
「「「ありがとうございます!!」」」

「ほら今日はもう遅いし、寝てしまおう。2階の空き部屋を使っていいから、そこで寝なさい、いいね?」
「わかりました。じゃあ、えっと、おやすみなさい!!」
「おやすみなさ~~い」
「お、おやすみなさい・・・」
「ああ、ぐっすり眠るんだよ」
「・・・・」
「なんだまだ何かあるのか?」
「夜這いに来たりしませんよね??」
(!!???)
「な、何を言っているんだい?そんなことするわけないだろう」
「・・・・」

ダメだ信用されてない。信用できる方がおかしいが・・・ん?待てよたしかあの部屋は・・・そうだ!あの部屋はロックをかけられるんだった。これで解決だな、安心できるだろう。

「あの部屋にはロックがかけられるから自由にかけていいよ。これでいいだろう?」
「・・・わかりました。おやすみなさい」

ふう、何とか乗り切った。とりあえずティレーナさんに連絡しよう。彼女らが来たことについて何か知っているかもしれない。

プルルル  プルルル   ガチャ

「秘書のティレーナです。大統領?こんな夜遅くにどうしたのですか?」
「どうしたもこうしたもあるか。うちに帰ってくると女の子が3人も家に上がり込んでいたんだが?理性ある返答を期待するや節である( ー`дー´)キリッ」
「説明をし忘れていました。申し訳ございません。」
「(普通に返された・・)謝るのは後でいい。で、彼女らはなぜ私のうちにいるんだ?」

「簡単にいえば政治宣伝のためです(きっぱり」

「はい??ティレーナさん、どうやら回線が悪いようだ。政治宣伝という言葉が聞こえたんだが?」
「回線のせいではありません。せ・い・じ・せ・ん・で・んのためです、閣下」
「・・・・」
「誰も引き取らない、戦争孤児を引き取ることで国民の支持率が上昇するのです」
「貴様!!貴様は子供までも政治の道具にしようというのか!!」
俺が怒鳴り声をあげるとティレーナさんはおびえもせずきっぱりといった。

「では彼女たちを施設にかえしますか?」
「・・・・」
「閣下がそこまで言うなら無理に引き取ってもらう必要はありません。施設に返します」
「・・・わかった・・・あの3人はこちらで引き取る。ただし!ただしだ、これを政治宣伝に利用することは許さんいいか!?」
「・・・わかりました。閣下がそこまで言うのなら、こちらとしては何も言いません」
「うむではこの話は終わりだ。で?あの3人には親戚などはいなかったか?」
「いました」
いました?ということはいまはいないということか?

「いました、ということはいまはいないのか?」
「ええ、両親はともに死亡し、祖父母もともにがんで亡くなりました」
「では、親戚などはいなかったのか?」
「います、しかし・・・」
「しかし、なんだ?」
「祖父母がなくなった後親戚の家で引き取ってもらっていたようですが、彼女らが両親から託された金を脅迫して奪った挙句、散々こき使っていたようです。彼女らは親戚が家を留守にしているときに逃げ出して警察に保護されたそうです」

は?火〇るの墓のババアみたいなやつらだな、ひどいもんだ。街頭にさらし首にしてやりたいな。

「なんて最低な奴らだ」
「そうですね。最低な”ごみども”です」
さすがのティレーナさんもお怒りだな。俺もマジで怒ったぜ。子供から金巻き上げて奴隷のようにこき使うなんてどんな人間だ?あぁ?武装親衛隊に逮捕させるか。死刑、いや死ぬまで奴隷として働かせるか。辺境の鉱山で死ぬまで働かせよう。子供を虐待した罰だ、せいぜい頑張るんだな。

「まあその”ゴミども”は鉱山で一生働かせるとしてだ。明日は仕事は休ましてもらう。あの子たちと買い物にでも出かけたいからなそれくらいはいいだろう?」
「わかりました。皆にその旨知らせておきます。」
「頼んだ、夜遅くに呼び出して悪かった。ではお休み」
「はい、おやすみなさいませ」

