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仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜

作者:カツゲン
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時の帝王

士達が先を進むと、
ディエンドやクウガ、電王とイマジン、
ナイトレイドのメンバー、
地獄の旅団が勢揃いしていた

「何をしている?
エンペラーは?」

士が問う

「それが…
この先にいるはずなんだけど
どうやっても開かないんだ
全員で攻撃とかもしてるんだけど…」

クウガが背後の大きな扉を示す

「まったく、何をやっても開かな…あ、開いた」

ディエンドが愚痴を言おうとすると
扉が音もたてずにゆっくりと開き始めた

「開いたじゃねぇか!」
「まるで、全員来るのを待っていたようだな
やれやれ、相当自身があるようだ」

地獄の旅団のリーダー、承太郎が呟く

「入るぞ」





扉のむこうは各々が戦ってきた
闘技場より、さらに大きなホールであった
壁の一部はステンドグラスになっており、
明かりが差し込んでいる
どうやら、上部は地上のようだ

そして、その奥の玉座に
男…セーファスが座っていた

「待ちくたびれた
全員揃うのにここまで時間がかかるとはな」
「知るか
わざわざ全員を待つなんて
自殺行為だぞ?」
「どうかな…まあいい
それにしても、私の配下達は良くやってくれたよ…」

セーファスが立ち上がる

「この偉大なる帝具の力を覚醒させるための
時間稼ぎ…十分であった
この力でお前達を倒し、
まずはあの腐った国を変え、やがては世界全てを統一する!」

懐中時計を取り出す

「さあ…始めよう!」

【エンペラー】

セーファスの手から離れた懐中時計がベルトにはまる
しかし、変身後の姿は今までと違い、
握られている武器も剣ではなく、
先端の方に時計がついた大きな杖であった

「くるぞ!」
「まずは…こうだ」

エンペラーが杖を掲げる
ディケイド達は身構えるが
エンペラーの姿が消える

「どこだ!」
「士!」

ユウスケの叫び声が聞こえると同時に
背中に衝撃が走り、壁へと吹っ飛ばされる

「くそ…何が…」

他のメンバーも次々とやられて行く
承太郎が気配を察知して行動するが、
エンペラーは再び消え、別の所から攻撃を喰らわせた

承太郎の身体が天井まで飛び、
ぶつかると瓦礫と共に落下してきた

「ぐっ…」

承太郎の身体が地面に辿り着くと
エンペラーは瓦礫の側へと歩み寄り、
一番大きな物を簡単に持ち上げた
そして、それをアヴドゥルのいる方向へ投げる

「終わりだ」
「危ないッ!」

アヴドゥルが避けの動作に入る
瓦礫のスピードからして、簡単によけられた…はずだった

瓦礫がアヴドゥルの真上の辺りまできたと思ったら
突然姿を消し、部屋全体が揺れ、轟音が響いた

音がしたのは直前まで彼がいた所である
だが、そこには底部が血と肉片まみれになった瓦礫があった

「は…?なんだよ今の…
瓦礫が…消えて…え…?」

タツミが唖然とする

「瓦礫のスピードを加速させたのだよ」

いつの間にか玉座へと座り直していた
エンペラーが言う

「お前達…今何が起こっているか
わからないだろう?
殺す前に教えてやろう
私は…神の力を手にいれたのだ
自由に時を操る事が出来る
止めたり、加速させたり、戻したり、飛ばしたり…
これが覚醒したこの帝具の力だ!」
「許せないな…!」

花京院がハイエロファントを地面に刺す

「ハイエロファントの結界!」
「何をする気か知らんが…お前も楽にしてやる」





エンペラーは再び時を止める

「クク…何をする気かわからんが、
この時が止まった世界では何も通用せん…」

彼は花京院の前に経つと、出現させた剣を振り上げ、
時を動かし始めた

剣を花京院に振り下ろそうとした瞬間、
何かによって剣が止められる

「なんだッ!?」
「かかったな…」

そこにあったのは太い紐上の物であった
よくみると、それはそこら中に張り巡らされている

「最大で半径20m…これでお前の動きが手に取るように探知できるッ!
たとえ、時を止めたとしてもだ!」

花京院がハイエロファントを地面から抜く
すると、その先端は何本にもわかれ、
地面の中へと続いていた
おそらく、そこら中にある物はこの一部なのだろう

「くらえ!エンペラー!」

触手が一斉に向かってくる




花京院は勝ちを確信し、顔にうっすらと笑みが浮かんだ
だが、次の瞬間、その顔は絶望に包まれていた

「え…?」

エンペラーを狙った触手が
なぜか全て、自分に刺さっているのだ

周りを確認すると、先ほどまで自分が立っていた場所に
エンペラーが立っている
つまり、今自分がいるのは先ほどまでエンペラーがいた場所、ということだ…

「そ…んな…結界を…通り抜け…」

そこで、花京院の意識は途絶えた




「なぜだ…なぜ、二人の位置が入れ替わっている!
そもそもどうして結界の外に出れた!」

ポルナレフが叫ぶ

「簡単さ…俺がそこを通る、という時を飛ばしただけさ
時を止めている間は直接攻撃はできない
だから、彼を私がいた場所に置き、時を動かした
結果として、彼は自分の帝具で死ぬことになったのだ…」

エンペラーがディケイド達の方を向く

「さて…次はどいつが死にたいんだ?」







 
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