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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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家庭愛は自愛と同じ


家庭愛は自愛と同じである。罪悪行為の原因とはなるが、それの弁解にはならない。
—トルストイ—

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家庭愛は自愛と同じ






◆◇◆コン◆◇◆




天井裏に潜んだまま、ショウイが飛び出さないよう抑えつける

正直オレの力じゃ長い間抑えられない

頼むから早めに決着つけてくれシュロ、イカリ



「・・・イカリ、オレ試したい技があるんだけど・・・」


「・・・言ってみ」


「秘儀・蜂球蒸し殺「却下、捕獲だ捕獲」・・・へーい」


蒸し殺し・・・ニホンミツバチがスズメバチ殺す時にする奴だよな?

・・・人間って蒸せるの?


「何をごちゃごちゃと・・・作戦会議は終わったかね?」


刀を構えることなくシュロに向けた

いやそこは構えなさい、形だけで良いから


「あんた、幻術使いなんだって・・・?
 なら、オレと勝負してみるか・・・幻術で!」


「ほう?・・・下忍如きが使えるとは思えんが・・・!?」


「木の葉烈風!」



ごく普通の下段後ろ回し蹴り・・・リークラスの速さはないにしろ、下忍の中じゃ五指に入る速さを持つシュロだ

完全にこちらを舐めきっている相手じゃ、回避不可能

タイイの左わき腹にめり込んだ



「・・・水遁・水鮫弾の術!」



蹴りでバランスを崩したタイイに、鮫を模した水の塊が叩きつけられる

吹き飛ばされ、庭に転がって行ってしまう

・・・天井裏から屋根に出るか

じたばたと暴れるショウイに刀を突き付け、動くなと命じる

案外素直に言うことを聞いた


狭い天井裏から屋根へ上がると、イカリの水遁で庭が水浸しになっていた

怒られないよな・・・?