  ガチャ

さてもう寝るか・・・もうすでに3時を過ぎている、眠くてしょうがない。

武装親衛隊への連絡は・・・まあ明日の朝でいいか。



アリス・セレステアの日記
4月29日

今日は、役人の人たちが施設に来た。
何やら施設の人たちと話していたけど、なんなんだろうか。
ほかの子供たちも不安そうな表情をしている。

5月3日

今日も役人と人たちが施設に来た。今度はスーツ姿の女性も来ている。
何やらこちらを見てくるけど、なんなんだったのだろう。妹のクロイツェルも不安そうだ。
何があってもクロイツェルだけでも守らないと。

5月4日

昨日に続いて今日も役人の人たちが来た。昨日来たスーツ姿の女性もいる。
施設の人と話し終わると、いつもは玄関に向かうのにこちらに近づいてきた。
近づいてくると、いきなり腕をつかんできた。
抵抗したけど屈強な兵士に腕を捕まえられて車に乗せられてしまった。

何処へ連れていくんですか、と聞いても返事するしてくれなかった。
クロイツェルもアリシアも不安そうだった。
私たちはどこに連れていかれるんだろうか。

そう考えているといきなり腕に注射機が刺された。するとどんどん眠くなって眠ってしまった。

5月5日

起きるとそこは普通の部屋だった。
クロイツェルとアリシアを起こして部屋を出た。

そこは普通の廊下だった。どこかの家だろうか。そう考えていると急におなかがすいてきた。
昨日は夜ご飯を食べていなかったのだ。クロイツェルとアリシアおなかがすいたと呟いてる。
どこかにキッチンはないものかと調べているとおいしいにおいがした。

テーブルに食事が置かれていた。和食というものだろうか。
白米、魚、野菜、味噌汁、あと紅茶が置いてあった。3人ともおなかがすいていたので席に座って何の疑いもなく食べた。とてもおいしかった。施設の食事とは大違いだった。

食後にテーブルの端に置いてあった紅茶を飲んでいるといきなり玄関の方で音がした。この家の人が帰ってきたのだろうか。さっきまで笑顔で食事をしていた2人が急に不安な表情になった。私は恐る恐る玄関に向かった。

玄関に立っていたのは若い男性だった。どこかで見たような記憶がある。
クロイツェルとアリシアも恐る恐る後ろから近付いてきた。

アリシアが”大統領”とつぶやいた。
そうだ!テレビで何度も見たことがある。目の前に立っていたのはまさしく大統領だった。

ペルシャールさん(大統領は方っ苦しいといわれたので)はとても優しい人だった。
両親のことを聞いてくると私たちがだまったことで気づいたのか”すまない”と謝ってきた。
普通の大統領だったらこんなに低姿勢にならないと思う。

明日は買い物に連れて行ってくれるそうだ。クロイツェルもアリシア楽しみにしている。
いま私たちはとても幸せだ。

お母さんお父さん私たちは幸せです。天国で見守っていてください・・・


西暦2114年5月6日
大統領宅 ペルシャール・ミースト


「さて今日はみんなで買い物に行くぞ~。な~に時間と金はたくさんある。今日は好きなものを買っていいぞ」
「ほんとにいいんですか?」
「もちろん本当だ。さっ、行こうか」
「「「はい!」」」

アリシアちゃんは買い物大好きっ子かな?

「気を付け~礼!」
ザっ!!

こいつは・・・不良中年か・・・
「小官はローゼンカヴァリエ連隊第6代隊長のワルター・フォン・シェーンコップ准将と申します。本日は閣下の護衛の任を仰せつかりました。本日はよろしくお願いいたします。」
こいつ、アリス達がいるから真面目な顔してるんだな。”小官は~”なんて改まりやがって、いつもなら不敵な笑みを浮かべて片手にウィスキー持って適当な挨拶してくる癖に。


