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オズのボームさん

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第六幕その六

「劉邦さんはお酒ばかり飲んでるよ」
「この国では帝王じゃないので」
「それぞれの趣味を満喫しているよ」
「そうなんですね」
「劉邦さんは本当にお酒が好きなのよね」
 ドロシーは笑ってお話しました。
「それでおられるとね」
「ええ、自然と人が集まるわね」
「それでいつも宴会をしているわね」
「そうね」 
 オズマはドロシーの劉邦さんのお話に頷きました。
「オズの国ではね」
「とても楽しそうにね」
「項羽さんの力はとても強くて」
 ベッツイはこの人のお話をしました。
「関羽さん並に大きくて」
「関羽さんは項羽さんにはとても敵わないって言ってるわね」 
 トロットも言います。
「その強さには」
「そうよね」
「実際に項羽さんの力と体力は凄いね」
 ボームさんも認めることでした。
「オズの国の中でも」
「流石に巨人程大きくなくても」
「巨人並よね」
「それで武芸もね」
「物凄いわね」
「外の世界では伝説的な強さだったそうだけれど」
 項羽さんという人はというのです。
「それもね」
「頷けるわね」
「あの関羽さんより遥かにっていうのもね」
「そうだね、そしてその項羽さんはね」
 この人はというのです。
「史記ではだよ」
「帝王だったから」
「紀なのね」
「史記の中でも項羽さんの紀は特に素晴らしいんだ」
「項羽本紀ですね」 
 神宝が応えました。
「本当に史記の中でもです」
「特に評判がいいね」
「はい」
 その通りだというのです。
「あの部分は」
「そうだよね」
「文章といい」
「オズの国は英語だけれどね」
「英語でもですね」
「僕が読んでも素晴らしいと思うよ」
 ボームさんは神宝に答えました。
「本当にね」
「そうなんですね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「史記は読んで印象に残っているよ」
「そしてその中でもですね」
「項羽本紀はね」
「お好きですか」
「史記の中でも特に印象的だよ」
「それは何よりですね」
「全くだよ、それで史記はね」
 あらためてこの本のお話をしました。
「外の世界の歴史のコーナーにだよ」
「置きますね」
「そうするよ」
「わかりました、では今から」
「僕が運んでおくよ」 
 臆病ライオンが言ってきました。
「そうするよ」
「ああ、そうしてくれるんだ」
「うん、運ぶのが今回の僕のお仕事だからね」
 臆病ライオンはボームさんに笑顔で応えました。 
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