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仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜

作者:カツゲン
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不完全な能力

「こいつは…生かしてはおけない
今後の帝国に大きな脅威となる…
レオーネ!タツミ!行くぞ!」
「「おう!」」

アカメを中心に
三人が突っ込んで行く

「連携を取れば…」

アカメが飛び上がり、
レオーネとタツミがエンペラーに
殴りかかる

「まだわからんのか…」

エンペラーはまた時を操作したらしく
次の瞬間には二人の間に立ち、両側に吹っ飛ばしていた

「葬る!」

アカメが上からムラサメを振り下ろす

ズシャアッ!!

彼の右肩にヒットする

直後、そこから呪毒が体に広がり始める

「当たった…!これで…」

だが、毒は突然逆流を始めた
そして、傷口が閉じ、彼の体は
何もなかったかのような状態になった

「馬鹿な…そんな」
「今のはわざとよけなかったんだよ…
私の力を見せるためにね
今は俺の体の時を戻した
だから毒は逆流して消え、傷口も閉じたのさ」

アカメを殴り倒し、エンペラーが再び玉座の所へと瞬間移動をする

「ナイトレイド…君たちとは目的が一緒で
力もあったから…残念だよ
なぜ私の事をわかってくれない?」
「お前が…人の命を弄びすぎてるからだろ!」

タツミが立ち上がり、叫ぶ

「拷問場の奴らとか…帝都警備隊の奴らとか…
いくらなんでもやりすぎだ!」
「黙れ。既に彼らはあの国のために
人を殺しすぎている
それにあいつらは見せしめだ
私の力を示すための」


エンペラーが玉座に腰掛ける

「これ以上は時間の無駄だ
終わらせる」

彼は杖を掲げ、時を止めた





彼はどこからか取り出したナイフを見つめる

「愚かな奴らだ
私におとなしく従えばいいものを…」

彼はゆっくりとナイフを一本投げた
それはディケイドの方へ真っ直ぐと向かった
目の前に停止させ、時間が動き出した瞬間に頭を貫くのだ

「さらばだ…世界の破壊者よ
貴様の事は聞いていたが
それほど脅威にはならなかったな」

ナイフが徐々にディケイドへ
近づいて行く
だが、まだ3mほど離れている所で
時が動き出した

「何ッ!?」

ナイフに気づいたディケイドは
咄嗟にそれをキャッチした

「危ねえな…また時を止めていたのか」

ディケイドがナイフを眺めながら言う

「な、何故だ!何故勝手に動いたァッ!」

再び時を止め、同じ事を繰り返す
だが、今度も目標まで行く前に時が動き出す

「ま…まさか…」

また時を止める
だが、今度は何もせずにじっとしていた
そして、指示を出さなくても時は勝手に動き出す

「そ…そんな…9秒…だと…」

思わず声が震える

「たった9秒しか止められないと言うのか!?」

突然叫び出したエンペラーに
ディケイド達は戸惑っていた

「そんな…嘘だ
そんな事はあり得ない…」

彼は気づいていなかったのだ
これまでは時を止めても目的を終えると
すぐに時を動かしていたため、9秒も
能力を使っていなかったのだ

「そんな馬鹿な…
伝承には永遠に止める事も可能だと…」

「どうしたのか知らねえが
どうやらずっと時を止めていられるわけじゃねえみたいだな」

「黙れ!そ、それでも構わん!
それでもお前達は私には勝てん!」

「それはどうかな…」

ディケイドは一枚のカードと
ケータッチを取り出した








闇の穴から
彼ーーーアポロガイストは
戦いの様子を眺めていた

「やはり、少しでもあの程度の狂気に
影響を受けるやつに
あの帝具の能力は完全に引き出せなかったか…」

彼は別の穴を開き、そこから
城の一室へと出た

「そろそろ仕掛けの準備をしておくか…」

 
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