【ローゼンカヴァリエ連隊】
陸軍の中でも特に格闘能力の強いもので構成されたロンディバルト軍最強の陸戦部隊である。建国当時から大統領の身辺警護を担当しており、今まで数回の暗殺を未遂で防ぐなど、ローゼンカヴァリエの名に恥じない働きを見せ、一部の兵士から大統領の守護神という渾名をつけられている。
しかし強者ゆえに軍機の乱れも多く、今まで2名の連隊長と200名以上の隊員が何らかの軍機を破っており、上層部ではこのままでは軍と大統領の名誉に傷をつけるとして何らかの処罰を処すべしとの声も多数上がっていた。しかし、現在のワルターフォンシェーンコップ准将が連隊長に就任してから、そういった軍規違反は一掃され、規律正しい部隊へと早変わりし、ペルシャールが”別に規律正しくなったのなら過去のことはどうでもよくね?”と会議で発言したため、ローゼンカヴァリエへの処罰は取り消されたのである。それ以降も幾度もの警護を完璧にこなし、今ではローゼンカヴァリエとペルシャールは家族のようなものになっているのである。


「うむよろしく頼む。あ、そうだシェーンコップ准将、この子たちは優先的に守ってくれ。私よりも優先的に、いいか?」
その場にいたものが一瞬唖然とした。それもそうだろう大統領が自分の身の安全よりも、自分の子供でもなく、昨日あったばかりの3人の女の子の身の安全を優先したのだから。シェーンコップも一瞬唖然としていたが、すぐに紳士のように礼をした。

「ほうそれは・・・了解いたしました。我らローゼンカヴァリエ連隊、そちらの御嬢さんをわが身に変えましてもお守りいたします」
「よろしい、では出発するか」
「はっ」

ローゼンカヴァリエ連隊の隊員は全員私服で旅行者を装ったり、サラ―リーマンに変装したりと誰が見ても不審に思うことはなかった。ただし全員が大統領の後をストーカーしているのでそういう意味では不審に思っている者は多くいたが・・・

「まずはどこに行こうか」
「洋服屋さんに行きたい!」
そういったのは妹のクロイツェルだった。
「ほかにはあるか?じゃあまずは洋服屋に行くか」

10分ほどすると洋服屋さんについた。
「!!??い、いらっしゃいませ・・・」
店員はぎこちなくあいさつした。それもそうだろう。なにせ大統領が高級店でもないじみーな洋服屋さんに10数名の護衛を連れて入店したのだから。俺が店員の立場でも驚く。

「さぁ。好きなものを買っていいぞ。お金はいくらでもあるんだからな」
「「「は~~い!」」」
3人とも嬉しそうだな。まあ女の子だし、ファッションに目覚めるのは悪いことじゃない。

そう思っていた時期が私にもありました。

どうしてこうなった。
購入総数70着以上。この店での買い物だけで9万ディナール以上ものマネーが吹っ飛んだ。
しかし一番驚いたのは店員の方だっただろう。レジに行ったとき若い女性の店員、おそらくアルバイトだろう、びっくりして気を失ってしまった。後に来た熟練のおばさんでさえぎこちなかった。
それにしても多いな。ローゼンカヴァリエのやつらにも運んでもらってるけど、みんな完全に両手がふさがている、これじゃ護衛なんてできない。
そもそもまだ一軒目でこれなのだ。終わるころにはどうなっているか。

これではどうにもならないので、軍の輸送トラックを呼んで荷物を乗せることにした。それが完了したときローゼンカヴァリエの隊員数名が溜息を吐いたのは内緒。

さて早速二件目に直行しようと思ったのだが、妙に空気がやばい感じになっている。
目の前に怖いお兄さんが団体でこちらに向かってきたらどんなに鈍感な奴でも感じ取るだろう。

この殺気を・・・

ローゼンカヴァリエの隊員もさすがに警戒を怠るわけにはいかない。
さっきまでのほのぼの空気が一瞬にして戦場の空気に代わってしまった。
あと20メートルほどだろうか。数名が一気に走りこんできた。これを阻止するため、ローゼンカヴァリエの隊員の数名が立ちはだかる。はずなのだが、誰も立ちはだからない。どうやら俺の出かける前の言葉をよく覚えて”くださって”いたようで、リアスたちの保護を郵政したようだ。俺は怖いお兄さん二人組に抑えつけられてしまう・・・はずだが。
大統領を甘く見てもらっては困る。俺だって銃ぐらい簡単に使えるのだよ。
俺は愛銃のデザートイーグルを取り出すと男の足めがけて撃つ。
すると男の一人に命中し倒れこんだ。もう一人の男が驚いて後ろに下がる。
俺がこちらに集中している間に背後から男が4人あらわれて俺たちは囲まれてしまった。

ローゼンカヴァリエの隊員が周りを固める。男たちが一斉に銃を取り出した。
「おとなしく武器を捨てろ!さもないと貴様ら全員血祭りに上げるぞ!」

”閣下、どういたしますかな”とシェーンコップが聞いてくる。
「いや、ここは奴らを刺激しないことが肝要だ。全員武器を捨てよう」

隊員たちが武器を捨てようとしたその時、銃声が響き渡った。

BACOM!