シュロはタイイに反撃させる隙を与えさせず、次々と体術を繰り出す


しかし、踵落としが決まったと思えば、変わり身で避けられる

どこに消えたのかと探す


「私の生徒に何を教えたのかね?」



振り向きざまにクナイを投げつける

オレの気配は消せても、ショウイの気配は消えていない

簡単に後ろをとられたことに今後の課題を見つける


・・・次は一緒に隠れる相手の気配も消せるようにします


「なかなか・・・下忍とは思えん気配を消し方だ
 しかし、ショウイは気配を消せない・・・残念だったね」


ショウイはすぐさまタイイにすがりつこうとする

お前はじっとしてなさい


「・・・仮にも先生の言うことか?」


自分の生徒を嘲る言い方、気に食わない


「タイイ先生!嘘ですよね!?日向一族を、父上が攫っただなんて、嘘ですよね!?」


「・・・なんだ、そんなことか」


「そんな、ことって・・・!」


タイイに蹴りつけられ、ショウイが泣きだした

頼むから後で泣いてくれ


「ショウイ、もうわかったろ・・・悪いが、アンタはここで捕まってもらう」


ショウイを庇うように立ち、小刀を構える


「下忍如きが・・・何が出来ると言うのだね・・・っ!?なんだ!?」


突如タイイの体・・・左半身から崩れ落ちる

自由に動けない体の原因を探ろうと体を検める

捲りあげた服の影に、一匹の蜂が見えた


「・・・そんな、服の下にいつ!?」


服を使って叩き潰された蜂を見て、驚愕に彩られる

蜂なんてデカイ虫が服に入ったら気づくよな、それが蜂の中でも大きいスズメバチなら特に・・・


「・・・教えてやるよ・・・体術使いの下忍、油女一族の者なのさ
 ・・・油女一族の名は知ってるよな・・・?」


「木の葉の蟲使い・・・!」


刺された部分に薬でも塗りつけようとしているのか、ポーチを漁っている

上手く動けないため中々取り出せない

蜂の毒には免疫系や神経系の情報処理機構を攪乱する効果があるらしい

そして激しい痛みや免疫系の混乱による急性アレルギー反応、通称アナフィラキシーショックによる死亡例は多い

毒のカクテルとまで呼ばれる毒の危険性はアカデミーでも習う

敵の対処よりも、毒消しを優先する気持ちはわかる


「あんた、もう、遅いぜ」


「!?
 ・・・何だと?」


聞こえないか?あの音が・・・


「蜂は、一匹が刺すと他の蜂もつられて集団で襲いかかるという習性がある」


気づいていないのか


「周りを良く、見てみろよ」


自分を取り囲む、スズメバチの群れを確認しな


「あと、蜂って香水に魅かれてやってくるらしいぜ」


素早くポーチから香水が入った小瓶を取り出し、タイイに向かって投げつける

ショウイを連れ、屋根から飛び降りた




僅差で、声にならない悲鳴が聞こえてきた




庭ではシュロがショウイを捕獲し、イカリが水浸しの庭をなんとか元に戻そうと必死になっていた

ユギトは呆れたような顔で屋根を眺めている



「・・・幻術使いが、幻術で敗れるとは・・・情けない」



・・・お疲れ様です・・・



「いやーオレって幻術の天才なのかね!?」

「オレ今日からシュロのこと外道って呼ぶ」

「なんで!?」



・・・だって・・・



「ど、どうなったんだ・・・?タイイ先生は死んだのか?」


シュロによって簀巻きにされたショウイが叫ぶ

軽く首を横に振り、説明してやる


「いや、幻術に掛かって悶絶してるよ
 ・・・蜂が刺したのは一回だけなんだけどな」


え?と呟かれ、どう説明したものかと悩む

シュロに分投げていいかな


「そう、オレの木の葉烈風が決まったと同時に刺した、たったの一回
 ・・・神業だと思わんか?」

「思わねえ」

「・・・嫁さん、息子が反抗期ですたい・・・」


イカリはそんなシュロを無視して気絶したタイイを捕獲してきた

オレが説明した方が早いのか


「シュロは宣言通り幻術勝負を仕掛けたのさ
 ・・・蜂の毒を使ってな」

体術はすべてフェイク

だが、多少なりともダメージは与えられたと思う


「幻術なんて、何時・・・」


さっきシュロが言ったとおり、木の葉烈風の一緒に・・・な


「まずは蹴りと同時に蜂に刺させ、その毒にチャクラを流し神経系を撹乱させた
 そのあとは見ての通り体術ばっかだが・・・蟲が影から動いてたんだ
 蟲の動きで幻術をかけ、わざと俺等の方にタイイを移動させた」


「なんで!」


「お前に教えたかったんだよ、忍頭のこと
 ・・・親父さんのこと、うすうす気づいていたんだろ?
 だからタイイに縋りついた
 教えてもらったことが、真実であってほしいと」


「・・・・・・先生・・・」


「・・・あとは蜂の大群を操って、耳元で羽音だけ響かせてやって・・・
 丁寧に説明して、これから襲われると思いこませるために香水を投げた

 毒とチャクラで正常な判断力を奪われていたから出来た幻術だな」


のこのこ1人でやってきたのも大きいな

多人数で来られていたらこの術は成功しなかったと思う


服の下に忍びこませるのは苦労したぜと語るシュロが外道に見える

嘘つけ、今まで散々誰かの服の下に忍びこませてきた癖に



夕暮れがタイイとショウイを照らす

この二人が今後どうなるかは俺等の知ったことじゃないけれど

タイイが大蛇丸と組んでいたというのは大問題だ

木の葉はタイイの身柄を要求して、拷問にかけるかも知れん


今後のことは先生の指示を待つしかないか・・・















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あと一話でオリ任務編終わります多分


蜂調べると調べた分だけ好きになった

何故かみなしご(みつばち?)ハッチが見たくなったよカマキリおじさん・・・


 
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