普通ドラマではこの時の銃声はスナイパーか護衛の隊員の一人が、相手の銃めがけて撃った時の銃声になるのだが、現実ではこうも上手くはいかないようだ。銃を撃ったのは男の方で、倒れたのは・・・

アリシアちゃん!!???

なぜアリシアちゃんが撃たれてるんだ?守ってたんじゃないの?

後になって分かったことだが盾になっていた隊員の隙間をうまく突いたらしい。
しかし、幸いにもあたったのはアリシアの肩だった。

・・・アリシアが撃たれた瞬間俺の何かがぷつんと切れたような音がした。

「・・・ふふ・・・ふはっふはははっははっはっははh!!」
「何がおかしい!は!女の子は撃たれたせいで気が狂っちまったのかぁ?ひゃひゃひゃひゃっ」
「おめでとう!君たちは冥界の門への入場券がプレゼントされる!喜んで逝ってきたまえ!」

と、俺が中二めいた発言をしたその瞬間何かを察したシェーンコップがナイフを抜く。 ローゼンカヴァリエの隊員も一斉にナイフを取り出す。男たちは”ナイフごと気で何ができる”と高笑いしている。
しかし残念だだったな。そのナイフは刃を前方に発射できるバリステックナイフだ。みためはふつうのナイフだがな。

「へ!何言ってやがる。残念だが、冥界の門をくぐるのはお前の方だ」
「なんだ気づいていなかったのか?」
「なに!?」
「ふふ、君たちの目の前にいるのはかの有名なローゼンカヴァリエの隊員だ。奴らは君たちを殺したがっている。君たちはおろかにも最護衛目標である女の子を撃った。奴らは君たちを許さないだろうなぁ。HAHAHAHAHA!小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備はOK?」

男たちがぎょっとした表情で ローゼンカヴァリエの隊員たちは見た。
シェーンコップがにやりとした表情で返す。すると男たちの顔が青ざめていく。

「シェーンコップ准将、あの哀れな仔羊どもを拘束せよ。武器を持っているものは八つ裂きにして構わん」
俺がそう言うと男たちは殺されたらたまらないとあわてて武器を捨て始めた。

ローゼンカヴァリエの隊員達が流れ作業のごとく奴らを縛っていく。

「さて今日は帰るとしようか。アリシアを早く病院に連れて行かないと」
「既に病院から救急車が向っています。あと装甲車を向かわせておりますので、閣下方はそちらにお乗りください」
「そうか、わかった」

その後アリシアは病院は病院で銃弾を抜く手術をした。幸いにも銃弾は筋肉のあたりで止まっていたため、
一回の手術で終わり、2週間の入院で退院することができた。


この事件を後世の歴史家は”人は誰しも秘めた何かを持っているのだ。そしてそれが解き放たれたとき、人は中二病という奥底に眠っている真の力を得ることが出来るのだろう”と記したらしい。

 
 

 
後書き
いつもの倍ぐらいになってしまいました。(汗
銀○伝の不良中年がこの世界にもいますが、ローゼ○リッターではなくローゼンカヴァリエですので、ええ、決して薔○の騎士連隊ではないですよ。

・3月1日の修正点
ローゼンカヴァリエの説明と「こいつ、アリス達がいるから真面目な顔してるんだな。いつもなら不敵な笑みを浮かべて片手にウィスキー持って挨拶してくるくせに。」という大統領の心の中の声をワルターフォンシェーンコップの挨拶の後に追加しました。

・3月15日の修正点
ローゼンカヴァリエの隊員達が拘束している場面がとある作品に類似しているとのご指摘があったので修正しました。
 
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